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ハゲタカによる日本収奪を手引きする売国者たちー(植草一秀氏)
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27th Apr 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
日本政治のメインテーマは
「日本収奪」
である。
日本政治が日本収奪を推進していることは驚きであり、また悲しむべきことであるが、
残念ながらこれが現実である。
日本収奪は三つの側面から推進されている。
1.日本郵政の収奪
2.自衛隊の米軍指揮下への編入
3.TPP
小泉竹中政権が強引に強行した郵政民営化。
その本質は米国資本による日本収奪である。
そして、その収奪利権に多くの関係者がハイエナのように群がった。
その氷山の一角が「かんぽの宿」である。
「かんぽの宿」は日本郵政に帰属する不動産資産のひとつだが、
日本郵政は日本有数の不動産所有企業である。
日本郵政が保有する不動産資産も、もちろん日本収奪の重要なターゲットのひとつだった。
元郵政省高官で日本郵政公社常務理事、
日本郵政副会長を務めた中央大学客員教授の稲村公望氏と
金融財政学者の菊池英博氏が新著を出版された。
『「ゆうちょマネー」はどこへ消えたか:
“格差”を生んだ郵政民営化の真実』
折しも、日本郵便社長に三井住友銀行出身で三井住友アセットマネジメント社長の
横山邦男氏を起用する人事が報道されている。
横山氏は日本郵便の社長に就任するだけでなく、日本郵政株式会社の取締役も兼務する予定である。
これらの人事も、
「日本収奪」
の具体的な表れのひとつである。
郵便、貯金、保険の三業務を日本郵政が担ってきた。
そして、日本国民は国営の貯金事業、保険事業に、資金を投入してきた。
郵政マネーは公共マネーであり、民間マネーとは明確に峻別され、
公共性の高い分野への資金供給源とされてきた。
日本郵政は日本国民固有の財産であると言って良い。
そこには、350兆円もの資金、そして、日本有数の優良不動産が保蔵されてきた。
その優良不動産のほんのひとかけらが、「かんぽの宿」資産であった。
「郵政民営化」
とは、
この日本国民固有のかけがえのない資産を、ハゲタカとそれに群がるハイエナが収奪する計画
のことであった。
その収奪計画を担う日本における代理人=エージェントが
「売国者」
である。
これらの問題は、
拙著『日本の独立』
に詳しい。
U 小泉竹中政治の大罪
第10章 平成の黒い霧(1)新生銀行上場認可
第11章 平成の黒い霧(2)りそな銀行の乗っ取り
第12章 平成の黒い霧(3)郵政米営化・郵政私物化
第13章 平成の黒い霧(4)「かんぽの宿」不正払い下げ未遂事件
をご高覧賜りたい。
破綻した日本長期信用銀行はタダ同然の価格でリップルウッドに売り渡され、
リップルウッドは、新生銀行の上場認可で巨額の利益を確保した。
そして、りそな銀行が標的にされた2002年から2003年にかけての日本の金融危機で、
三井住友銀行はゴールドマンサックスの資金によって延命したが、
このゴールドマンこそ日本収奪のカギを握る存在である。
拙著第10章から引用する。
「『文藝春秋二〇〇九年一月号』のインタビュー記事「麻生総理の器を問う」で
読売新聞の渡邉恒雄氏が次のように述べた。
「僕は竹中さんから直接聞いたことがあるんだが、彼は「日本の四つのメガバンクを二つにしたい」
と明言した。
僕が「どこを残すんですか?」と聞くと、
「東京三菱と三井住友」だと言う。
あの頃はまだ東京三菱とUFJは統合していなかったんだが、
「みずほとUFJはいらない」というわけだ。
どうして三井住友を残すのかというと、
当時の西川善文頭取がゴールドマン・サックスから融資を受けて、外資導入の道を開いたからだと言う。
「長銀をリップルウッドが乗っ取ったみたいに、あんなものを片っ端から入れるのか」
と聞くと、
「大丈夫です。今度はシティを連れてきます」と言った。
今つぶれかかっているシティを連れてきて、日本のメガバンクを支配させていたらどうなったか、ゾッとする。」
このやり取りで、竹中氏は「大丈夫です。今度はシティを連れてきます」と発言している。
「長銀をリップルウッドが乗っ取った」ことを否定せず、
竹中氏がゴールドマン=リップルウッドを連れてきたことを示唆している。
渡邉氏の証言が真実であれば、重大な問題である。
この問題は、ゴールドマン・サックスが実質支配した三井住友銀行トップの西川善文氏を
民営化後の日本郵政社長に据えて、
郵政資金をそっくり米国に提供しようとしたとの疑いにつながるものである。」
2002年9月末の内閣改造で竹中平蔵氏が経財相と担当したまま、
新たに金融相を兼務することになった。
経財相を更迭されるとの憶測があるなかで、更迭されず、金融相を兼務することになった。
この人事を指令したのは米国であると見られている。
竹中金融相は就任直後に「金融再生プログラム」を策定した。
金融機関の自己資本比率算定方法を変更するなどの内容を含むものだったが、
拙速かつ杜撰なものだった。
詳述できないが、サッカーの試合の最中にルールを変更するようなものであった。
不当な方針提示であったが、各銀行は自己資本不足に対する警戒を強めた。
このなかで、三井住友銀行はゴールドマンの支配下に移行するのである。
拙著第11章からさらに引用する。
「株価暴落が加速するなかで、
大手銀行の二〇〇三年三月期決算での自己資本比率達成に緊張感が広がっていった。
このなかで三井住友の西川善文氏とゴールドマン・サックス社ポールソン氏の密会があった。
『文藝春秋二〇〇九年一月号』での渡邉恒雄氏へのインタビュー記事についてすでに触れた。
(中略)
重大な事実は二〇〇二年一二月一一日の密会である。
この密会には竹中平蔵氏、ゴールドマン、ヘンリー・ポールソン氏、ジョン・セイン氏、三井住友、
西川善文氏が出席した。
この後、ゴールドマン・サックスは三井住友銀行に対して、
二〇〇三年一月に一五〇〇億円の普通株への転換権付き優先株出資、
二月に三五〇〇億円の優先株出資を実行した。
ゴールドマン・サックスの一五〇〇億円優先株には四・五%の配当利回りが付与された。
当時、みずほ銀行が実施した優先株資金調達での配当利回りは二%であったから、
四・五%の利回り付与は法外に高いものだった。
三井住友銀行がなぜ、このような国辱的な条件を付与するのか、
金融市場でさまざまな憶測が飛び交った。
現職金融相が同席したことが異例であり、
仮に竹中金融相が三井住友の三月決算クリアを保証したのなら、法外な金利にも説明がつく。
つまり、
@三井住友は高いコストを払うが、二〇〇三年三月期決算クリアの確約を取る。
Aゴールドマンは三井住友の決算クリアの確約を得るとともに、法外に高い利回りを獲得する。
B竹中平蔵氏は両者から「謝礼」を受ける。
これを「三方一両得」と言う。
現職金融相が特定の金融機関の資金調達に関与すること自体が重大な問題であり、
まして自己資本比率クリアなどについて言及していたのなら、それこそ犯罪の領域に入ることになる。
追及しても言い逃れるに違いないが、重大な疑惑であることは間違いない。」
密会の事実という重大スクープは、ジャーナリストである佐々木実氏の丹念な取材によるものである。
ここから、三井住友はゴールドマンの支配下に移行し、
その後、ゴールドマンは三井住友を橋頭保に日本収奪を加速させてきたのである。
さらに、拙著第13章から引用しよう。
「日本郵政内部でかんぽの宿一括売却を担当したのは、
CREソリューション部門内に設けられた、
西川善文社長直轄の「チーム西川」と呼ばれる少数部隊であった。
この部隊は、西川社長の出身母体である三井住友銀行直結のチームであったとされる。
先述したように、三井住友銀行は、
竹中平蔵氏を仲介者としたと見られるゴールドマン・サックスからの巨額資金調達によって、
実質ゴールドマンが支配する金融機関に変質していた。
この三井住友出身の西川善文氏が日本郵政社長に君臨することにより、
日本郵政はゴールドマンを筆頭とする外国資本の草刈り場と化していたと推察される。
「かんぽの宿」売却もこの図式のなかで理解するのが順当である。
具体的にかんぽの宿売却プロジェクトを仕切ったのは、
西川善文社長に直結する横山邦男専務執行役と伊藤和博執行役を軸とするメンバーであった。
のちの総務省による調査では、この三井住友直系のチーム西川による意思決定は、
密室性が高くプロセスが極めて不透明であったことが報告されている。
横山邦男専務は「みなし公務員」の身分でありながら、
三井住友銀行から住居の提供を受けていることが国会質疑で明らかにされた。
また、伊藤和博執行役は日本郵政に入社するまで、
株式会社ザイマックスの常務取締役を務めていたとされるが、
このザイマックス社はオリックスが出資する不動産会社である。
オリックスから使命を帯びて日本郵政入りした疑いを払拭できない。」
「かんぽの宿」不正払い下げ未遂事件
とは、日本郵政保有の「かんぽの宿」をオリックス不動産に
破格の安値で一括売却しようとした事案が、国会での追及を受けて未遂に終わった事案
である。
ここに登場する横山邦男氏が日本郵便社長、日本郵政取締役に就任する。
ゆうちょ銀行、かんぽ生命の株式売却はすでに実行され、
日本国民固有の350兆円(現在は減少)の金融資産と巨大優良不動産の外資による収奪が
着々と推進されている。
この現状を傍観することは許されない。
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