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トランプ氏が大統領になるしかないー(天木直人氏)
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5th May 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
「生きててよかった」
これは春の天皇賞を制覇したキタサンブラックの馬主である北島三郎が喜びのあまり口にしたことばだ。
それを聞いたとき私は思わず笑ってしまった。
よほどうれしかったに違いない。
その気持ちはよくわかる。
そして、それにならって、私もそう言いたい気持ちだ。
もちろん競馬の事ではない。
ドナルドトランプが共和党の候補者指名を確実にしたニュースを知ったからである。
なぜ私がトランプ候補を歓迎するのか。
それは、彼が日本に対米自立を迫る事になると思うからである。
私は繰り返し書いてきた。
この国の政治が安倍政権を倒せなくても、現実が安倍政権を倒す事になるかもしれないと。
まさしくトランプ現象がそうだ。
この国の政治は日米安保という日米同盟至上主義を変える事は出来ない。
共産党でさえ封印してしまったほどだ。
しかし、トランプという政治家の出現によって、
否が応でも日米安保見直しを余儀なくさせられるかもしれないと私は思う。
トランプ氏が大統領になるかどうかは、もはや問題ではない。
そしてトランプ氏が大統領になっても、
米国の対日政策は米国のジャパンハンドラーに委ねられることになるかもしれないから、
これまで通りかもしれない。
しかし、もはやトランプ発言によって米国の本音が語られるようになった。
間違いなく、これからの米国の対日政策は、
米国の利益が第一だという率直なものに、ますますなっていくだろう。
そうなったときはじめて日本国民は気づくだろう。
日本も対米従属から脱却して日本の利益を優先した、自主、自立した外交を行うべきではないかと。
まさしく政治が変えられなくても現実が変えてくれるのだ。
と、ここまで書いたところで、私は北島三郎の様に、手放しでは喜べないことを告白する。
なぜトランプ氏の勝利を喜ぶ声が聞こえて来ないのか。
与党がトランプ氏に警戒であることは当然としても、
野党の中からトランプ氏歓迎する言葉が少しくらい聞こえて来てもよさそうだが、まるで聞こえて来ない。
それだけではない。
メディアも、有識者も、誰ひとりとして、トランプ氏を歓迎する者は出て来ない。
それは、単にトランプ氏の発言が過激で、とても評価できる代物ではないというだけではないだろう。
要するに日本の政治も国民も、みな日米同盟重視なのだ。
対米自立を主張するものは異端者扱いなのだ。
行き着くところまでいかなければいけないのかもしれない。
トランプ氏が大統領になるしかない。
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