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2016年 04月 28日
今後の野党の戦い方を考えるために、24日に行なわれた北海道5区の衆院補選に関する記事をいくつか、順次アップして行きたい。
第一弾として、今回は、NHKの出口調査の結果と、NHK記者が「勝敗の分かれ目」を分析して解説を行なった番組の記事を。
『NHKは北海道5区の16の投票所で、投票を終えた有権者1725人を対象に出口調査を行い、およそ75%にあたる1299人から回答を得ました。
一方、23日までに有権者のおよそ16%が期日前投票を済ませていますが、これらの方々は調査の対象にはなっていません。
【支持政党別の投票動向】
政党支持率は、自民党が44%、民進党が20%、公明党が5%、共産党が5%などとなりました。
支持する政党のないいわゆる無党派層は24%でした。
和田氏は、自民党支持層の90%余りを固めたほか、推薦を受けた公明党の支持層からも90%台前半の支持を得ました。
また、無党派層では30%余りの支持を集めました。
これに対して池田氏は、推薦を受けた民進党支持層から90%台後半の支持を得たほか、共産党支持層からも100%近い支持を得ました。
また、無党派層からは70%近くの支持を集めました。
【政権運営の評価】
政府・与党のいまの政権運営について尋ねたところ、「評価する」は47%、「評価しない」は53%と、「評価しない」が多くなりました。
「評価する」と答えた人のうちおよそ90%が和田氏に投票したと答えました。
一方、「評価しない」と答えた人のうちおよそ80%が池田氏に投票したと答えました。
【安保法の評価】
去年9月に成立し、先月施行された安全保障関連法の評価を尋ねたところ、「評価する」は48%、「評価しない」は52%となり、「評価しない」が上回りました。
「評価する」と答えた人のうち80%余りが和田氏に投票したと答えました。
「評価しない」と答えた人では80%近くが池田氏に投票したと答えました。
【重視した政策課題】
投票先を決める際にもっとも重視した政策課題を4つの選択肢で尋ねました。
「景気対策」が54%でもっとも多く、次いで「安全保障」が27%、「子育て支援」が16%、「TPP」が3%でした。
「景気対策」と答えた人のおよそ70%が和田氏に投票したと答えました。
一方、「安全保障」と答えた人のうち60%余りが池田氏に投票したと答えました。
「子育て支援」と答えた人のうち70%余りが池田氏に投票したと答えました。
「TPP」と答えた人のうちおよそ70%が池田氏に投票したとしています。
【年代別の投票動向】
年代別にみますと、和田氏は30代で60%余りの支持を得たほか、60代をのぞくすべての年代で池田氏を上回っています。
一方、池田氏は60代で50%余りの支持を得ました。
【男女別の投票動向】
男女別では、和田氏が男性・女性ともに池田氏を上回る支持を集めました。(NHK16年4月24日)』
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
『与野党激突!勝敗の分かれ目は (NHK)
4月24日、衆議院の2つの補欠選挙の投票が行われました。
このうち、衆議院北海道5区の補欠選挙は与野党が全面対決する構図となり、自民党が擁立した新人の和田義明さんが、野党4党が支援した無所属の新人、池田真紀さんを破って初当選しました。
夏の参議院選挙に向けた試金石として注目が集まった、今回の選挙。
NHKが行った出口調査は、激戦を浮き彫りにする結果となりました。
何が勝敗を分けたのか。
報道局選挙プロジェクトの宮内宏樹記者が解説します。
NHKは、投票日の当日、北海道5区の16の投票所で、投票を済ませた有権者1725人を対象に出口調査を行い、およそ75%に当たる1299人から回答を得ました。
なお、期日前投票をした有権者は調査の対象にはなっていません。
☆ 与野党“ガチンコ勝負”
まず、各政党の支持率を見ます。 自民党が44%、民進党が20%、公明党と共産党がそれぞれ5%など。
支持する政党がない、いわゆる無党派層は24%でした。
選挙の構図が異なるため単純な比較はできませんが、おととし行われた前回の衆議院選挙では、自民党が39%、当時の民主党が24%、維新の党が4%、公明党が5%、共産党が6%、無党派層は20%でした。
投票者全体に占める自民党と無党派の割合が増えているのが目立ちます。
投票先を見てみますと、自民、公明両党の支持層で和田さんに投票したと答えたのはそれぞれ90%を超えました。
これまで、北海道5区で議席を持っていた町村元衆議院議長も、今の選挙制度が導入されて以降の8回の選挙のうち、自民党の支持層を90%以上固めたケースは2回しかありません。
また、前回の衆議院選挙でも、295ある選挙区のうち、自民党の候補者がみずからの支持層を90%以上固めたのは73しかなく、そのすべてで、自民党の候補者が当選しています。
支持層の90%以上を固めるというのは高いハードルです。
与党は、野党間の協力に危機感を抱き、徹底して組織を引き締めましたが、それが裏付けられる形となりました。
一方の野党です。
自民、公明両党に対抗しようと、安全保障関連法の廃止を旗印に、そろって池田さんを支援する選挙協力を実現させました。
出口調査では、民進党支持層の90%台後半が池田さんに投票したと答えました。
また、自前の候補者を取り下げた共産党の支持層も、池田さんに投票したと答えたのは90%台後半でした。
自民、公明、それに民進、共産の各党とも、支持層の固め具合は前回の衆議院選挙を上回っていて、非常にしっかりと支持層を固めたのが特徴です。
前回の衆議院選挙で、自民党と民主党が、ともに支持層を90%以上固めた選挙区は5つ、今回の補欠選挙のように、自民、公明、民主、共産の4党すべてが支持層を90%以上固めた選挙区は1つもありません。
みずからの支持層をきっちり固め激突する、各党が、まさに「全面対決」と呼ぶにふさわしい総力戦を展開したことが、数字の上でもうかがえます。
参議院選挙の前哨戦として、与野党が、いわば「一騎打ち」の構図となり、「絶対に負けられない」という危機感があらわになった選挙戦だったと言えます。
☆ 支持を得た訴えは
では、両候補の訴えは、有権者にどう響いたのでしょうか。
まず、和田さんは、「経済を強くすることで社会保障の問題もすべて解決できる」として、景気対策に力点を置きました。
出口調査で、投票先を決める際に最も重視した政策課題を聞いたところ、いちばん多かったのは「景気対策」で54%でした。
そして、このうち、およそ70%が和田さんに投票したと答えました。
一方、池田さんが力を入れて訴えたのは、安全保障関連法の廃止です。
しかし、出口調査で、最も重視した政策課題として「安全保障」と答えたのは「景気対策」の半分の27%でした。
また、池田さんは、シングルマザーとして2人の子どもを育てた経験などを交えて、待機児童問題の解消などを訴えましたが、「子育て支援」を重視したと答えたのは16%でした。
「安全保障」と「子育て支援」を合わせても、「景気対策」の54%に届いておらず、訴えの面でも、和田さんの主張のほうが、有権者の関心を集めたことがうかがえます。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
☆ カギを握る無党派層
与野党がそれぞれの支持層を徹底的に固めるなか、注目されたのは無党派層の動向です。
今回の出口調査では、無党派層のうち、池田さんに投票したと答えたのはおよそ70%。
和田さんの2倍余りとなりました。
池田さんの陣営では、幅広い支持を得ようと、政党の名前を前面に出さないなど、政党色をなるべく抑える戦略を取ったことが、無党派層から支持を集めた要因の1つとみています。
一方、一般的には、「投票率が上がると無党派層が増える」とみられています。
池田さんの陣営では、最終盤には、投票率の行方が勝利を分けるとして、大規模なイベントを開いて投票を呼びかけるなどの運動も展開しました。
しかし、今回の投票率は57.63%でした。
これは、今回と同様にやはり北海道5区単独の補欠選挙として行われた平成22年の選挙を、4.15ポイント上回ったものの、おととしの衆議院選挙と比べると、0.8ポイント下回っています。
投票率は、池田さんの陣営が期待したほどには上がりませんでした。
仮に投票に行かなかった有権者がすべて無党派層で、そのうち70%が池田さんに投票したとしても、投票率があと7ポイントほど上がらないと逆転は難しいという計算になります。
結局、自民、公明両党の厚い支持層をがっちり固めた和田さんに、池田さんは及びませんでした。
無党派層の割合は、年代が低いほど高い傾向にあります。
実際、今回の選挙でも50代と60代の無党派層の割合が20%台だったのに対し、20代は48%、30代は42%に上りました。
(20代=48%、30代=42%、40代=38%、50代=26%、60代=21%、70代=11%)
参議院選挙では選挙権年齢が引き下げられ、18歳と19歳も投票できるようになります。
一方、参議院選挙で、野党は「1人区」を中心に候補者の一本化を進めており、今回の北海道5区のような構図となる選挙区が増えることも予想されます。
32ある「1人区」は、参議院選挙での全体の勝敗のカギを握ると言われており、今後は、与野党ともに、若い世代や無党派層のさらなる取り込みが活発化しそうです。(NHK16年4月27日)』
(mew注・読みやすくするために、小見出しに☆をつけました。)
* * * * *
この調査結果には、北海道または北海道5区独特の風潮を反映している部分もあると思うのだけど。
ただ、参院選に向けて、民進党がどのような方針をとるのか、共産党+αとの野党共闘、選挙協力をどのように行なうべきなのかを考えるための、いい参考資料にはなると思う。(・・)
先日の記事にも書いたように、安倍官邸&自民党は、無党派層の7割が池田氏に投票したことにショックを受けたようで。政府関係者は、「もし投票率が高ければ」と警戒感を強めていたという。
『政府関係者が25日朝、「投票率が高ければ危なかった」と述べるなど、参院選に向け、与党側は組織の引き締めを急ぐことになります。
「今回の結果におごることなく、謙虚に国家国民のために政府与党としては一致して、いっそうの緊張感を持って有権者のふたくに応えられるよう」(菅義偉 官房長官)(JNN16年4月25日)』
ということは、これからの最も重要な課題は、次の参院選(or衆参同時選)で、いかに投票率を上げるかということになるわけで。
野党や心あるメディア、そして私たちブロガーも含め、無党派層が投票に行くように、様々な形で働きかけて行かなければ、と強く思うmewなのだった。(@@)
THANKS
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