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左「Hanada」(飛鳥新社)6月号/右「WiLL」(ワック)6月号
花田紀凱が「WiLL」そっくり新雑誌創刊で分裂騒動が泥仕合に! 極右論壇で繰り返される醜い内輪もめの正体
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2016.04.27. 花田が新雑誌創刊でWiLLと泥仕合 リテラ
書店へ行くとなにやら奇妙な光景が──。4月26日発売の保守月刊誌「WiLL」(ワック)6月号の隣に、同型でほとんど同じデザインの雑誌が平積みされているのだ。別冊とか増刊号とか、そういうことではない。実はこの「WiLL」に酷似した雑誌は、飛鳥新社から今月創刊された月刊「Hanada」。そう、「WiLL」の名物編集長・花田紀凱氏がワックを退社して立ち上げた新雑誌なのである。
それにしても、赤く縁取られた表紙の左上に白抜きの雑誌名、記事のタイトルがずらりと並ぶレイアウトまで、何から何までクリソツなこの2つの雑誌。「WiLL」編集部はツイッターで25日、こんなアナウンスまでしていた。
〈明日26日発売の『WiLL』6月号の類似商品が一部書店様で販売されるようです。献本をご覧になられた方からも、恥も外聞もない前代未聞の行いに常識を疑う声ばかりです。このような読者を愚弄する行為には厳しく対処いたします。〉
〈新雑誌を謳いつつも表紙から本文レイアウトまで模倣する行為は、不正競争防止法2条1項3号「商品形態の模倣」としかいいようがありません。これは刑事罰の対象となりえます。〉
訴訟も辞さないという鼻息の荒さが伝わる。いったいどういうことか。実コレ、花田氏と「WiLL」との間で勃発した“泥沼騒動”の結果なのである。
そもそも「WiLL」といえば、毎号のように朝日バッシングや慰安婦問題の否定、ゴリゴリの改憲、中国・韓国バッシングなどを繰り返している極右雑誌だが、そんな「WiLL」に“内紛”との情報が駆け巡ったのは今年2月末のこと。当初の情報によると、創刊号から同誌を牽引してきた花田氏がワックを辞め、雑誌「WiLL」と編集部員全員まるごと連れて飛鳥新社に電撃移籍するとの話だった。そして、花田氏が産経新聞の取材に答え「編集方針の違い」と語ったことから“内紛勃発”と見られたのだ。
花田氏といえば、かつて文藝春秋で辣腕を振るった名物編集長。「週刊文春」編集長時代には数々のスクープを連発し、同誌を部数トップへと押し上げた。その後、月刊誌「マルコポーロ」編集長時代、ホロコーストを否定する記事を掲載して同誌は廃刊、花田氏も閑職に飛ばされたのち文藝春秋を退職した。そして紆余曲折を経て2004年に、ワック社長で元新潮社編集長だった鈴木隆一氏に請われて「WiLL」を創刊、順調に部数を伸ばしてきた。だが、花田氏が退職を表明した後の3月18日、鈴木社長は花田氏をワック取締役から解任。両者の溝を大きく感じるものだった。
一体、両者の間で何が起こったのか。この事態に対し3月28日にワック側がHPで説明を行っているのだが、そこには花田氏解任について理由が記されていた。それによれば、花田氏の飛鳥新社への移籍は会社に無断で行われ、また、会社の経営方針にも従わなかったのだという。256ページの適正ページ数からの増ページが常態化し、雑誌収益が圧迫されたこと、「WiLL」にそぐわないエンターテイメント系の連載が増えたこと、花田氏の個人的仕事が多くなって会社の業務に支障が出ていることなどが指摘されていたが、驚いたのは、花田氏の経費問題に言及されていたことだ。
「編集経費について。年間、千五、六百万円をほぼ花田氏が一人で費消していたので、削減を申し入れました。しかしながらこれもまた聞き入れられませんでした。媒体の性質にもよりますし、花田氏は役員でもあるのでプラスアルファ分をみてもその二分の一が小社の適正範囲と考えます」(ワックHP「月刊『WiLL』読者の皆様へ」より)
これはあくまでワック側のいい分だが、花田氏移籍は「編集方針の違い」などではなく、“金”の問題がからんでいるということらしい。
だが一方の花田氏の言い分はそれとは様相が異なっていた。月刊誌「創」(創出版)16年4・5合併号で花田氏は退社に至るまでの経緯を説明しているが、その発端は鈴木社長から退社を勧められたことだという。
「2015年8月26日、突然、鈴木社長が『花田さんが私のストレスになっている。だから部員一同を連れてどこかの会社に移ってくれ。何なら広告担当のMさんも連れて行っていい』と言ってきたんです」
その後、同様の話を何度もされたため、花田氏は移籍をせざるを得なくなった。ところが飛鳥新社への移籍が決まり、それを鈴木社長に報告したところ、ダダではなく5億円で売るとの話を突然持ち出してきたという。5億円はその後うやむやになったらしいが、なんだかSMAPの独立騒動を彷彿とさせるような両者の言い分だ。
ただ、花田氏はワック側が主張する“経費”の話を「創」では触れてはいない。また産経新聞に語った「編集方針の違い」についても「編集方針の違いなんてないんですが、あの時はそういわざるを得なかった」「鈴木さんとの路線対立は全くないですよ。両方ともちょっと右寄りですから」と前言を翻している(「創」は「『ちょっと』ではないだろう」とツッコミを入れていたが、本サイトも同感である)。
結局、飛鳥新社に移籍した花田氏だが、雑誌名に「WiLL」は使えなかったということで、新たに「Hanada」なるそのまんまのタイトルとなり、一方のワックも「WiLL」編集長を交代させることで雑誌発行を継続したというわけだ。そうした経緯があって、今回、書店にあまりに面構えがソックリの論壇誌が並ぶという“珍光景”に至ったわけである。
では、肝心の「Hanada」創刊号はどういう内容なのか。あるいは、花田氏が抜けた「WiLL」はどうなったのか。
執筆陣を見ると、「WiLL」6月号のほうは曽野綾子に渡部昇一、石原慎太郎、金美玲など保守論壇で定番のメンバー。対する「Hanada」6月号はというと、百田尚樹、藤岡信勝、山際澄夫、青山繁晴など、こちらも保守タカ派系のいつものメンツである。なお、櫻井よしこと西尾幹二にいたっては両誌をカケモチしている。……って結局どっちも同じ“安倍応援団”と歴史修正主義者とヘイト差別主義者が大集合の極右雑誌じゃないか!
まあ、強いて言えば記事の内容は、やはり花田氏の「Hanada」のほうがよりこれまでの「WiLL」っぽい胡散臭さ、もといケレン味が強い気もするが、それも誤差の範囲内(?)である。
つまるところ、こうして両者の主張を見ても、雑誌の内容を見比べても、花田氏退社は誌面の路線対立などではなく、お互いの感情的、そして金銭的対立であったと見るのが妥当だろう。花田氏は鈴木氏が病気を患って以降、鈴木氏の言動がおかしくなり、また “万が一のため経営が分かる人を連れてきてほしい”と何度も言ったことがストレスだったのではと推測する。
しかし、73歳になる花田氏もけっして冷静ではない。それに関して「WiLL」にも連載を持っていたコラムニストの勝谷誠彦氏が、メルマガで花田氏についてこんな話を書いている。
〈何が何だかよくわからないのだが『WiLL』がもともといた版元とケンカしてよそに移るというのである。花田紀凱師匠は「そのまま持っていくので、発行元がかわるだけで何も違わないよ」と言ってきた。しかし、自分の書いたものに責任を持つ身としてはそうはいかない。これまでの版元に電話をして事情を聞いた。そのことを師匠に言うとキレた。「なんであんな奴と話をするんだ。ふざけんな。もういい、やめだ、やめ」ということで連載をやめることにしたのである。〉
鈴木氏と同様、花田氏も感情的になっている様子が分かる。いずれにしても、今回の騒動を見ると、これまでさんざん繰り返されてきた極右陣営のトラブル、醜態が思い起こされる。「新しい歴史教科書をつくる会」、「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会)、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)、あるいは田母神俊雄容疑者と「日本文化チャンネル桜」を巡る騒動……。これらは、すべて主導権争い、もしくは不透明な金の問題からお互いを罵り、大問題に発展して分裂したものだった。
そして、今度は「WiLL」……。「愛国心はならず者の最後の避難所」というのはサミュエル・ジョンソンの有名な言葉だが、こうした極右陣営の仲間割れを見ていると、今の日本では「愛国心は目立ちたがりと金の亡者の避難所」なのか、とうんざりしてくる。
それはともかく、ワックは現在、問題の表紙の類似性に加え、花田氏の金銭問題についても調査、訴訟を準備しているとも伝えられるので、今後の動向にぜひ注意しておきたい。
(田部祥太)
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