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NHK会長は“粛清”強行 北朝鮮化するメディアから漂う腐臭
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/179560
2016年4月15日 日刊ゲンダイ 文字お越し
蜜月は続く(C)日刊ゲンダイ
安倍・籾井体制が盤石という悲喜劇
鈴木敏文会長兼CEOが辞任を表明したセブン&アイHDは15日、指名・報酬委員会を開き、新しい経営体制の選任案を決める。新社長には、セブン―イレブン・ジャパンの井阪隆一社長(58)の昇格が有力。鈴木会長が退任を迫ったその人である。交代案が取締役会で否決されたことが、鈴木会長辞任の引き金だった。
「三越事件で、当時の岡田社長は取締役会で解任された時『なぜだ』と叫んだそうですが、鈴木会長も同じ心境だったでしょう。これは経営の主導権をめぐる権力闘争です。創業家の伊藤家と井阪氏が手を組み、鈴木会長を追い落としにかかった。歴史を顧みても、カリスマ的なワンマン経営者はたいていクーデターで解任されていますが、その後、会社はガタガタになり、長きにわたって低迷するケースが多い。今後に注目です」(経済ジャーナリスト・有森隆氏)
次男を取締役に抜擢するなど、鈴木会長にも懸念原因はあるが、新聞報道がことさら老害経営者の暴走のように書き立てるのは、創業家サイドの情報に乗っかっているせいもあるだろう。本当のところはもう少し経ってみないと分からないが、それよりも驚愕なのがNHKの内部人事だ。セブンの“お家騒動”に隠れて、籾井会長による暴走粛清人事が断行されたのである。
NHK経営委員会は12日、現職の8人の理事のうち、4人を退任させる人事案に同意。24日付で退任するのは、板野裕爾専務理事と福井敬専務理事、井上樹彦理事、浜田泰人理事の4人だ。
■自分が任命した理事もクビに
「理事の任期は一般的に2期4年なので、板野氏と福井氏はまだ分かりますが、井上氏と浜田氏は一昨年に就任したばかりです。自分が選んだ理事のクビまで切るなんて、尋常ではない。あからさまな粛清人事で、これを見た内部はますます萎縮してしまう。エビ・ジョンイルと呼ばれた海老沢会長時代でも、ここまでロコツなことはしませんでした。これだけ不祥事が続出しているのに、人事権を握っている籾井会長に誰も逆らえないとしたら異常です」(NHK出身で船橋市議会議員の立花孝志氏)
発売中の「週刊文春」によると、今回退任となった板野氏と井上氏は、菅官房長官や杉田官房副長官と近く、籾井体制を支えてきた側近中の側近。NHK内部では「会長の側用人」「官邸のお目付け役」と称されるほどだったという。
官邸子飼いの籾井氏は、自身が主導した350億円の土地取引問題で、板野、井上両理事が反旗を翻したことに激高。それが今回の粛清につながった。もっとも、両理事が土地取引を止める方向に動いたのは、官邸の意向を受けてのことだという。籾井氏に黙って従うか、官邸に恩を売るか、天秤にかけただけのことで、要は権力亡者の内輪モメなのだが、逆恨みした籾井氏は今年2月、手始めに専務理事の塚田祐之氏、吉国浩二氏を退任させた。そして今回、一気に4人の理事のクビを切ったわけだ。
「そういう不遜な人事を経営委員会が追認してしまうことも問題です。籾井会長は公共放送を“自分の会社”にしようとしている。それで組織がおかしくなっていく。セブン&アイもNHKの問題も、強権的なトップにモノを言える人が周囲にいなくなってしまった結果の悲劇といえます」(有森隆氏=前出)
卑屈なゴマすり体質は就任前からの筋金入り
高市総務相はメディアをドーカツ(C)日刊ゲンダイ
籾井体制になって以来、会長の暴言失言は数知れず、不祥事も続発している。子会社「アイテック」の2億円着服が発覚、危険ドラッグ所持でアナウンサーが逮捕され、さいたま放送局ではタクシーチケットの私的流用がバレた。350億円の用地買収計画も白紙撤回され、一時は官邸が籾井会長を見限り、後任探しを始めたという話まで広がった。
それだけ追い詰められていた籾井氏が今も強権を発動していられるのは、官邸にとって、これほど操りやすいNHK会長はいないからだ。土地取引問題や後任探しで揺さぶりをかければ、これまで以上の忠誠を誓って、政権批判を徹底排除してくれる。
今週の「週刊文春」には、官邸からの圧力で3月に「NEWS23」のアンカーを降板させられたと噂の岸井成格氏が、阿川佐和子氏との対談に登場。官邸の圧力については否定したが、こんなエピソードを開陳している。
かつて、BS−TBSの「われらの時代」という番組の中で麻生太郎の批判になった時、スポンサーの社長が乗り込んできて「麻生さんの悪口は一言もダメです」と警告したという。わざわざ社長が乗り込んでくるなんて異例だが、〈それがNHK会長になる前の籾井さんだった〉と、岸井氏はこう解説する。
〈「われらの時代」は日本ユニシスという会社の1社スポンサードで、籾井さんは当時そこの社長だった。あとで聞いてなるほどと思ったのは、兄弟仁義の世界みたいな話で。福岡県の筑豊炭田で麻生炭鉱と籾井炭鉱ってのは兄弟分のような関係らしい〉
〈麻生炭鉱の方が兄貴分だから、どんなことがあっても悪く言ってはいけないという仁義がどうもあるみたいなんですよ〉
立場を利用して、意に沿わない放送内容に介入する。兄貴分が右と言えば黙って右にならう。そういう卑屈なゴマすり体質は会長就任前からで、筋金入りなのだ。
■同調圧力に加担するメディア
NHKの不祥事を国会で追及してきた野党議員のひとりが言う。
「就任時の会見で『政府が右と言っているものを左と言うわけにはいかない』と発言するなど、放送法の精神を理解していない籾井会長は公共放送のトップにふさわしいと思えません。やらせ問題をはじめとする数々の不祥事が発覚し、何度も国会の場で説明を求めましたが、納得できる内容ではない。それどころか籾井会長は、やらせ問題を逆手に取って、官邸から敵視されていた『クローズアップ現代』の国谷裕子キャスターを降板させ、局内の言論統制を強化してしまった。これは誤算でした」
「世界」5月号に、その国谷氏が寄稿している。降板のきっかけになったといわれる『クロ現』での菅官房長官へのインタビューについても触れ、権力にからきし弱いテレビの現状に警鐘を鳴らしている。
〈批判的な内容を挙げてのインタビューは、その批判そのものが聞き手の自身の意見だとみなされてしまい、番組は公平性を欠いているとの指摘もたびたび受ける〉
〈最近、ますますそうした同調圧力が強くなってきている気がする。流れに逆らうことなく多数に同調しなさい、同調するのが当たり前だ、といった圧力。そのなかで、メディアまでが、その圧力に加担するようになってはいないか〉
〈人々の情報へのリテラシーを高めるためにも、権力を持ち、多くの人々の生活に影響を及ぼすような決断をする人物を多角的にチェックする必要性はむしろ高まっている〉
14年3月にケネディ大使にインタビューした際に、質問の中で「日本とアメリカの関係は、安倍政権の一員、それにNHKの経営委員や会長の発言によって影響を受けていると言わざるを得ません」と、あえてNHKについて触れた理由も書かれている。〈番組への信頼のためにも、この言葉を避けてとおるわけにはいかなかった〉というのだ。それだけ、今のNHKに対して危機感を抱いているのだろう。
「NHKに限った話ではありません。安倍首相はじめ与党幹部は、メディアが政府を批判すれば『公平中立ではない』などとイチャモンをつけるし、高市総務大臣にいたっては『電波停止もありうる』とドーカツする。メディアは官邸の顔色をうかがい、忖度と自粛がはびこっている。政権に批判的な発言をしたキャスターは、この春に画面から一掃されてしまいました。国民の受信料で成り立っているNHKが先陣切って政権の宣伝機関に成り下がっているのですから、もはや北朝鮮のことをバカにできません」(ジャーナリスト・横田一氏)
言論の自由が失われるにつれ、籾井・安倍体制が盤石になるという悲喜劇。国民にとっては、笑っていられない状況だ。
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