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安倍首相が大博打! 「衆参」&「都知事」トリプル選挙
http://wjn.jp/article/detail/1950214/
週刊実話 2016年6月9日号
一連の政治資金の私的流用問題をめぐり、舛添要一東京都知事が「第三者の調査にゆだねる」と逃げを打ったことで、都民の怒りのマグマは頂点に達し、都知事辞任が現実味を帯びつつある。そんな中、永田町では安倍首相が衆参ダブル選挙に加え、都知事選も含めての“トリプル選挙”を画策し始めたと囁かれ始めた。その狙いは何か。
まずは、選挙アナリストが舛添氏の置かれた立場を、こう解説する。
「すでに都議会最大与党の自民党は、舛添氏はもう持たないと腹をくくっている。6月1日からの都議会でも舛添氏は火だるまになるでしょう。なにより、辞任しないと他の審議が一切進まなくなる。結果、早々に辞任に追い込まれますよ」
安倍首相周辺関係者もこう明かす。
「自民党、特に安倍首相は、本音では舛添氏を嫌っていた。というのも、第一次安倍政権時、舛添氏は自民党所属の参院議員でしたが、'07年の参院選では『“安倍首相と一緒に頑張ります”なんて言ったらダメ』と発言する有様。さらにその参院選で自民党が大敗して安倍首相が続投宣言すると、『自民党はショック死状態』と猛烈に批判していた。ところが改造内閣で厚労相に起用されるやピタリとそれを止め“マッチポンプ政治家”と陰口を叩かれる始末。安倍首相は辛抱して舛添を起用していましたが、その後もアダで返したのです」
というのも'09年、麻生内閣が民主党に大敗し政権を奪われるや、舛添氏は「自民党の歴史的役割は終わった」と宣言し、離党に走った。これには自民党も激怒したのは言うまでもない。
「しかし'14年の都知事選では、自民党が勝てる候補ということで仕方なく再び舛添氏を担いだのですが、その足元を見てますます図に乗った。新国立競技場問題でも、批判の的だった当時の総工費2500億円を安倍首相が白紙にすると、舛添氏はツイッターで『主張の整合性よりも内閣支持率が優先か?』と揶揄したり、自民党の改憲案を批判するなどやりたい放題。その度に安倍首相は、陰で歯ぎしりをしていた」(同)
それだけに安倍政権は、今回の問題で窮地に陥った舛添氏をざまあ見ろとばかり、まったくかばう姿勢を見せない。そればかりか、ここぞとばかり舛添氏を追撃し辞任に追い込み、息の合う新都知事の擁立に向け動き出したのだという。その筆頭は、本誌が前号でも報じた橋下徹前大阪市長だ。
首相周辺関係者が言う。
「舛添氏の問題発覚から、都議会自民党幹部と官邸周辺が綿密に何度も会議を重ねている。もちろん都知事選は東京都の専権事項ですが、そのプロセスで安倍首相がトリプル選挙を模索し始めたのは確かです」
一方、再三にわたり囁かれている衆参ダブル選挙についてはどうか。
「安倍首相は熊本地震のために半ばあきらめていた衆院選挙を、一転して決行で腹を固めた。その理由は3つある。1つは、自民党と安倍内閣の支持率が高いうちの判断。報道各社の支持率が軒並み上がり、逆に民進党は下がっている状況にあります」(同)
確かにNHK調査で安倍政権支持率は42%(4月)から45%(5月)、さらに政党支持率は自民党が34.9%(4月)から37%(5月)とアップしている。対し野党第一党の民進党は9.1%(4月)から8.2%(5月)と下落。安倍政権支持率の上昇の理由は、熊本地震への対応や米オバマ大統領の広島訪問実現のためと見られている。
2つめの理由は、消費増税だ。
「増税後は支持率は下がる。となれば衆院選はなかなかやりにくくなる。やるなら今しかないでしょ」(首相周辺関係者)
3つめは、野党の選挙準備が十分に整っていない段階での即行にある。
「民進党はようやくロゴマークが決まったようだが、支持率は落ちて出鼻をくじかれた。野党統一候補も、参院一人区ではなかなか決めにくい。手を上げる人が多い衆院はさらに準備が整わない」(同)
加えて、この衆参ダブル選+都知事選のトリプル選挙となる可能性を、首相周辺関係者はこう話す。
「都知事選で橋下氏の担ぎ上げが成功すれば、衆参両選挙で、おおさか維新の会が大幅に議席を伸ばす可能性が出てくる。となれば、憲法改正のための3分2の議席を得る可能性も出る」
さらに決定的な理由は資金力にあるという。
「最後はカネ。自民党の政党交付金は172億円で、財界献金などを合わせれば資金力は700億円とも。対し民進党は100億円で、献金やパーティー券はあてにならない。今度の国政選挙から、18歳以上の選挙権で約240万人が加わる。そのため都知事選を含め新選挙民を取り込むさまざまなキャンペーンや祭りが必要で、莫大なカネがかかる。その面でも、トリプル選挙となれば自民党は圧倒的に有利に立つ」(同)
伊勢志摩サミットでいよいよ弾みをつけたい安倍政権。しかし、そこへ何が水を差すかは分からない。
「最大の懸念は、甘利前経済再生相の献金疑惑がいつ炸裂するかだ。他にもまだ燻っている閣僚級の疑惑もあるという話。それが明るみに出れば、安倍首相と自民党には地獄絵図が待っている」(全国紙遊軍記者)
やはり一寸先は闇か。
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