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政治資金問題で火だるまになっている舛添要一東京都知事(2014年4月3日撮影、資料写真)。(c)AFP/KAZUHIRO NOGI〔AFPBB News〕
このまま居座るのか?「小人」すぎる舛添知事 「公」と「私」の峻別こそ政治家の要諦
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46918
2016.5.24 筆坂 秀世 JBpress
政治家が私利私欲なしに、ひたすら国のため、国民のために、働いていると思っている国民は、そう多くはないはずだ。自分の名誉欲を満足させるために、あるいは“立身出世”と勘違いして、あるいは高額な所得や利権を得るために、政治家になっている人が多い、と思っているのではないだろうか。
例えば、体調不良を理由に本会議欠席しながら、旅行に出かけていたことが発覚して、維新の党から除名された上西小百合衆議院議員。また、未公開株の公開問題で金銭トラブルを起こし、自民党から離党した武藤貴也衆議院議員。この2人は今は無所属になっている。
国会というところは、どこの会派にも属さず、無所属だと、ほとんど何もできない仕組みになっている。この2人は、維新の党と自民党の公認候補だったから当選できた議員である。次の総選挙では、無所属では戦いようもない。おそらく立候補もしないつもりだろう。
「議員辞職を」という厳しい声があるのに、なぜ議員を辞めないのか。年間2000万円を超える議員報酬を受け取るためだ。公への奉仕の気持ちなどさらさらない、あるのは、私への奉仕だけである。
芸能界にも、二世俳優やタレントが多い。上手くいけば、それだけおいしい商売だからだろう。
「井戸塀(いどべい)代議士」という言葉がある。政治に私財を投げ打って取り組んだため、最後は貧乏になって井戸と塀しか残らなかったという政治家のことである。
事実、明治から大正時代にかけて、足尾銅山鉱害事件に取り組んだ田中正造という代議士がいた。田中は、命懸けで明治天皇に直訴までして、この問題の解決のために奔走する。このために、財産はすべて鉱毒反対運動に使い果たし、死んだときは無一文だったという。これが、政治家のあるべき姿だとしたら、二世、三世議員など出てくるはずもない。ところが実際には、二世議員、三世議員が数多くいる。それだけおいしい仕事ということなのだろう。
田中正造のようになれ、などという所詮無理なことは言わない。言うだけ無駄だからだ。だが少なくとも、「政治家になって、豊かになろう」などとは思ってほしくはない。政治は金儲けの道具ではないからだ。
■「小人」の姿をさらけだした舛添都知事
吉田松陰が残した格言に「体は私なり 心は公なり 私を役して公に殉(したが)う者を大人と為し 公を役して私に殉う者を小人と為す」というのがある。
「私を使役して、道を行うことに心がける者が大人であり、反対に、私の欲望を満足させることを目的とするものは小人である」という意味だ。
舛添要一東京都知事が、政治資金問題で火だるまになっている。「精査」を連発した1回目の記者会見、「第三者」を連発した2回目の記者会見、両方とも世間の怒りに火に油を注いだようなものだった。
だが当の舛添氏、「なぜ、ここまで叩かれなければならないのか」と思っているのではなかろうか。家族で温泉宿に宿泊し、大いに楽しんだ費用を「会議費」として政治資金から支払った。近所の回転寿司屋での子供の誕生祝や食事費を、政治資金から「飲食代」として支払った。とはいっても、せいぜい数十万円のことだ。数千万、億単位の賄賂を受け取ったというような話ではない。
「自分で集めたカネだ。どう使おうと勝手じゃない」と、舛添氏は腹の中では思っているのではないか。
政治資金規正法は、支出については実に甘い。これまでも、親族の会社への支出、親族の生活費への支出、自宅を事務所としその家賃支払い(自身に資金が還流)、子供服、愛人の高級クラブへの支払い、愛人の洋服代、性風俗店、ラブホテル代、SMバー、ニューハーフショーパブ・・・etc。政治活動とは、およそ無縁なものに支出された例が、いくらでもある。
だが、舛添氏は大きな勘違いをしていた。
毎日新聞(5月17日付)によると、舛添氏が代表を務めた自民党東京都参議院比例区第28支部、新党改革比例区第4支部は、2009年から2014年にかけて、政党交付金を1億4880万円受け取っているが、これは両団体の総収入の実に91%にのぼっているという。要するに、舛添氏の政治資金のほとんどは税金が原資になっているということだ。
このカネを家族の温泉旅行や飲食代など、私生活にあてていた。見えてくるのは私利私欲だけであり、「公」などどこにもない。
同氏は、超豪華海外出張も厳しい批判にさらされている。なにしろ知事就任以来2年間で8回の海外出張を行い、その費用は2億1300万円というのだから恐れ入る。
飛行機はファーストクラス、ホテルはスイートルームというのがお決まりだ。舛添氏は、ファーストクラスについて、「疲れて仕事に支障がでないため」と言い、スイートルームについては、「要人の急な面会用」などと弁明している。
そんなに疲れるなら、海外出張を減らせばよい。「要人の急な面会」など、ほとんど想定外であろう。仮にそういうことがあったとしても、狭い部屋で会見し、「狭い部屋で申し訳ない。都民の税金で来ておりますので、無駄遣いはできません」と言えば、むしろ株が上がることだろう。
イギリス王室のウイリアム王子とキャサリン妃、ハリウッド俳優のブラッド・ビット、アンジェリーナ・ジョリー夫妻らは、ファーストクラスどころか、ビジネスクラスの下のエコノミークラスを使用しているという。この人たちの爪の垢を煎じて飲んだらどうか。
要するに、政治資金でも、東京都の財政でも、自分の懐が痛まないカネは野放図に使う。自分の財布の紐はほどかないというだけのことだ。まさに小人の典型と言うべきだろう。
■どこに返金するのか?
ずっと疑問に思っているのが、温泉リゾートホテルの宿泊費を会議費と計上していた問題で「おカネを返します」と言っていることだ。
千葉県の「龍宮城スパホテル三日月」での会議費約30万円などについて、舛添氏は「返金します」と言っている。この費用を支払ったのは、すでに解散している同氏の政治資金団体「グローバルネットワーク研究」である。返金する団体が存在していないのだ。仮に存在していたところで、同氏の政治資金団体であり、右のポケットから左のポケットに移るだけに過ぎない。
説明がつかないことを説明しようとするので、すべてが泥縄式になり、ますます窮地に陥ってしまうのである。
■舛添氏の去就と参議院選挙への影響
この人は逃げ足の速い人だが、どうも逃げる判断を誤るようだ。
民主党が政権について自民党が野党に陥落したときもさっさと逃亡を図り、新党改革を結成した。自民党離党の直前の2010年2月9日、時事通信のインタビューで「鳩山内閣の内閣支持率が下がる一方、自民党の支持率もなかなか上がらないことをどう見るか」と問われて、次のように語っている。
「もう有権者が自民党に戻らないということだ。例えば、衆院予算委員会でも自民党の質問者は古い顔ぶればかり。テレビ中継がある時は全国民が見ているので、『きのうの顔』が出てきても駄目、新しい顔を出さないと。もう自民党の歴史的役割は終わっているし、二度と戻ってこない」「民主党に政権が行ったのは、自民党が駄目だったからだ」
「歴史的役割は終わっている。(国民の支持は)二度と戻ってこない」というのだから強烈だ。だが、まったく的はずれの批判だった。自分自身が都知事選挙に出馬する際、その自民党に頭を下げるしかなかった。今度も逃げるために、また自民党に頭を下げるのだろうか。
舛添氏を担いだ自民党や公明党も黙って見ているだけでは済まない。舛添氏が辞職しない場合、参議院選挙でも影響が出てくるだろう。自民党本部や官邸や動く可能性は、十分にあると思う。
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