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安倍首相の外交の限界
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52806892.html
2016年05月08日 在野のアナリスト
4月の米雇用統計は16万人増と市場予想を下回り、失業率も5.0%で変わらず。2、3月も下方修正されました。一方、時間当たり賃金は前年比で2.5%増と、賃金インフレは加速。ただしFRBの利上げ予想が引き下げられたため、米株は上昇しています。日本への影響は利上げ予想が低下したことで円高に向かうはずですが、6日は小幅で留まっています。どうも最近は国内の保険など機関投資家勢が、日本国債での運用を諦め、海外の国債に資金をシフトしているとされ、それが円売りを促しているようです。ただ、それが終わったら本格的な円高時代の幕開けになるのか? それとも国債の暴落が始まるのか? 微妙な判断になるのでしょう。
安倍首相の欧州歴訪、及び訪露、事前予想通りに芳しくない結果でした。英独仏とも財政出動には消極的、各国ともに事情があると、これがメディアによるサミット時の演出でないのなら、軽く一蹴されたことになります。つまり密約があって、サミット時に市場関係者を驚かすような発表をする、というのでもない限り、伊勢志摩サミットも従来通りになりそうです。
訪露は最悪で、領土問題は新たな手法で…こんなことを今、露国がもち出してきたのは安倍政権がもう長くない、と考えたからでしょう。これまで露国は『引き分け』を、領土問題解決のパターンとして中国やその他の国と交渉をまとめてきましたし、北方領土もそうした認識を示してきた。しかしこの『新たな手法』が、単純な分割論でないことは一目瞭然、しかも返還でもありません。どういう形になるか、そこから改めて交渉を開始する。3年経ってゼロからスタート、それは露国が交渉をまとめる気などない、ということをはっきりと示しており、明白な外交の失敗です。訪欧、訪露、GW中で国会が開いていないときに閣僚が外遊するケースは多いですが、ここまで採算ないまま外遊に出発したことは、かなり珍しいとさえいえます。
これまで安倍氏が露国のプーチン大統領と接近するのは、北方領土の解決ばかりでなく、森元首相の後釜を狙っているのでは? と見ていました。ぐだぐだで政権を放り出した割に、政界でそれなりの地位にいるのは一部で海外の要人と親しい、とされて重宝されたためです。特にそれがプーチン氏、露国ルートでもあった。ただもう高齢で、森氏からのアドバイスもあったのか、露国ルートを押さえておくことで首相の座を退いても、政界で力をもち得る、そう考えたとしても可笑しくありません。しかし13回目の会談で『新たな手法』をもちだされるぐらい、信頼がないと分かった。安倍政権での解決は考えていないばかりか、プーチン氏は安倍氏との個人的な付き合いをする気もないのでしょう。人間的魅力に乏しかったのかもしれません。
そんな安倍政権が頼みとした米共和党の大統領候補は、トランプ氏に決定しそうです。米民主党は伝統的に日本に厳しく、また自民が深く付き合う知日派も共和党系、それが異端のトランプ氏となったことから、外交の新たな戦術が必要となります。今は厳しいことを言っていても、いずれ現実路線になるだろう…などというのは甘い見通しです。米大統領は二期目をめざす必要性からも、有言実行が求められる。日本の政治家のように言ったことを守れない、言わなかったことをやり始める、といったケースはあまり見られません。むしろそんな大統領は1期4年で終わります。そもそも、そうであって欲しい、は外交ですらありません。
安倍政権の外交の限界、それが如実に表れたGW。元々、休日がつづくこの期間を映画界が販促のためにつかいだした、とされるのがGWですが、安倍政権にとってはフランス風にいうとゴール・ド・ウィークになってしまったのでしょう。安倍ノミクスに失敗し、外交上も行き詰まり。政権のゴールが見えてきて、サミット勇退論も現実味をおびてきた。きらきらと輝くのではなく、未来の暗さを暗示する、その象徴のような外交になってしまったのでしょうね。
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