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海外出張は2年で8回、総額約2億1300万円
舛添氏の豪華海外出張を精査し浮上する多くの違和感
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160520-00000010-pseven-soci
女性セブン2016年6月2日号
舛添要一都知事(67才)は、取り沙汰されている政治資金私的使用疑惑について、5月13日の会見で一応ひととおり説明した。本当に「精査」されたうえでのものだったかはさておき、だ。しかし、もうひとつ聞き流すことができないのが、都知事に就任してからの2年で計8回に及ぶ、海外出張で約2億1300万円を計上している問題だ。
これは、ファーストクラス渡航、スイートルーム泊、「大名行列」と揶揄される随行員の多さ、が主な原因だ。
「今、どうやったら削減できるか、一生懸命考えている」
会見で舛添氏は、小難しい表情を浮かべてそう答えたが、「白紙の領収書」を精査するよりも、単純に解決できる。
「疲れて行っては意味がない。仕事の成果を出すため」。舛添氏はファーストクラスを利用する理由をそう説明している。
鳥取県の平井伸治知事(54才)は「やっぱり東京のような大企業は違うなというのが中小企業の鳥取県の感覚であります」と前置きし、こう続けた。
「実は規定上はファーストクラスを使えます。ただ納税者への説明責任という観点では、やはり大きなお金を持っている県ではありませんし、ビジネスクラスで充分だろうと考えて、規定よりはワンランク下のクラスを使用しています」(平井氏)
エコノミーに乗るのが当然の庶民にとって、ビジネスクラスは極上の空間。さらにその上をいくファーストクラスとはいったいどんな場所なのだろうか? VIPフライトのファーストクラス担当としての乗務経験を持つ、日本CA協会会長の真山美雪さんが説明する。
「まず搭乗前から違います。チェックインもセキュリティチェックもファーストクラス専用で、所要時間はビジネスクラスより早くできます。ラウンジは限られた人だけ入れて、食事や飲み物も充実していますし、マッサージや靴磨きのサービスもあります。
機内へは、専用の入口でたくさんの人に会わずにすみます。機内食はビジネスクラスよりワンランク上で、最高級のキャビアやシャンパン、ワインをリストから選べます。シートもゆったりしていて、ヘッドホンにいたるまで最高級の品が使われています。
舛添さんがおっしゃった“疲れない”という面では、幅の広いフルフラットで囲われたベッドになる“空間とプライバシー”、そして時間を求めていらしたのかもしれませんね」
世界的VIPはもちろんファーストクラスを利用するし、ビジネスクラスやエコノミークラスとは無縁ともいえる。しかし注目を集めているウルグアイのムヒカ大統領や、財政難のギリシア大統領もエコノミーが基本。イギリスのウイリアム王子とキャサリン妃、ブラッド・ピット&アンジェリーナ・ジョリー一家も、エコノミークラスを利用していることで知られる。そう考えると、この精査も舛添氏には容易にできそうだ。
『ザ キタノ ニューヨーク』(アメリカ)、『インターコンチネンタル ザ ウィラード ワシントンDC』(アメリカ)、『コンラッド・ロンドン・セントジェームス』(イギリス)。これらは舛添氏が海外出張時に宿泊したホテルの一部。舛添氏はいずれのホテルでもスイートルームに泊まった。その理由は「要人の急な面会にも礼を失しないため」というが、ホテル評論家の瀧澤信秋氏は違和感を隠せない。
「ホテルのランクがバラバラなんです。例えばワシントンのインターコンチは最高峰のホテルといえますが、ニューヨークのキタノは2ランク以上下。舛添さんはスイートルームだけにこだわったのかなというのがぼくの印象です」
各自治体の出張規程は「国家公務員等の旅費に関する法律」などに沿って条例で規定されている。例えば宿泊費の上限は、都知事の場合、内閣総理大臣や最高裁長官などと同じ1泊4万200円。ちなみに大阪府知事や千葉県知事は、副大臣と同じ上限で2万9000円となる。
しかし舛添氏の宿泊費は1泊10万円以上のスイートルーム。前出の『コンラッド』は、規定の5倍にもあたる1泊19万円8000円にものぼるが、ルール上問題はない。保安上の問題や急な面会に備えるといった理由で、人事委員会に増額を申請して承認されればOKとなるからだ。新潟大学法学部の田村秀教授が説明する。
「実際問題として、海外の主要都市では4万円での宿泊が厳しいところもある。ただ合計金額が何千万にもなるなどは考えるべきところ。それに普通に考えて、都知事の国際交流において、急な面会や会議はまずないでしょう。出発前にスケジュールはきっちり決まっていますから。首相など一国の主であれば別ですけどね。仮に急な会議が入ったら、それから探せばいいわけです。東京都でしたら現地のネットワークもあるでしょうし、数百万という高額なガイドも雇っているようですから、急なことにはいくらでも対応できるはずです」
今回の騒動の発端となったのは、3月8日に報じられた《(昨年10月の)ロンドン・パリ出張費 20人5泊で5000万円》という報道だ。為替など経済状況が異なるため、金額は一概に比べられないが、随行員の数に注目すると、舛添氏は歴代都知事と比べても、突出してその数が多い。前出の平井鳥取県知事は、国内外の出張にいつも1人で出かけることで知られている。
「私自身はなるべく出張については簡素に効率的に行うようにしたいと考えて動いております。たぶん舛添さんもできるはずだと思うんですが、例えば、航空チケットをカウンターで手続きするとか、それから宿で支払いするとか、そういうのは自分でやればいいわけです」(平井氏)
舛添氏は英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、イタリア語が堪能で、その習得法について本まで出すほど。騒動発端のロンドン・パリ出張で計上されている、「現地案内人の経費」532万円以上は、間違いなくコストカットできるだろう。
「ポケットマネーならどう使ってもかまいませんが、いずれも血税です。政治資金の公私混同疑惑などを見るにつけ、金銭感覚がせこいですよね。だからこそ、海外出張でこんなお金の使い方をしてしまうのかもしれません。舛添さんの感覚は、多くの都民とズレていますよね」(田村氏)
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