【野口裕之の軍事情勢】トランプ氏よりも核ボタンを持たせてならぬのが旧民主党政権の“病原菌”首相2人だった…岡田代表はどうか? 2016.4.20 10:00 産経新聞 永田町で今、米大統領選挙の共和党候補指名争いで先行するドナルド・トランプ氏(69)に対し「核のボタンを持たせてよいのか?」と、一連の言動を危惧する声を頻繁に聞く。米大統領は米軍最高司令官であり、核攻撃の最終決断をする。米大統領の指導力は、地球の安全保障に直結するので、外国の選挙で片付けるわけにはいかないのだ。しかし、足もとを見れば、核こそ保有せぬものの、わが国の歴代首相にも自衛隊最高司令官としての適性ゼロの「最低司令官」が存在した。トランプ氏と同い年の鳩山由紀夫氏と菅直人氏である。鳩山・菅両民主党(現・民進党)政権において、自衛隊員はじめ国民の不安感は凄まじかった。「ドイツ軍の頭脳」と畏敬された名将は、指揮官と部下の関係を(1)有能な怠け者(2)有能な働き者(3)無能な怠け者(4)無能な働き者−の4類型に分けた。最悪は(4)で、働き者とはいえ無能で、間違いに気づかないまま進んで実行し、更なる間違いを犯す。名将は、この種の手合いを「処刑するしかない」と切って捨てている。 首相在任中も退任後も「無能な働き者」路線をまっしぐらにひた走った鳩山・菅両氏は“(4)型病原菌”の超危険な保菌者だった。では、民主党→民進党の岡田克也代表(62)が首相になったとして、その指揮・統率力はいかほどか? 残念ながらお釈迦様の諭すところの「愚か者」に当たる。順を追って説明したい。 ■「中国の伝書鳩」ブリに磨きを掛けた元首相 前述した名将は、第1次世界大戦(1914〜18年)で敗れたドイツ軍を再建し、第2次大戦(1939〜45年)における電撃戦を準備したドイツ軍の頭脳ハンス・フォン・ゼークト上級大将(1866〜1936年)。ゼークト将軍は、指揮官と部下の関係を4類型に分類した。すなわち− (1)【有能な怠け者】前線指揮官向き。理由の1つは、怠け者故に、部下の力を遺憾なく発揮させる。2つ目は、どうすれば自分が、部隊が、楽に勝利できるかを考えるからだ。 (2)【有能な働き者】参謀向き。勤勉で自ら考え、実行しようとするが、他人任せができず、部下を率いるよりも参謀として司令官を支える任務に適する。下準備に怠りない点も、参謀タイプといえる。 (3)【無能な怠け者】総司令官や連絡将校、下級兵士向き。自ら考え動こうとせず、参謀や上官の命令に従うためだ。 (4)【無能な働き者】処刑するしかない。働き者ではあるが、無能故に間違いに気づかないまま進んで実行し、更なる間違いを犯してしまう。 鳩山・菅両氏は、まがうことなき(4)型に当たる。 鳩山氏の場合、(4)型である確たる証拠は探さずとも、そこら中に掃いて捨てるほど在る。中国共産党機関紙系・環球時報のウェブサイトは3日、訪日中国メディアと会見した鳩山氏の、いつもの妄言を報じた。報道によると、沖縄県石垣市の尖閣諸島について《領有権をめぐる争いがある現状を明確に認めねばならない》とか。返す刀で、世界第2位の経済大国となった中国に、日本が《羨望・嫉妬・恨み》を持っていると主張。《経済低迷で日本社会は右傾化が著しい。何らかの刺激で経済を動かそうとしたことが、安全保障法制の整備を進めた理由の一つ》と、持論を展開した。「中国の伝書鳩」ブリに、一段と磨きをかけた模様だ。 24時間・365日、危険を顧みず、家族と離れて尖閣海域などで主権を守護している海上保安官や、かつて最高司令官を務めた(自覚は皆無?)自衛隊の隊員への敬意や感謝や気遣いが全くない。安全保障関連法制の整備は、軍事膨張を止めぬ中国などをにらむ戦略である重大背景も、そっくり欠落している。そもそも、言論弾圧や少数民族の大虐殺を繰り返す中国に戦慄こそするが、《羨望・嫉妬》はみじんも感じない。 ■鳩山元首相を「政治的禁治産者」に 鳩山氏は沖縄・普天間基地移設問題で「基本的には県外、できれば国外」とウソをつき→日米の同盟関係を冷え込ませた。揚げ句の果て「学べば学ぶにつけ(在沖海兵隊で)抑止力を維持できるという思いに至った」と言い訳して、前言を撤回→沖縄県人を絶望させた。2012年になって再び「県外」を言い出した。このヒト、どうかしている…。 わが国の一大悲劇は、「愚か」よりもっとひどい「気がふれている」「イカれている」意味に近い「ルーピー」と笑われるヒトが首相に就任してしまったこと。いっそ「鳩山氏は外国の代理人。氏の発言は外国政府見解の代弁で、無視していただきたい」と国際社会に宣言し「政治的禁治産者」に指定できぬものか。 ■国会が「指揮官失格」と認定した菅元首相 悲劇はこれで終わらなかった。次代の首相が菅氏で、あろうことか、任期中に東日本大震災(2011年)が起きた。 東京電力福島第1原子力発電所事故を検証する国会の事故調査委員会が提出した最終報告書(2012年)は、事故を《人災》と認定した。報告書は、菅首相らにつき以下看破した。 《危機管理意識の不足を露呈》 《指揮命令系統を破壊》 《組織運営のノウハウも十分にない》 《政府の総力の結集がむしろ困難になるような対応を採った》 菅氏が事故翌日早朝、第1原発に乗り込んだ問題でも言い切った。 《菅首相の現場視察は、現場の士気を鼓舞したというよりも、自己の『苛立ち』をぶつけることで、むしろ作業に当たる現場にプレッシャーを与えた》 要するに《指揮官の重責に必要な心構えが不足していた》=報告書=のである。 ■政策を都合よく忘れる岡田代表も鳩山・菅両氏に同じ 以上、自衛隊最高司令官に絶対就任してはいけない「分かりやすい人物」をたどった。民進党の岡田代表は、ここまで「分かりやすい人物」ではない。従って、4類型のいずれに該当するかハッキリせぬ。ただ、自ら築いた累々たる失政のヤマを忘れて、今も公の場で弁解し、開き直っている鳩山・菅両氏同様、政策を都合よく忘れる癖は岡田氏とて同じ。 例えば、3月下旬に発足した民進党にとり、最初の重要法案となりしTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の承認案+関連法案。8日には、安倍晋三政権の情報開示が不十分だとして、審議拒否した。「冗談のような真っ黒な資料で審議しろというのは理解できない」と述べる岡田氏の言い分は、ムシがよ過ぎる。TPPに初めて意欲を示したのは菅政権。しかも、後継の野田佳彦首相(58)は2012年の衆議院本会議で「相手国が非公開で提供している文書について、当該国の意向を尊重するのは当然」とし、「情報開示はできない」との立場を強調した。 岡田氏の安倍政権批判は実に狡猾だ。消費税再増税+原発再稼働+米軍普天間基地移設…など、どれも民主党政権が推進した責任を安倍政権に巧妙に転嫁する。 ■「政策演技力」全開の民進党 TPP関係や安全保障関連法における審議で、民主党→民進党は「政策の正面玄関」を開けて斬り込まず、故意に閉じたまま、本質を突く政策論を積極的に回避しているのだ。なのに、国民に向け「玄関を開けて政策論を闘わせよっ!」と、演技力全開で拳を挙げる。正面玄関を開けて政策論に入り、左翼と保守派が共生する党内が割れる事態を死に物狂いで回避する、滑稽で見苦しいパフォーマンスは政権担当能力ナシの裏返し。 ■レッテル貼り能力の余りの高さに埋没する政策立案能力 民主党→民進党の政権奪還への鼻息は荒い。が、“政策の中核”に据える「レッテル貼り能力」の余りの高さに、政権担当能力=政策立案能力は完全に埋没した。にもかかわらず、岡田代表や枝野幸男幹事長(51)、安住淳国会対策委員長(54)ら党幹部の自信満々な安倍政権批判は、どこから生まれるのだろう。 日本経済を復活し、アジアを安定させる大戦略の発表時機を探っているのか? まさか。現状に照らし、ますます研ぎ澄まされたレッテル貼り能力で、政権を奪還できると確信し始めた恐れの方が強い。何しろ、よき友にも恵まれている。 「安倍に言いたい! お前は人間じゃない。たたっ斬ってやるっ!」と、一国の宰相に物騒な“公約”をした大学教授や、情緒的反安倍政権団体SEALDsの若者…。当代随一と酔いしれるレッテル貼り能力で平和を担保し、世直しができると勘違いしている幸せな人々だ。 ■賢いと慢心する民進党幹部はお釈迦様に学べ この際、お釈迦様の教えを学んではどうか。お釈迦様には、モノ覚えが悪く、自分の名前さえ忘れるお弟子がいた。「愚か者」のレッテル貼りをされたお弟子は一人悲しみ、嘆いた。お釈迦様はお弟子をこう諭した。 「お前は愚かだと嘆くが、自分の愚かさに気付く者は愚か者ではない。自分の愚かさに気付かず、自分は賢いと慢心し、人を蔑む心の持ち主こそ、まことの愚か者である」 クリーンで庶民=正義の味方を気取り、酔うと、自身の過失も目に入らない。自民党は自戒すべきだが、民進党も政治資金など自民党を追及する度に、ブーメランのごとく同種の問題が跳ね返ってくる。 ■トップが大バカ者でも持った国 民進党の皆様方はゾッとされるやもしれぬが、皆様方の体には、かの鳩山センセイのDNAが確かに流れている。鳩山センセイは仰せられた。 「トップの首相が大バカ者であれば、そんな国がもつわけがない」 そう。よくもったと、今も不思議でならない。 http://www.sankei.com/premium/news/160418/prm1604180004-n1.html もの凄い狂気だ。
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