http://www.asyura2.com/16/senkyo206/msg/449.html
Tweet |
米兵の狼藉なぜ続く? 従属政権の「形だけ抗議」の無意味
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/181859
2016年5月21日 日刊ゲンダイ 文字お越し
安倍首相はいったいどこを向いているのか(C)日刊ゲンダイ
鬱蒼とした茂みに無造作に投げ捨てられていた女性の体は一部が白骨化し、周囲には死臭が漂っていたという。
4月末から行方不明となっていた沖縄県うるま市の会社員、島袋里奈さん(20)の遺体を恩納村の雑木林に捨てたとして、19日、元米海兵隊員で米軍属のシンザト・ケネス・フランクリン容疑者(32)が沖縄県警に死体遺棄容疑で逮捕された。県警の調べに対し、シンザト容疑者は「首を絞めて刃物で刺した」と殺害をほのめかす供述を始めているといい、今後、動機の解明や事件当日の詳しい状況などについて捜査が進むとみられる。
地元のショッピングセンターで真面目に働き、明るい性格。笑顔が特徴的で職場の同僚や知人からも好かれていたという島袋さん。同居していた男性(21)と結婚の約束をしていたというが、幸せな将来は一瞬にして奪われてしまった。元気な姿で無事に戻ってくることを切望していた家族や恋人はやるせない思いだろう。
沖縄で繰り返される米兵による凶悪事件。犯罪が起きるたび、米軍は綱紀粛正や再発防止の徹底を唱えてきたが、まったく機能していない。沖縄県警によると、1972年の本土復帰以降、在沖の米軍人や軍属など米軍関係者による犯罪件数は2014年末までに5862件、うち、殺人や強姦などの凶悪事件は571件に上る。今年も3月に那覇市内のホテルで米軍キャンプ・シュワブ所属の1等水兵が観光客の女性を乱暴したとして、準強姦容疑で逮捕されたばかりだ。
■沖縄県民の脅威は中国や北朝鮮より米軍基地
「基地あるが故に事件が起きてしまった」――。翁長雄志知事が、こう悔しさをにじませていた通り、米兵の狼藉が繰り返される最大の理由は米軍基地があるからだ。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。
「米兵はイラクやアフガニスタン、シリアなど世界各地の紛争地域に派兵され、いつ命を落としても不思議ではない死線で戦っている。常に極度の緊張感の中で生活を続けている。そうなると徐々に平常心や善悪の判断が失われ、多少の罪は犯しても構わない、と考えるようになるのでしょう。強姦などの重大事件が多数起きているのが証左です。事件が繰り返されるのは、民間人とは全く違う異常な感覚を持つようになった兵士が勤務する軍基地が沖縄に集まっているからだと思います」
沖縄には在日米軍の専用施設・区域の約74%が集中している。安倍政権は中国や北朝鮮の脅威をあおり、日米同盟や日米安保を口実に在沖米軍基地を正当化している。しかし、沖縄県民にとっては、中国や北朝鮮よりも米軍基地の存在の方が危険極まりないのだ。
「県民は米軍や海兵隊が日本を防衛するために駐留しているわけではないことを知っている。自分たちの生活を脅かす存在であるとも捉えていて、沖縄から米軍基地が撤退しない限り、今後も悲劇が起きる可能性があります」(孫崎享氏=前出)
在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン沖縄地域調整官は20日、沖縄県庁を訪れ、安慶田光男副知事に陳謝したが、ニコルソン調整官は3月に那覇市内で起きた事件の際も頭を下げ、再発防止を約束した人物だ。県民からすれば、謝罪は到底信じられないだろうし、どのツラ下げて言っているのか、と怒り心頭に違いない。
95年の米兵による少女暴行事件では、県民の怒りが頂点に達し、米軍普天間基地の返還合意につながった。今回も米軍基地、米兵に対する怨嗟の声が広がるのは確実だ。
民意を無視するな(C)日刊ゲンダイ
当事者意識が欠落している安倍政権
米軍基地があり続ける限り、沖縄で悲劇は繰り返される。再発防止の最善策は、県民が求める米軍基地の全面撤退しかない。
ところが「県民の心に寄り添う」と言いながら、真逆の方向に進んでいるのが安倍政権だ。
県民の猛反対にかかわらず、米軍普天間基地の名護市辺野古沖への移設を「唯一の解決策」と強行。東村高江でも昨年、住民の反対を押し切って米軍のヘリパッドが新設された。辺野古の新たな基地は軍港機能を強化し、耐用年数は200年というから、全面撤退どころか半永久的に居座り続けることになるのだ。
「日本政府が、当事者として対応できないことは県民がよく知っている。この怒りは持って行き場がない。痛恨の極みだ」
翁長知事がズバリ正鵠を射た指摘をしていたが、対米従属の安倍政権が今回の事件についてマトモに対応できるはずがないし、する気がないことを沖縄県民や良識ある国民はとっくに見透かしている。20日開かれた自民党正副幹事長会議でも出席議員からこんな発言が飛び出したという。
「6月の沖縄県議選の最中だし、参院選へとつながる話で、影響が出てくるのは間違いない。そんなにマイナスなことを言っていても仕方がないが、頭の痛い問題だ」
あまりに酷い話ではないか。20歳の女性が惨殺された凶悪事件である。それなのに政権与党の幹部は選挙に与える影響しか考えていないのだ。コイツラは一体、誰のため、何のために国会議員になったのか。沖縄国際大教授の前泊博盛氏がこう言う。
■自国民より米国を重視
「米兵による凶悪犯罪がなくならないのは、日本政府は事件が起きても毅然とした態度を取らず、場当たり的な対応を続けてきたことも要因です。今回も、若い女性が殺害された事件なのに、政府与党内から、サミット開催や参院選への影響を懸念する声がある、という報道があります。とても血の通った政府とは思えません」
岸田文雄外相がケネディ駐日米大使に、中谷元防衛相がドーラン在日米軍司令官にそれぞれ抗議したのも、ダンマリを決め込んで国民の反米感情に火が付き、26日から始まる「伊勢志摩サミット」や、オバマ米大統領の訪日に水を差されたら大変だ、というのが本音だろう。抗議もしょせんは形だけだ。安倍首相にしても、急きょ、翁長知事と23日にも会談する方向――と報じられたが、本来は緊急会見を開いて日本の宰相として米国、米軍に対して厳重抗議するのが当然だ。ところが、安倍がオバマ大統領との首脳会談も含め、サミットでこの問題を取り上げるかについても政府は「調整中」というからアングリだ。
自国民よりも米国を重視し、刺激したくない。そんな日本政府の姿勢が見え隠れするが、今回の事件では早くも米国を「刺激」どころか「配慮」する動きがみられるというからトンデモない。
「シンザト容疑者は米軍基地内の有線テレビ会社で働いています。本来は民間企業の社員なので、軍属ではないと思いましたね。当初の報道でも軍属ではないとみられていたのに、今は日米両政府がそろって軍属と認めている。軍属であれば(米側に第1次裁判権があるなど)“加害者保護プログラム”と呼ばれる悪名高き日米地位協定に守られ、今後、加害者有利の展開になりかねない。日本政府が米国側に立って問題を解決しようとしているのであれば言語道断です」(前泊教授=前出)
このままだと米軍基地が沖縄に残り続け、県民の生命も危険にさらされる。一刻も早く安倍政権を引きずりおろさないとダメだ。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK206掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。