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ドル安容認 「対米隷従政権」が招く円高の地獄絵
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/179290
2016年4月12日 日刊ゲンダイ 文字お越し
浮かれている場合か(C)日刊ゲンダイ
日銀が今年1月にマイナス金利導入を発表して以降、それをあざ笑うような円高と株安が続いている。11日の外為市場でも円が上昇、1ドル=107円後半まで円高が進み、それにつられて、日経平均株価も一時、300円に迫る下落幅となった。
この3カ月弱で、円高は約14円も進み、日経平均は約1500円も下げている。主要16通貨で円は最大の上げになっている。
これは笑えない事態だ。黒田日銀がどんなに言い繕おうと、マイナス金利は通貨安政策と株高対策なのである。それがまったく通用しなかったどころか、逆に振れた。このことから、世界が2つのことを懸念し始めている。ひとつは金融政策の限界、もうひとつは日本の信認低下である。
これらは間違いなく、世界経済の大きなリスクになる。安倍首相は5月に開かれる伊勢志摩サミットに向けて、日本が世界経済を牽引する主役気取りだが、大笑いだ。主役どころか、日本こそが最大の時限爆弾なのである。
菅官房長官は11日、急激に進む円高を受けて「為替市場に投機的な動きがみられる」「場合によっては必要な措置を取る」などと牽制したが、市場の流れは止められなかった。市場にナメられきっている証拠である。
その背景に何があるのか。大新聞は遠慮して書かないが、ズバリ、米国に対する日本の卑屈な隷従だ。ドル高容認からドル安へ舵切りしようとしている米国に逆らえないから、円高になる。もうちょっと正確に言うと、「日本は逆らえっこない」と市場に見透かされているから円高になる。市場は安心して円を買う。急激な円高はドル安をもくろむ米国の意向であり、そんな米国に追従、隷従するしかない安倍ポチ政権の当然の帰結と見るべきなのである。
■自分で自分の首を絞めているガンジガラメ
経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「米国は去年夏前からドル高はかなわないと思い始めているのです。10%のドル高はGDPを1%弱低下させるというモデル試算もあるほどです。加えて、米国は産油国ですから、ドル高で原油価格が下がるのもうれしくない。一方、FRBは利上げに舵切りしていますから、金融政策の幅を得るためにもここで景気を腰折れさせたくない。過度のドル高は困るわけです。そんな状況のところにもってきて、安倍首相は米紙ウォールストリート・ジャーナルのインタビューで『通貨安競争は断固として避けなければならない』などときれいごとを言った。市場が1ドル=110円の壁を試そうかというタイミングでの発言は、日本がドル安円高是正のために為替介入をする気がないと受け止められた。円高に拍車が掛かる展開となったのです」
間が悪いことに先のG20では通貨安の競争的引き下げを回避するという合意がなされた。そんな中、伊勢志摩サミットの議長国である日本が先頭を切って為替介入などできっこない。日銀が今度の政策決定会合で、追加緩和を打ち出す可能性はあるものの、限定的にならざるを得ない。
アホというか、単細胞というか、ガンジガラメの日本。かくて、円相場はあっさり、1ドル=110円という防波堤を突破され、先が読めなくなったのである。
1ドル=100円はすぐそこの現実
これはまだ序の口(C)日刊ゲンダイ
この先、一体、円高はどこまで進むのか。
日経新聞の編集委員、滝田洋一氏が今月8日に出版した「世界経済大乱」にはこんなくだりが出てくる。
〈16年3月に入りドル相場が天井を打ち、円とユーロに上昇圧力がかかっている〉〈(加えて)日本の場合は経常黒字が増えだしたので、ドル安の反対側で円は自然と買われやすい〉〈今の調子で経常黒字が推移すれば、円相場は前年比で1ドルあたり5円から10円くらい上昇に転じてもおかしくない。1ドル110円を起点とすれば、100円が視野に入ることになる〉
2011年の東日本大震災以降、日本の貿易収支は一時、赤字に転じたが、15年以降、円安の恩恵で経常収支は黒字転換し拡大している。アベノミクスのバケの皮が剥げ落ち、経常収支も黒字になれば、アベノミクスのスタート時点まで円高が進んでもおかしくない。ちなみに2013年4月、黒田異次元緩和が始まったときの為替レートは1ドル=96.12円だ。100円視野という見立てはすぐそこの現実なのである。
■ほとんどの上場企業の想定為替レートは120円
そんな事態になったら、日本経済はどうなるのか。
東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏は「円安より円高の方がはるかに倒産が増えることになる」と言う。
「円高は輸出中心の製造業の利益を直撃します。輸出不況になれば、企業は自己防衛として、海外の現地生産シフトを高めていく。それが日本国内の産業の空洞化を招き、中小企業を直撃することになるのです」
日銀が4月1日に発表した短観によると、製造業の大企業が事業計画の前提としている想定為替レートは2016年上期で1ドル=117.45円だった。そこからすでに10円も円高が進んだ今、製造業のトップは気も狂わんばかりだろうが、もっとシビれる数字もある。
東証1、2部に上場する主なメーカー77社の2016年3月期決算の第3四半期以降の想定為替レートだ。
120円を想定しているのが30社、115円が25社、118円が7社、119円が5社、121円が4社。4割近い会社が120円想定なのである。
2012年に円高倒産が話題になったとき、1〜7月の円高倒産は対前年比で77.7%増となった。もっと過去をさかのぼると、1986年は623社、1987年は624社が潰れている。日本経済は地獄絵になっていく。
「黒田日銀の異次元緩和がスタートした時の円相場は1ドル=96.12円でしたが、その前年の秋、野田前総理が解散を宣言した時の為替レートは1ドル=80.20円でした。円安は異次元緩和の前から起きていたのです。解散宣言の前々週に自民党総裁だった安倍氏から『日銀を動かし3%のインフレターゲットを追求させる』と告げられたゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント会長(当時)ジム・オニール氏は安倍氏のことを“東京にいる我々の友達”と呼び円高を煽ました。しかし、ゼロ金利の日本で調達されドルに両替し新興国等で高利回りで運用する投機は手じまいされ、円が買い戻されています。円は売り越しから買い越しに転じ、その額は3月8日で8000億円とリーマン・ショック以来の水準に積みあがっています。リーマン・ショック直後の円高のピークであった2009年1月21日の1ドル=87.80円の水準まで行くことを覚悟しておくべきかもしれません」(シグマキャピタル・チーフエコノミストの田代秀敏氏)
円安の日本で株投資していた外国人投資家は円安であればあるほど、投資額は少なくて済むので、円安・株高を仕掛けた。そうしたマネーが逆回転しているのだから、彼らの思惑でどんどん円高が進むことになる。それに対して、ポチ政権は米国の顔色をうかがい、なす術なし。
しかし、それじゃあ、参院選を前にどうにもならないから、消費増税の先送りや今年度予算の前倒し執行、大型補正などの付け焼き刃対策が取り沙汰されているのである。
「結局、この政権は国民生活のことなどこれっぽっちも考えていない。米国の意向と選挙に勝つことしか頭にないのでしょう」(斎藤満氏=前出)
こんな政権を選挙で勝たせたら、バカを見るのは国民なのだ。
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