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震災対応は不手際だらけ 口先政権への怒りと失望
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/179870
2016年4月20日 日刊ゲンダイ 文字お越し
住民の不安は募るばかり(C)AP
「天災」が「人災」に向かってまっしぐらだ。
熊本県や大分県などで続く地震は、最大震度6を記録した16日未明の「本震」から5日目を迎えた。大規模な土砂崩れが起きた熊本県南阿蘇村では、19日も自衛隊や警察による捜索・救出活動が行われ、新たに3人の遺体が発見され、一連の地震による死者は計47人となった。
熊本県益城町で震度7を記録した14日夜以降、震度1以上の地震は700回近くに達し、19日も熊本県内で震度5強の地震が発生。眠れぬ夜を過ごしている熊本・大分両県の避難者は約9万6000人に上る。熊本市内では車中泊している人も多く、避難生活の長期化で今後、高齢者らのエコノミークラス症候群や震災関連死も懸念される。負傷者の生存率が急激に低下するとされる「72時間」を過ぎ、残る行方不明者の捜索活動は待ったなしの状況だ。
もはや、誰がどう見ても「大災害」は明々白々だが、安倍政権にはそう映っていない。いまだに熊本県の蒲島郁夫知事が求めている「激甚災害指定」さえ出していない。「激甚災害指定」は、地震や台風などで大きな被害を受けた被災地域や被災者に対し、助成や財政支援を行う制度だ。指定が早いほど財政支援を後ろ盾に、自治体は素早い救援、減災活動を進められる。
2011年の東日本大震災でも、当時の民主党政権が「3.11」の翌12日に「激甚災害指定」を閣議決定したが、安倍政権は「できれば(指定は)ゴールデンウイーク前と思っている」(河野太郎防災担当相)なんて言って、全く危機意識が感じられない。河野なんて18日の衆院TPP特別委で、民進党の緒方林太郎議員に「なぜ指定が遅れているのか」と問われた際、こんなブッ飛び発言をしていた。
「特に遅れていると思っていない。関係自治体に復興の見通しの査定を出してもらうよう、お願いしている」
要するに「被災地から書類が出てくるのを待っている」という説明なのだが、今も震度5、6クラスの地震が続き、避難者支援などの対応に追われている自治体が、どうやって「書類」を作成できるのか。現場を知らないにもホドがある。国民の猛反対を押し切って「安保法」を閣議決定した時とは大違いだ。
地震現場を取材した防災システム研究所の山村武彦所長は呆れた様子でこう言った。
「激甚災害指定を早く出さないと、自治体も住民も不安になる。指定を決めているのであれば、先延ばしせずにさっさと出すべきですよ」
その通りだ。何せ一刻を争う緊急事態である。気象庁ですら「経験則が通じない」「今後の展開は予測できない」と白旗を揚げているのだ。「ゴールデンウイーク前」なんて悠長なことを言っている間に大地震が起きたらどうするのか。
■震災を政治パフォーマンスに利用
そもそも安倍は「政府一体となって災害応急対策に全力で取り組む」なんて勇ましいことを言っていたが、口先だけ。やっているのはどれもチグハグなことばかりだ。
熊本地震で防衛省が当初、現地に派遣を決めた自衛隊員の数はたった2000人。「本震」が発生し、慌てて2万人に拡大したが、それでも足りずに再度6000人増やす始末だ。国の非常災害対策本部が被災地に発送した90万食分の食料が、わずか4万食しか届かなかったのも大問題だろう。森山裕農相は急きょ90万食の追加発送を公表したが、果たして、どれだけ被災者の手に渡るのか分からない。
何といっても愚の骨頂は「米軍にオスプレイ要請」だ。中谷元防衛相は「物資輸送、人員搬送に適している」と絶賛していたが、自衛隊に約70機も配備されている大型輸送ヘリCH47をなぜ使わないのか。オスプレイよりも輸送能力は上だ。
「CH47なら運動場や学校グラウンドにも着陸できます。しかし、オスプレイは着陸時の下降気流がものすごいため、より広い場所が必要になる。仮に避難者が車中泊しているような場所に降りれば、車が吹き飛ばされてしまうかもしれません。本来は長崎や福岡などの近隣にCH47の輸送拠点を設け、そこから物資をどんどん運ぶべきです。ところがオスプレイは岩国基地など遠方から飛んでくる。一体何を考えているのか。安倍政権はオスプレイを政治パフォーマンスに利用しているだけです」(軍事ジャーナリストの神浦元彰氏)
被災者そっちのけで消費税増税を優先する愚
それでも消費税増税にこだわる(C)日刊ゲンダイ
「全力で取り組む」「総力を結集する」。安倍はこう強調しているが、それなら国会でTPP特別委を開いている場合じゃないだろう。東日本大震災を彷彿させる非常時に審議する道理はない。ついでに言うと、このTPP特別委で野党議員から「消費税引き上げは延期するべきではないか」と迫られた安倍は、平然と「予定通り引き上げていくという基本的な考え方に変わりはない」と言い放っていたが、この発言にものけ反ってしまう。
ロイター通信が〈大地震の後も消費税増税にこだわる安倍首相〉と驚くのも当たり前だ。今の熊本の被害状況を見ていれば、消費税増税が被災者をモロに直撃するのは目に見えているからだ。
政治学者の五十嵐仁氏もこう憤る。
「一刻も早い救助、救援を求める被災者のことなど、安倍首相はてんで考えていない。だから早急に取り組むべき優先順位が見えていない。国のトップがこういう姿勢だから、不手際が続くのも当然です」
■日本経済にもジワジワ影響
結局、安倍の頭の中には政権維持しかない。株価急落と円高で「アベノミクス」は崩壊したため、国民ウケを狙った「パフォーマンス」に頼らざるを得ないのだ。だが、今回の地震が「アベノミクス失敗」に拍車を掛けるのは間違いない。東京商工リサーチの調査によると、熊本県に本社を構える企業数は約3万5000社で、全体の売上金額が合計で約9兆4000億円に上る。「アイシン九州」(熊本市)や「ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング」(菊陽町)といった製造業も多い。東日本大震災でもライフラインが寸断され、部品不足や工場の操業がストップするなど深刻な影響が出たが、今回の地震被害による経済的損失も計り知れないだろう。東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏はこう言う。
「九州地方というのは日本の『シリコンアイランド』と呼ばれ、IC(集積回路)や半導体の企業が多い。大手自動車のトヨタや日産の工場もあります。周辺には部品関連の会社も多く点在する中、高速道が寸断され、インフラもズタズタとなれば工場稼働はストップせざるを得ない。熊本の地震で、業績に与える影響を懸念する上場企業の適時開示がすでに100社ほど。局地的な地震のように見えますが、日本経済に与える影響はかなり深刻だと捉えた方がいい」
ただでさえ、東日本大震災の復興事業や東京五輪の関連工事で資材価格は急騰。ゼネコン、土建業者はどこも人手不足に陥っている。今後、熊本と大分で復興事業が始まるとなれば、今以上に資材価格はハネ上がり、人手が足りなくなる。こんな状態で、東京五輪なんてできるハズがない。
いよいよ安倍政権の終わりの始まりだ。
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