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国会はTPPを承認することができない
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2016年4月14日 (木) 18時28分 街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋
ことTPPになると、法学者の発言は、鈍いというか、ないに等しい。
仕方がないので、政府が交渉過程を明らかにしなければ、国際法を踏まえれば、国会はTPPを承認してはならないことを明らかにしておきたい。
条約法に関するウィーン条約31条は次の通り規定している。
1 条約は、文脈によりかつその趣旨及び目的に照らして与えられる用語の通常の意味に従い、誠実に解釈するものとする。
2 条約の解釈上、文脈というときは、条約文(前文及び附属書を含む。)のほかに、次のものを含める。
(a) 条約の締結に関連してすべての当事国の間でされた条約の関係合意
(b) 条約の締結に関連して当事国の一又は二以上が作成した文書であつてこれらの当事国以外の当事国が条約の関係文書として認めたもの
1項は、条約は「文脈により…解釈する」と規定している。
条約は条約文だけではなく、文脈で解釈せよとしているのだ。
そして、2項は、「文脈」には条約文の他に次のものも含むとして、
「全ての当事国の間でされた関係合意」
「当事国が条約の関係文書として認めたもの」
を挙げている。
つまり、ここに挙げられた関係文書は、条約文と同格の意味があるとされているのだ。
これを踏まえて、TPPの秘密保持の対象文書をニュージーンラドの首席交渉官の書簡から見ると、
「交渉テキスト、各国政府の提案、添付説明資料、交渉の内容に関するEメール、そのほか交渉の文脈において交換された情報」
が秘密の対象となるとされている。
TPPでは、文脈に当たる可能性がある「関係文書」を、TPP発効後4年間、秘密にするとされている。
つまり、「文脈」により解釈すべきだとする「文脈」が全て出されているとは限らないのだ。
ちなみに条約法条約における「文脈」は“context”が用いられている。
拙訳が、「交渉の文脈において交換された情報」と訳している「文脈」も“context”である。
つまり、TPPでは、解釈すべき「文脈」自体が意図的に秘匿されている可能性も否定できないのである。
仮に条約を契約にたとえるとすれば、契約書の一部がマスキングされている状態で、国会承認が求められていると言ってもよい。
憲法73条3号は次の通り規定している。
三 条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
TPPは、ほぼ全てが国内法に影響を及ぼす条約である。
しかも、将来にわたって国内法を拘束する条約である。
国会の権限の根幹に関わる条約の一部をマスキングした状態で承認を求めるなどということはあってはならない。
このような条約承認案件の提出は憲法73条3号に反するというべきであるし、確認できない内容に対して、将来的に拘束されるような案件に対しては国会は承認する権限を憲法上持たないというべきである。
「文脈」 はわかりにくいかもしれないが、例を挙げればこういうことだ。
4月12日の記事でニュージーランドの首席交渉官の書簡を訳したときに
という訳をしている。
最後に出てくる「あなた」は“you"の直訳であり、どう考えても不思議な言葉でこのままでは意味不明だ。
さすがに変な訳なので、こっそり「あなた(貴国)」に書き直した。
書簡の冒頭に「TPP協定の寄託国として」という首席交渉官の立場の表明があるからここでいう"you"は今後交渉参加を予定する国を指すと考えて間違いないと考えられる。
仮に、冒頭の文章がマスキングされていたら、最後まで"you"が誰を指すのか、不明なままになるだろう。
TPPにおいて関係文書が秘匿されている状態は、こうした「文脈」による解釈を不可能にしかねないのだ。
「文脈」が明らかにされていないTPPに対して、国会は、同意してはならない。
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