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アベノミクス大失敗で安倍政権臨終が秒読みー(植草一秀氏)
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14th May 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
2014年11月18日に安倍晋三首相は
総理大臣記者会見
でこう述べた。
「来年10月の引き上げを18カ月延期し、
そして18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。
再び延期することはない。
ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。
平成29年4月の引き上げについては、
景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。
3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる。
私はそう決意しています。」
「消費税の引き上げを18カ月延期すべきであるということ、
そして平成29年(2017年)4月には確実に10%へ消費税を引き上げるということについて、
そして、私たちが進めてきた経済政策、成長戦略をさらに前に進めていくべきかどうかについて、
国民の皆様の判断を仰ぎたいと思います。」
動画映像でご覧になりたい方はこちらをご覧いただきたい。
「平成26年11月18日安倍内閣総理大臣記者会見」
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/1118kaiken.html
この動画の
7分48秒から8分33秒の部分
9分49秒から10分30秒の部分
をじっくりとご覧いただき、安倍首相の発言をご自分の目で確かめていただきたい。
「来年10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。
再び延期することはない。
ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。
平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。」
安倍首相は2014年12月14日の総選挙に合わせて、2015年10月の消費税再増税を延期した。
2017年4月に実施することにしたのである。
「18カ月後」というのは、2017年4月のことだ。
来年、つまり2017年4月の消費税率引き上げについて、
「さらに延期するのではないかといった声があります。
再び延期することはない。
ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。」
と「断言」したのである。
この2017年4月の消費税率引き上げについて、5月14日付の日本経済新聞は、1面トップで
「首相、消費増税先送り
地震対応・景気に配慮
サミット後に表明へ」
と報じた。
日経新聞は記事のなかで、
「「増税して税収が増えなければ元も子もない」と繰り返していた」
と記述した。
そして、
2014年11月18日の記者会見での発言について、
「「再び延期することはない。
ここで皆さんにはっきりと断言する。」
と明言した」
と記述するものの、この点について論評しない。
このような新聞を「御用新聞」、「堕落新聞」という。
消費税再増税再延期という日経新聞報道について、
安倍首相は「報道があったが、全くそういう事実はない」と発言し、菅官房長官は「全く事実無根だ」と表明した。
「再延期しないと断言する」
の発言に加えて、今度は、
「再延期報道は事実無根」
と発言したのだから、これで再延期を打ち出すなら、罪は法外なものになる。
今後の事実推移を注視しなければならない。
2012年の選挙で安倍晋三自民党は
「TPP断固反対!」
のポスターで選挙を戦っておきながら、3カ月後にTPP交渉参加を決定した。
文字通りのペテン政治、詐欺師政治の輝かしい実績がある。
消費税増税は中止するべきだが、2014年に再延期しないと断言し、
2016年5月14日は、「再延期報道が事実無根」と発言したのだから、
万が一にも再延期を決定する場合には、内閣総辞職以外に選択肢はない。
アベノミクスは完全に失敗した。
アベノミクスをメディアが讃えたのは、円安・株高の側面だけである。
78円/ドルが125円/ドルになり、
8664円の株価が20868円になった。
アベノミクスを評価する根拠はこれだけだ。
しかし、こんなことは一般国民にはほとんど関係がない。
日本経済全体がどうなったのかが重要である。
日本経済の成長率(前期比年率実質GDP成長率)の単純平均値は、
2009年10−12月期〜2012年7−9月期が
+2.0%、
2012年10−12月期〜2015年10−12月期が
+0.7%
である。
日本経済の成長率は著しく低下した。
これは、アベノミクスが失敗したことを示す明白な証拠である。
2009年10−12月期〜2012年7−9月期
には、あの東日本大震災があった。
これで日本経済は激しく落ち込んだ。
この落ち込みがありながら、成長率平均値は+2.0%。
安倍政権の3年余りは、こうした事態がなかったのに、+0.7%。
アベノミクスの失敗は誰の目にも明らかだ。
この間に良くなったと言えるのは、
株価が上昇したことだけだ。
しかし、東証第1部上場企業はたったの1900社。
日本の法人数400万社の0.05%にも満たない。
この0.05%の企業の収益が拡大し、株価が上がっただけだ。
経済全体が沈んだのに、0.05%の企業収益だけが過去最高を記録したということは、
残りの日本経済の落ち込みが激しかったことを意味している。
安倍首相は失業率が下がり、有効求人倍率が上がったことを自慢するが、
これは働く人数が増えたことを意味しているだけだ。
全体のパイが縮小して、その小さくなったパイを分け合う人数が多くなったということは、
一人当たりの取り分、賃金所得、分配所得が大幅に減少したことを意味している。
アベノミクス3本の矢
などという
自画自賛の言葉が用意されたが、
第1の矢と第2の矢はポキンと折れてしまったし、
第3の矢は、人々を苦しみに陥れる
毒矢
に過ぎない。
第1の矢=金融緩和=インフレ誘導の矢は、ポキンと折れた。
狂気の金融緩和を実行しているが、インフレ率はアベノミクススタート地点のゼロに戻った。
「もはやデフレではない」
ではなく
「もはやデフレではないではない」
が現状だ。
第2の矢の「財政出動」
を実行したのは2013年だけだ。
2014年は大増税
2015年は緊縮財政
2016年は超緊縮財政
である。
この緊縮財政を推進する安倍首相が、ドイツのメルケル首相に
「積極財政」を説得しているというのは、
悪い冗談でしかない。
アベノミクスはアベコベノミクスに変質してしまった。
第3の矢の「成長戦略」というのは、日本国民を苦しみの地獄に突き落とす
「猛毒の矢」
である。
この「猛毒の矢」の集大成が
TPP
である。
TPPは「原爆」であると言って過言でない。
TPPは
日本の農業を破壊する
日本の国民は食糧の安定確保ができなくなる。
そして、TPPで、
国民は安全・安心の食料を選別して摂取することができなくなる。
さらにTPPは、
日本の保険医療制度を破壊する。
医療は
公的保険医療
と
民間保険医療
の2本立てになる。
この意味は、
富裕層しか十分な医療を受けられない状況への意向を意味する。
富裕層でない圧倒的多数の国民は、のんきに過ごしている場合ではない。
こんな、地獄の世の中が待ち受けている。
よく考えて、地獄に行きたい人はTPPの列車に乗ることを選べばよいだろう。
しかし、地獄に行きたくない人は、この列車に乗るべきでない。
この列車を出発させるべきでない。
第2次大戦後、満州でソ連軍の捕虜とされた日本兵は、日本に変えれる列車だと思って列車に乗り込んだ。
しかし、その列車は日本に向かわず、極寒のシベリアに到着した。
地獄の日々が待っていたのである。
国民を騙して何の責任も感じない安倍政権。
国民を地獄送りにする安倍政権。
もう騙されてはいけない。
主権者が力を合わせて、安倍政権を終焉させなければならない。
そのための方策はただひとつ。
安倍政治を終わらせるために、主権者が連帯することだ。
主権者の連帯を壊して分断しようとする試みは、すべて排除しなければならない。
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