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熊本地方に激震が走った4月は安倍総理の政権運営にとって分岐点ー(田中良紹氏)
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17th Apr 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
TPP法案で与野党が対立し中断した国会審議は、
自民党が西川公也委員長に公正な議事運営を約束させることで14日からの審議再開にこぎつけた。
しかしその14日夜に直下型地震が熊本地方を襲い、
余震が収まらないことから政府は対応に全力を挙げなければならなくなった。
そのため15日に予定されていたTPP特別委員会は延期され、
安倍総理の北海道補選応援もとりやめになった。
一方、この間にワシントンで開かれたG20で為替介入を巡る日米の対立が明らかとなり、
それは円高懸念を増大させる。4月は安倍政権にとって政権運営の分岐点になる可能性を帯びてきた。
4月8日の衆議院TPP特別委員会審議はお粗末なものだった。
西川委員長が執筆し出版を予定していた『TPPの真実』について、
民進党の緒方林太郎衆議院議員が原稿のゲラを手に質問したのに対し、
森山農水大臣はゲラを認めた前提で答弁を行い、
一方の石原TPP担当大臣はゲラの存在を認めない態度に終始した。質疑は全くかみ合わない。
そこで野党が西川委員長に議事を中断して速記を止めるよう要求すると、
西川委員長はそれを認めず議事を続行した。審議時間を稼ぐために議事を続行させたのだろうが、
速記を止めればスイッチが切られる委員長席のマイクは切られないままになった。
ゲラの存在を認めない石原大臣と緒方議員の議論はかみ合わず、
民進党議員は退席することになるが、
そのあとで西川委員長は自民党の理事に「あのゲラは古いもので後で書き直した」と釈明した。
それが速記を止めていないためそのまま委員長席のマイクに記録された。
一方の石原大臣も自民党の理事に「ここは認めずに頑張るしかない」と発言した声が
やはりマイクに拾われた。委員長がゲラの存在を認め、一方の大臣は認めずに頑張ると言う。
それが両方とも記録されてしまったのである。
その夜、東京地検特捜部が甘利スキャンダルに絡むあっせん利得処罰法違反事件の強制捜査に
踏み切ったことで、フーテンは12年前の年金法改正案審議中に特捜部が
元社会保険庁長官を逮捕したことを思い出し、
野党がむやみに勢いづくと罠があるかもしれないとブログに書いた。
すると13日に与野党は審議再開で合意し、同時にTPP法案成立は秋に延期するとの情報が流れた。
しかし今国会の成立を断念しても審議は続行するわけで、
逃げの姿勢に入った安倍政権がTPPをどう国民に説明するかが見ものになる。
そこに熊本地震が起きて15日の委員会は取りやめとなり、
17日に予定されていた安倍総理の北海道5区補欠選挙応援も中止された。
一方、市場関係者が注目していたのは14日からワシントンで開かれたG20である。
麻生財務大臣はワシントン入りするとすぐ米国のルー財務長官と会談し、
「円相場の偏った動きを懸念している」と発言した。
背景には世界的に株価が持ち直す中、日本株だけが円高によって下落している事情がある。
特に安倍総理がウォール・ストリート・ジャーナル紙のインタビューで
「通貨安競争は避けなければならない」と語ったことが、
市場に「日本は円売り介入しにくくなる」と捉えられ、
4月5日、円相場は1年5か月ぶりに109円台、株価は1万6千円を割り込んだ。
慌てた麻生財務大臣や菅官房長官が「場合によっては必要な措置をとる」と
口先介入を行ったが効果はなかった。
そこで麻生財務大臣は米国側から介入を認める言質を取ろうとしたのである。
ところがルー長官は15日の記者会見で「最近は円高が進んでいるが、市場の動きは秩序的だ」と述べ、
日本側の主張を一蹴した。
日米の通貨当局は緊密な連携を取り合っているのが普通だが、
今回のG20で米国は日本の円売り介入を否定した。
おりから米国の大統領予備選挙では候補者たちが日本の円安誘導を批判している。
フーテンから見るとこのところの米国は安倍政権に冷ややかである。
そうなると18日以降の円相場が注目される。
1ドルが105円程度まで下がる可能性を指摘する声もある。
1ドルが105円になれば、日本の上場企業の利益はマイナスに転じると言われる。
そうなれば日銀の大胆な金融緩和で円安に誘導し、円安によって企業収益を上昇させ、
それを投資や賃上げにつなげようとしてきたアベノミクスのシナリオは完全に崩壊することになる。
そしてG20では「日本は外需ではなく内需に目を向けるべき」と指摘された。
財政政策による内需拡大を目指せと言うわけだ。
伊勢志摩サミットの議長国として日本は次なる経済政策に取り組まなければならないが、
それは消費増税の先送りとともに財政健全化への道を遠のかせることになる。
4月には安倍総理のダブル選挙戦略に直結する補欠選挙が北海道と京都である。
中でも北海道は負けるわけにいかない。
故町村信孝前衆議院議長の弔い合戦であるから勝つのが当たり前だ。
ところが報道によると大接戦を繰り広げているらしい。
そこで安倍総理は故人とは敵対関係だった新党大地の鈴木宗男氏を
娘の選挙当選を保証することで抱き込んだ。
表向きの理由は対ロ外交で協力してもらうための提携である。
16日には鈴木氏の会合に森元総理が出席し、
講演で「日ロ首脳会談は5月6日にロシアのソチで開かれる」と述べ、
「安倍総理とプーチン大統領をつないだのは自分だ」と強調した。
しかし日ロ首脳会談を米国は嫌っている。
また日本の外務省も森氏や鈴木氏の独自外交には一物ある。
日ロ首脳会談を伊勢志摩サミットの前に行うのであればそれなりの配慮が必要になり、
成功すれば良いがリスクを引き受けなければならなくなる可能性もある。
そして北海道の補欠選挙で与党が敗れるようなことにでもなれば、
これまで組み立てられてきたシナリオにひびが入ることは避けられない。
TPP、アベノミクス、衆議院補欠選挙、5月の外交準備と、
この4月は安倍政権の行方を占う上で大きな分岐点になるとフーテンは見ているのである。
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