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世界経済や地震のせいにするな アベノミクスの総括が必要
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/181773
2016年5月20日 日刊ゲンダイ 文字起こし
いつまで「アベノミクスは成功」と唱え続けるつもりか(C)日刊ゲンダイ
予定通り消費税率を10%にアップするのか、しないのか――。いまだに安倍首相は「リーマン・ショックか大震災のような事態が発生しない限り、予定通り税率を引き上げる」などとトボけているが、すでに再延期を決めているのは間違いないだろう。
リーマン・ショックのような世界不況や、3・11のような大震災は起きていないが、どう考えても消費税増税を実施できるような経済状況ではないからだ。
18日に開かれた党首討論。民進党の岡田代表だけでなく、おおさか維新の片山共同代表にまで「景気は不透明だ。再引き上げなんてできる環境にない」と迫られていた。安倍首相は会期末の6月1日に「再延期」を表明する可能性が高い。
アベノミクスが失敗し、景気が回復しないのだから、消費税増税を見送るのは当然だが、安倍首相がふざけているのは、増税見送りの理由をアベノミクスの失敗ではなく、世界経済や熊本地震にしようとしていることだ。
最近、二言目には「世界経済の低迷という外部要因でアベノミクスが阻害されるのは認められない」などと口にしているそうだ。国会でも「世界経済は不透明性を増している」と強調している。しかし「世界経済が……」なんて、バカも休み休みに言えというものだ。
「恐らく世界の主要国は“なぜ日本だけが経済成長できないのか”と見ているはずです。IMFは“主要各国は軒並み1%超成長しているのに、日本だけが0・5%に低迷している”と指摘し、英国のデーリー・テレグラフ紙にいたっては、“日本経済で失敗した安倍総理”と辛辣です。増税先送りの責任を世界経済に転嫁したら、先進各国は仰天するはず。日本経済が低迷している原因は、日本にあります」(経済評論家・斎藤満氏)
■アベノミクスの“実績”のペテン
ところが、安倍首相は「アベノミクスの経済政策は功を奏している」と、絶対にアベノミクスの失敗を認めようとしないのだから、どうしようもない。
野党から「3年半たっても国民は景気回復を実感していない」と攻められても、財界人から「景気がよくなった感じはしない」と指摘されても、「企業収益は過去最高だ」「110万人の雇用をつくった」「ベアが実施された」と、アベノミクスの“実績”を自慢している。
どんなに、国民の8割が「景気回復の実感がない」と訴えても、数字を持ち出して耳を傾けようとしない。しかし、安倍首相が誇る“実績”は、ペテンもいいところだ。経済ジャーナリストの荻原博子氏がこう言う。
「アベノミクスが成功したか失敗したか、答えは、トリクルダウンが起きたかどうかだと思う。果実が全国津々浦々、庶民にまで行き渡ったかどうかでしょう。たしかに、雇用は増えています。でも、その内訳は非正規が172万人増え、正社員が23万人減っている。企業業績が過去最高なのも事実ですが、儲けたカネは内部留保と株主配当に回され、従業員にはほとんど還元されていない。内部留保は80兆円も増えています。ベアも実施されましたが、春闘が行われているのは労組がある一握りの大企業だけです。要するに、3年半たっても庶民に果実は来ていないし、これからも来そうにない。アベノミクスが失敗に終わったことは明らかです」
そもそも、安倍首相がどんなに強弁しようが、この3年半、日本経済はほとんど成長していない。過去3年間の成長率は、1.4%、0%、0.5%と、野田政権当時の1・7%より低い。アベノミクスがスタートした2013年1〜3月期以降の全13四半期のうち、マイナス成長は5回もある。「雇用が増えた」「企業収益が」などと、都合のいい数字だけを持ち出すのは、いい加減にすべきだ。
万策尽きた黒田日銀総裁(C)日刊ゲンダイ
ハイパーインフレが待っている
このままアベノミクスをつづけても、庶民生活は絶対によくならない。それどころか、日本経済を破滅させるだけである。
「3本の矢」などと称しているが、とどのつまり、アベノミクスは黒田日銀による「異次元の金融緩和」に尽きる。日本銀行がマネーをジャブジャブにすることで、為替を「円安」に誘導し、輸出企業をボロ儲けさせただけの話だ。その証拠に、ほんの少し為替が「円高」に振れただけで、企業業績はガクンと落ちている。
このまま「異次元の金融緩和」をつづけたら、どうなるのか。歴史をふりかえると「金融緩和」の行き着く先は、いずれもハイパーインフレである。1923年のドイツ(年率2万5000倍)しかり、1988年のアルゼンチン(年率5000倍)しかりである。
恐ろしいのは「異次元の金融緩和」には出口がないことだ。やめたくても、クラッシュするまでやめられない。やめた途端、国債価格が暴落し、金利が急上昇してしまうからだ。だから黒田総裁も、国会で「出口はどうするのか」と質問されても、「まだ出口論は時期尚早だ」と、正面から答えようとしない。いや、答えられないのだろう。金融ジャーナリストの浪川攻氏はこう言う。
「心ある日本銀行のOBは、本気で日銀の将来と日本経済を心配しています。黒田総裁も内心、誤算つづきなのだと思う。きっと本人は、自分の役割は“1本目の矢”を放って為替を円安にし、成長戦略である“3本目の矢”が放たれるまで時間を稼ぐことだと思っていたはずです。ところが、いつまで待っても“3本目”が飛ばない。気がつくと、量的緩和だけでは円安に誘導できなくなり、円安にするために仕方なく“マイナス金利”にまで手を染めたということでしょう。“こうなったら毒を食らわば皿までだ”という心境かもしれません」
あとは野となれ山となれ、ということなのだろう。
■参院選で勝利することがすべて
アベノミクスが失敗したことで、日本経済は、再び深刻な「デフレ不況」に突入しはじめている。
牛丼の「吉野家」は2014年末、並盛りを80円値上げして380円にした途端、客足が鈍り、慌てて330円の「豚丼」を4年ぶりに復活させている。ユニクロもいったん値上げしたが、また値下げしている。ファミリーレストラン「ガスト」は、499円だったハンバーグを399円で提供しはじめた。庶民に恩恵が来ることもなく、アベバブルは終焉しようとしている。
なのに、安倍首相は、この期に及んで「アベノミクスの経済政策は功を奏している」とうそぶき、平然と「ニッポン1億総活躍プラン」を打ち出しているのだから許し難い。あくまでも「アベノミクスは成功している」と唱えつづけるつもりだ。
「いま安倍首相の頭にあるのは、7月の参院選だけでしょう。アベノミクスは成功していると訴えつづけ、参院選が終わるまで、官製マネーを総動員して株価をつり上げてくるはずです。一瞬、景気がよくなったように見えるかもしれない。でも、しょせん一時しのぎです。7月以降、日本経済は急降下する恐れがあります」(荻原博子氏=前出)
オバマ大統領が5月末に広島を訪問したら、内閣支持率がハネ上がり、安倍自民党は参院選で圧勝すると予想されている。この3年半のアベノミクスが、庶民にどんな恩恵をもたらしたのか。有権者はよく考えるべきだ。
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