http://www.asyura2.com/16/senkyo204/msg/434.html
Tweet |
大新聞は選挙PR屋か “サミット礼賛”チョーチン報道
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/179380
2016年4月13日 日刊ゲンダイ 文字起こし
広島で開催されたG7外省会合(C)AP
「G7外相『広島宣言』採択」「未来志向で訪問実現」――。
5月の伊勢志摩サミットの準備会合として、広島で開かれたG7外相会合が11日に閉幕。12日の新聞各紙は1面トップで報じ、数ページにわたって詳報した。まるで、何かとてつもない偉業を成し遂げたかのような大騒ぎである。
簡単に言えば、原爆を投下した米国を筆頭に、核保有大国である英仏の現職外相が初めて平和記念公園を訪れ、慰霊碑に花を捧げた。外相ご一行は平和記念資料館の他、当初の予定になかった原爆ドームも見学。そして、核軍縮に向けた「広島宣言」を採択した。それだけの話だ。
これを岸田外相は自ら「歴史的な日」「歴史的な一歩」と強調。菅官房長官も会見で「この成果を伊勢志摩サミットにつなげていきたい」と自画自賛していた。たかが外相会合で、原爆関連施設を見ただけのことで、ずいぶん仰々しい。しかも、会合の中身をよく見れば、看板に偽りアリもいいところなのだ。
元外交官の天木直人氏が言う。
「広島宣言は、核兵器が『非人道的である』という言葉が核保有国の反対で削られ、核軍縮のための具体的な方策も盛り込まれず、すっかり骨抜きです。そもそも、核不拡散をうたったところで、肝心の中国とロシアが参加していないのだから意味がない。もはや、G7だけですべて決められる時代ではないのです。
外相会合で主要議題になるはずのテロや難民の問題では、まったく進展がなく、日本はこれらのテーマでリーダーシップを発揮することもできない。メディア報道では、すごいことをやったというムードが流されているので、国民もそう思ってしまうかもしれませんが、実際は成果らしきものは、ほとんどありませんでした」
■「非人間的な苦難」は意図的な誤訳か
新聞各紙の報道によれば、広島宣言には、原爆投下が「極めて甚大な壊滅と非人間的な苦難」を引き起こしたことが明記されているという。だが、英語の正式文書を読むと、この部分は〈immense devastation and human suffering〉とある。〈human suffering〉は「人間の苦しみ、人的苦痛」のことだ。これを「非人間的な苦難」と訳すのは無理がある。「非人間的」というなら〈inhuman〉のはずだ。広島宣言のキモになる部分で、海外向けと国内向けを使い分けているとしたら、大問題だ。
日本語にしてしまえば、「非人道的」と「非人間的」は似て見える。だから、核保有国の立場に譲歩し、広島や被爆者の世論に配慮した結果、「非人間的な苦難」と無理やり意訳して、何らかの成果を勝ち取ったかのように見せた。メディアはその日本語訳を垂れ流す。恐らく、こんなところだろう。
だが、「非人道的な核兵器」と「非人間的な苦難」は別物である。ましてや、それが「人的苦痛」になると、道義上の意味も消えて、ただの事象になってしまう。被爆者の核廃絶への思いは踏みにじられたも同然だ。それこそ尊厳を売り渡すようなものでもあり、あまりに不埒というものだ。わざわざ被爆地で開催しておいて、核兵器を正面から非難もできず、核保有国におもねる広島宣言に一体、何の意味があるのか。
今後はオバマ大統領の広島訪問めぐって大騒ぎ
外交パフォーマンス(C)AP
昨年、被爆70年の広島平和式典の演説で、安倍首相が、歴代首相が必ず明言してきた「非核三原則」についぞ言及しなかったことを思い出す。
「靖国神社の英霊には『尊崇の念』を表明するのに、被爆者には冷淡で、武器転用される可能性のある原発輸出にシャカリキ。それが安倍右翼政権の本質です。岸田外相の選挙区だから、外相会合を広島で開催したのでしょうが、この政権には、被爆者への真摯な思いも核廃絶への強い意志もない。外交パフォーマンスに被爆地を利用しただけなのです。原爆投下から70年経って、ようやく米国の国務長官が広島を訪問したことには確かに意義がある。かなり好意的に報道されていますが、ケリー国務長官のコメントは意味不明でした。立場上、謝罪できないのは仕方ないにしても、『初めて広島を訪ねた国務長官であることを光栄に思う』という発言には違和感を覚えます。被爆者との対話もなく、通り一遍の共同声明で幕を閉じてしまったことに疑問を呈すメディアがなかったことが問題です」(政治評論家・本澤二郎氏)
外相会合が新聞紙面を華やかに彩った12日は、日米両政府が普天間飛行場の返還について合意してから、ちょうど20年の節目の日でもあった。基地問題もヒロシマも、悲惨な戦争を引きずっていることに違いはないが、メディアは外相会合一色で、普天間問題は隅に追いやられてしまった。しかも、11日の日米外相会談では「辺野古移設が唯一の解決策」との認識を再確認している。沖縄の民意は完全無視だ。それでも外交成果のように書かれる。
■サミットと税金を選挙対策に利用
「メディアの関心は、伊勢志摩サミットで来日するオバマ大統領が広島を訪問するかに移っています。これが、5月のサミット本番まで続く。実現すれば、今回以上の大騒ぎで、メディアは安倍政権の手柄として褒めそやす。下手したら、サミット後もしばらく安倍首相が話題の主役になるでしょう。何しろ安倍政権は伊勢志摩サミットが終わっても、9月まで関係閣僚会合を開く予定なのです。直前に外相や財務相が準備会合を開くのは当然で、これは、どこの国が議長でも行われてきた。しかし、サミット後も数カ月にわたって、全国各地10カ所で会合を開くなんて前代未聞です。開催地の観光業は潤うでしょうが、開催費用は政府持ちだから、税金を使った選挙対策に他ならない。全国各地でサミット関連会合を開いて税金をバラまく。その都度、メディアが追いかけて成果をアピールしてくれる。これほど楽な選挙PRはありません。安倍政権は、サミットを選挙対策に使っているのです」(天木直人氏=前出)
関係閣僚会合は、今回の広島・外相会合を皮切りに、4月23〜24日が農相会合(新潟市)、4月29〜30日が情報通信相会合(高松市)、5月1〜2日がエネルギー相会合(北九州市)、5月14〜15日が教育相会合(倉敷市)、5月15〜16日が環境相会合(富山市)、5月15〜17日が科学技術相会合(つくば市)、5月20〜21日が財務相・中央銀行総裁会議(仙台市)、9月11〜12日が保健相会合(神戸市)、9月24〜25日が交通相会合(軽井沢町)といった具合だ。
この期間ずっと、メディアがチョーチン記事を書いてくれる。これじゃあ、無能政権でも楽チンだ。
甘利前経済再生相の収賄疑惑や、TPP特別委の西川委員長の背任的な出版疑惑など、自民党には今も大問題が渦巻いている。それらを追及しないで、メディアはヨイショ記事ばかり。これが選挙まで続くかと思うとウンザリする。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK204掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。