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オバマ広島訪問 大マスコミの異常な“政権ヨイショ報道”
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/181183
2016年5月12日 日刊ゲンダイ 文字お越し
“広島の悲劇”も政治利用(C)日刊ゲンダイ
オバマ米大統領の広島訪問が決まったと、日本のメディアは大騒ぎだ。
今月27日の広島訪問を日米両政府が発表した10日夜、テレビは速報テロップを流して伝えた。発表直後、安倍首相は官邸で会見。「核兵器のない世界へ向け、大統領とともに全力を尽くしたい」と話した。NHKの「ニュースウオッチ9」に合わせたタイミングだった。
番組では、「安倍首相に最も近い記者」として有名な岩田明子解説委員が、このニュースを解説。オバマの広島訪問は安倍外交の成果だと“宣伝”し、これでもかと持ち上げていた。ちょっと気味が悪いほどの礼賛ぶりだったが、この内幕をキー局の政治部記者がこう暴露する。
「秘書官から通告があったのが会見の3分前だったため、各社とも中継準備が間に合わず、NHKだけがちゃっかり生放送した。お気に入りの岩田女史との間で、NHKのニュース内で生中継するというシナリオがデキていたのでしょうが、放送できなかった各社からは、とてつもない怨嗟の声が上がっています」
そもそも、各社が先を争って速報しなければならないようなニュースかという気もするが、これがこの国の大メディアの実態だ。政権が手柄にしたがっていることを競って報じることに懸命で、政権が公共放送を私物化しているといった批判は絶対に出てこない。
「オバマ大統領は伊勢志摩サミットに合わせて広島を訪問するが、謝罪はしない」という話は、すでに何日も前から流れていた。ようやく日程が確定しただけなのに、まるで広島訪問を初めて聞いたかのように大騒ぎし、歴史的ニュースに仕立て上げ、国民を巻き込んでいく。大きく時間を割いて政権の言い分を垂れ流し、都合の悪い話から国民の目をそらしてくれるのだから、これほどラクなことはない。
■お祭り騒ぎで支持率アップに協力
「原爆を落とした国の現職大統領が広島を訪問するのは、非常に意義のあることです。歴史的事実と向き合う重いテーマですから、メディアはもっと厳粛に捉えるべきで、お祭り騒ぎに興じている場合ではない。表層的なバカ騒ぎは不謹慎だし、ただただ安倍政権の支持率アップに協力しているだけでしかありません。それに、広島訪問を決断したのは、オバマ大統領の手柄でしょう。その時にたまたま政権の座にあったのが安倍首相で、言ってみれば棚ボタみたいなものなのに、さも安倍首相の外交手腕のように語られ、既成事実化されていく。安倍政権の人気を上げようという意図がアリアリです」(政治評論家・森田実氏)
発表翌日の新聞各紙も、1面からオバマの広島訪問で埋め尽くされた。被爆地や与野党の歓迎の声を列挙し、期待をあおる。朝日新聞は「支持率もまた上がるだろう。このまま参院選に突入だ」という自民幹部の声も紹介していた。もっとロコツなところでは、読売新聞が「政権運営に弾み」、日経新聞は「参院追い風期待」と見出しを掲げた記事を掲載していた。結局、そういうことなのだ。元外交官の天木直人氏が言う。
「すべては参院選、あるいは衆参同日選に勝利するためというヨコシマな発想です。これから伊勢志摩サミット、それに合わせたオバマ大統領の広島訪問の記事であふれ返る。特にオバマ大統領の広島訪問は誰も文句をつけようがない“歴史的偉業”ですから、繰り返し流されるでしょう。報道機関が政府の広報をしているようなもので、支持率も当然アップする。その勢いで選挙に圧勝し、あわよくば参院でも3分の2の勢力を確保して改憲に手をつける。平和への理念もない首相によって、ヒロシマの悲劇が利用されるとすれば、極めて残念です」
口先だけの核軍縮ではノーベル平和賞が泣く(C)AP
最も不適格なトップによって広島の悲劇が曖昧に清算される
オバマは就任直後の09年4月、プラハでの演説で「核兵器のない世界」を提唱し、ノーベル平和賞を受賞した。理念があるだけマシだが、では実際に核兵器廃絶に動いたかというと甚だ疑問だ。
国際社会が核廃絶に向けて協調する中、核兵器禁止に反対姿勢を取り続けているのが当の米国なのである。世界の核兵器のおよそ90%は米国とロシアが保有しているが、両国関係の悪化で核軍縮は完全に宙に浮いた。オバマ政権での核弾頭削減数は約700発に過ぎない。これまで少ないと批判されていたクリントン政権の約3200発を大幅に下回り、冷戦以降の米政権で最低だ。
口先だけの核軍縮ではノーベル平和賞が泣くというものだが、オバマの任期も残りわずか。最後に広島を訪問し、プラハ演説の再現で「核なき世界」を提唱すれば、政治的な遺産=レガシーになる。後のことはどうなろうが言ったもん勝ちで、色褪せたノーベル平和賞の辻褄合わせに来るようなものだ。
「日米トップそれぞれ、まったく別の思惑で、たまたま利害が一致した。それが歴史に残る偉業になってしまう。問題は、核投下という非人道的行為が、為政者の個人的な思惑で曖昧に清算され、封印されてしまうことです。今後は誰が大統領として広島を訪問しても、歴史的偉業にはならないし、オバマ大統領の任期切れとともに、意義は忘れ去られてしまうかもしれない。二度とこの問題が取り上げられなくなる懸念があります。ヒロシマの悲劇が、両首脳の政治的パフォーマンスに消費されてしまうのです。本当の意味で謝罪と和解がなされなければ、犠牲者は浮かばれないし、関係者も納得できない。核廃絶の掛け声だけで自らは核兵器を手放そうとしないオバマ大統領と、間違った歴史認識を改めようとしない安倍首相。よりによって彼らの下で歴史的な広島訪問が実現することは、残念でなりません」(天木直人氏=前出)
■平和と程遠いことばかりやってきた
安倍首相にとっては核廃絶なんて二の次で、オバマと並び立つとなれば、広島は「日米同盟の強化」アピールの場に使われるのだろう。犠牲者への慰霊も添え物にされかねない。
何しろ被爆70年を迎えた昨年8月6日、広島の平和記念式典で「非核三原則」に言及せず、市民感情を逆なでしたのが安倍首相だ。式典では「何しに来た」「戦争屋」「帰れ!」などと罵声が飛び交った。
「被爆地の思いを踏みにじって、戦争法を成立させ、原発再稼働を進めてきたのが安倍政権です。平和とは程遠いことばかりやってきた。戦後レジームからの脱却と称して、戦前回帰をもくろんでいるのです。被爆地に寄り添う気持ちなどサラサラなかったくせに、それを棚に上げて、オバマ大統領の広島訪問に同行して『平和アピール』をするという。実におぞましいことです。原爆も平和も、本来はもっと深遠なテーマであり、選挙に利用しようなどとはもってのほか。メディアも軽佻浮薄な政治ショーにしてはなりません」(森田実氏=前出)
安倍政権は安保法で核兵器の運搬を可能にし、今年4月には「憲法9条は一切の核兵器の保有および使用を禁止しているわけではない」とする答弁書を閣議で決定したばかりだ。本音では核兵器を持ちたくて仕方ないのでは、と勘繰られてもおかしくない。それでいて、オバマの広島訪問に便乗して核廃絶と平和のアピールだと? このいかがわしさを報じないメディアも、どうかしている。
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