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「『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』著者・矢部宏治氏インタビュー:岩上安身氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/20048.html
2016/5/22 晴耕雨読
https://twitter.com/iwakamiyasumi
まもなく、岩上安身による『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』著者・矢部宏治氏インタビューの模様を実況します。https://t.co/GRNKHkfxeB
岩上「本日は新刊『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』を刊行される矢部宏治さんにお越しいただきました」
矢部「お久しぶりです。よろしくお願いします」
岩上「矢部さんの『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』は10万部突破とか」
矢部「ありがとうございます。孫崎享先生の『戦後史の正体』は22万部です」
岩上「大事な本です。昔は陰謀論扱いされましたが、今や米国に不都合な政治家は、日本人の手で失脚させられるのは常識になっています。日米合同委員会も認知が広がりました」
岩上「今回の『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』は、日本がなぜこんな国になってしまったのか、という驚きべき起源に迫っています」
矢部「孫崎さん、天木さんには前作よりも今回のほうが重要だ、と評価していただきました」
岩上「3.11以降、日本人は大きな謎を解く旅をしている…と矢部さんはご著書でおっしゃっています。今回はかなり謎に迫れたのでは?」
矢部「日米間の軍事的なつながりの闇は深い。しかし、裏側に迫ればあっけないほど『こんなことだったのか』とわかります」
矢部「今回は『法的な真実』にかなり近づけたと思っています」
岩上「昨年夏、国会前では安保法案に反対する市民らが大きな抗議行動を起こしました」
矢部「僕も何度も国会前に行きました」
岩上「そして『人間かまくら』で採決。これは異常ですよ」
矢部「米国との軍事的な取り決めは日本の憲法を超えるときがある、という事実を見せつけられた気がします。『かまくら』の人たちは法案を可決させるしかなかったのだと思います」
岩上「沖縄ではまた20歳の女性が殺害されるという痛ましい事件が起きました」
岩上「こうした事件が何度も起きています」
矢部「構造的な問題ですよね」
岩上「背景には日米地位協定の存在があります」
矢部「日米地位協定自体もとんでもないが、旧安保時代には行政協定というものがありました。さらに密約が加わり、今も残っています」
矢部「特別に重要な犯罪以外は起訴しない、という協定を結んでいます。前回は『米軍は日本のどこでも基地を置くことができる』という密約を紹介しましたが、今回は指揮権密約について書きました。『米軍は自衛隊を指揮する権利を持っている』という密約です」
矢部「結局、日本が核を持って、指揮権で打ち合いさせられたらたまりません。かつてドイツでやられ、ドイツ人は気づいた。そして東方外交やって再統一し、EUを作って脱却していったのです」
岩上「西方外交しなければいけません」
岩上「六本木ヘリポートから闇の世界へ。前回の振り返りをしたいと思います。2004年8月13日、在日米軍のヘリが沖縄国際大学のキャンパスに墜落しました。現場は全部封鎖され、誰も日本人が近づけませんでした。これは地位協定を根拠としたものでした」
岩上「これは沖縄だけではありません。1977年9月27日、横浜で米軍機が墜落。住民3人が死亡、6人が負傷。そこで出動した海上自衛隊は、日本の民間人を助けず、米兵のみを救出しました。自衛隊のスタートは米軍を守り、補完するために作られました」
矢部「そもそも、日本と米国の軍事的関係がどこにスタート地点を持っているかが鍵です。結論になりますが、それは『朝鮮戦争』にあるわけです。『忘れられた戦争』と言われますが、米国がもっともつらい体験をした戦争、と言われています」
矢部「日本は占領中で、米軍に徹底的な協力を求められました。この関係が、二度の安保条約で固定されてしまった。我々はその時代を生きているわけです。海上保安庁は当時、参戦しています。日本の戦争協力は常に『掃海艇』と言われますが、ここに起源があります」
矢部「全面協力をすることで講和条約を有利に進めたい考えがありました。朝鮮特需もありましたね。当時、警察予備隊が朝鮮戦争によって生まれました。警察力の延長と理解されていましたが、米国の責任者は警察予備隊を軍と認め、憲法破壊したと認めています」
岩上「自衛隊は、自分たちが忠誠を誓うのは米軍だ、と考えています。シビリアンコントロールのもとにありません」
矢部「自衛隊そのものの問題というよりも、シビリアンコントロールが民主国家にとって最も難しい問題だが、これを米軍にお任せしていたわけです」
矢部「指揮権密約は、吉田茂が米軍司令官と口頭で2回結んでいます。1度目の口頭密約を根拠に警察予備隊の後身・保安隊ができ、2度目の口頭密約を根拠に自衛隊ができました」
岩上「口頭ですが、結んだ当事者である米国人が母国に報告し文書化されたんですね」
矢部「日本国民にとって再軍備、統一指揮権は衝撃になるということで、条文にはなりませんでした」
岩上「安保法制は、この指揮権に起源があるんですね」
矢部「ひたすら対米従属になるのは指揮権が軸にあります」
矢部「話を戻します。横田空域は米軍が支配しており、民間航空機も避けて飛んでいます。日米合同委員会が1959年に決めました。この空域以外は日本に返す、という約束でした。つまり、それまではすべて米軍の管理下だったのです」
矢部「米軍は絶対的なアクセス権を持っており、日本の税関など通りません」
岩上「日本の国土を自由に扱う自由権を持っているんですね。太平洋側から日本海側に抜けるのも自由です。日本はスパイ天国とい言われますが、米国の諜報機関のスーパースパイ天国です」
矢部「日米合同委員会で決まったことは日本の法体系の上にあるんですが、国務省はそれに反対しているんですね。スナイダー駐日行使はこの日米の関係を『極めて異常』であるとしていますが、軍部は『うまく機能しており、日本も変更を求めていない』としています」
岩上「天皇制とは、天皇を立てておいて、少数のグループが裏で権力を支配するというシステムです。官僚は日米同盟に忠誠を誓っていれば、四の五の言われることなく国を動かせます。戦後国体ですね」
矢部「戦後国体を法的に完成させたのが砂川判決です」
岩上「統治行為論ですね」
矢部「安倍首相というのはバカなことを言いますが、彼らが何を考えているのかはわかる。この前も『立法府の長』だと自称しました。間違いですが、全体の流れで言えば、大元は砂川判決で、政治が腹をくくれば何でもできるわけです」
矢部「今まで密約というと8割は核密約、そして裁判権密約でした。基地権密約で占領政策が継続しました。もうひとつ、軍隊を自由に使える指揮権密約があります。朝鮮戦争でできた従属関係が継続したことは、米国の外交官もあまりわかっていませんでした」
岩上「『在日米軍基地に関する極秘報告書』(1957年2月14日)(続) では、『それぞれの米軍基地についての基本合意に加え、地域の主権と利益を侵害する数多くの補足的な取り決めが存在する』となっています。主権国家とは言えません」
矢部「『米軍の部隊や装備、家族なども、地元とのいかなる取り決めもなしに、また地元当局への事前連絡さえなしに、日本に自由に出入りすることを正式に許されている』とも決められています。オスプレイが飛んでいても、今は皆さん何も思わないですよね」
矢部「『基地権密約文書』では、1960年1月19日にワシントンで調印された協定(=日米地位協定)の第3条1項の改定された文言のもとで、1952年2月28日に東京で調印された協定(=日米行政協定)のもとで変わることなくつづく…と書かれています」
岩上「保守は、岸信介が日米関係を対等にした、という評価をしますが、結局、維持されていたんですね」
矢部「裏取引があったんですね。藤山とマッカーサーが帝国ホテルで話して決めました。基地権は表向き、言葉だけ隠せばいいということになりました」
矢部「米国は交渉を集団で、過去の条約などを徹底研究しながらやる。まさにアメリカン・フットボールです。一方、日本は2〜3人なんです。そして今日一番言いたいのは、『密約の方程式』です」
岩上「日米の軍事関係は見かけの『条約』+『密約』で構成される」
矢部「都合の悪い取り決めは『新しい取り決め』+『密約』で、行政協定は『地位協定』+『密約』で、旧安保条約は『新安保条約』+『密約』で構成されます」
矢部「異民族支配には『紙に書いた取り決めを結ぶ段階』(政治指導者の支配)→『その取り決めを現実化する段階』(国民全体の支配)の2つの段階があります。抗議行動は意味がないということはなく、第一段階から第二段階への移行を食い止めるために必要です」
矢部「安保条約は実は米軍が自分で書いていました。陸軍少将のカーター・B・マグルーダーが大きく関わりました。その時の日米交渉では国務省のダレスやアリソンの他にもこのマグルーダー始め陸軍2人が参加し、強面のダレスの言葉を遮ってまで発言しています」
矢部「彼らは日米交渉で軍部(国防省)の方針を主張しました。米軍部が日米安保を書き、その際に指揮権密約が結ばれ、それが今生きているのです」
岩上「この国防省原案には『日本は陸・海・空軍は創設しないが米政府の決定に完全に従属する軍隊を創設する場合は例外とする』と書かれています」
矢部「これを読んだとき、目から鱗が落ちました。ここまであからさまに書かれていたのか、と」
岩上「さらに原案には『戦争の脅威が生じたと米軍司令部が判断した時は、全ての日本の軍隊は米政府によって任命された最高司令官の統一指揮権の下におかれる』と!」
矢部「安保法制国会で奇妙だったのは、米国の戦争に参加するのか、という点で安倍総理ははっきり答えなかったでしょう。それはこの原案にあるように、『米軍司令部が脅威と判断したら司令部からダイレクトに自衛隊に指示がいく』という事実があるからです」
岩上「さらに原案には『日本軍が創設された場合、日本国外で戦闘行動を行うことはできない。ただし前記の(アメリカ政府が任命した)最高司令官の指揮による場合はその例外とする』とあります」
矢部「つまり日本は拒否する権利を持っていないのです」
矢部「去年までの日本というのは、リベラル派を中心に、原案のこの部分(米軍指揮下であれば日本は国外でも戦闘行動ができる、という点)だけは突破させないぞ、と頑張ってきたのですが、それが突破されてしまいました」
岩上「そして今、自民党内では『敵基地攻撃論』が議論されています。休戦中の朝鮮戦争の再開は、日本の先制攻撃によって始まる、ということになる可能性もあるのです」
矢部「可能性はありますね。悪夢ですが…」
岩上「密約の中に、『核について再度の持ち込みOK』との密約があるんですよね」
矢部「あります。日本政府は根拠なく『そんなものはない』と言っていますが」
岩上「3月18日、国会で横畠裕介・内閣法制局長官が『憲法上、あらゆる種類の核兵器の使用がおよそ禁止されているという風には考えていない』と発言しましたね」
矢部「横畠長官の発言には非常に注目しています。彼は本当のことを言ってしまう人ですので」
矢部「安倍さんはあまりにも酷いから、彼の個人的な資質の問題をつい攻撃してしまうが、しかしこれは大きな問題の一部として、末端のシーンに現れたものなのです。(参院選に向けて)この『そもそもの構造・歴史』を広げていくことが大事だと思います」
矢部「米国から見た日本というのは、日本が集団的自衛権と言っているような、対等なものではないのです。米国一国で安保理であり、日本はそれに従うもの、という関係。だから丸山和也議員が言うような『日本も51番目の州に』なんてことには絶対させないのです」
矢部「『米国は安保理で、日本は加盟国』という関係――米国はヨーロッパなど他の国もそうなって欲しいのです。日本は、これを密約として条約で認めているただ一つの国です。それが米国の民主主義を壊し、イラク戦争につながっていきました」
以上で実況を終了します。
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『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』矢部宏治 著
http://www.shueisha-int.co.jp/archives/3659
★立ち読み
→ http://www.shueisha-int.co.jp/pdfdata/0282/sensoudekirukuni.pdf
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