ガソリン代は地球9周分! 法と証拠に基づかず秘書をワルにして居座り! 民進党「山尾志桜里」政調会長の嘘と政治資金ミステリー 民進党の山尾志桜里政調会長が会見し、ガソリン代を地球9周分も計上していたと明かした。が、法と証拠に基づかず秘書をワルにし、自身は居座り。検察OGとは思えぬ口吻の裏に見えた嘘。そして政治資金のミステリーを追う。 中空にとまらんとする落花かな(中村汀女) 散りゆく桜への名残惜しさ、散り際の美しさを詠んだものだが、落語には「花筏(はないかだ)」という演目がある。 注目力士の花筏が病気になった。もっとも、巡業日程が迫っていたため、顔形がそっくりの提灯屋が代役に抜擢される。相撲を取る必要はなく、土俵入りの真似事だけだからと言い含められ引き受けたまではよかったが・・・・・。 翻って2016年3月末に、民主、維新が合流してできた注目の民進党は人材払底。そんな中、彗星のごとく登場したのが、他ならぬ山尾志桜里代議士だった。匿名の『保育園落ちた日本死ね!!!』ブログを待機児童問題として国会で取り上げ、当選2回ながら政調会長に大抜擢。永田町関係者の1人が、 「岡田代表が選挙の顔として白羽の矢を立てた」 と言う通り、「ヤメ検41歳」は、土俵入りの真似事ならぬ清新なイメージを振り撒くだけでよかった。しかしながらその目論見も、「ガソリン代地球5周分」報道で出鼻を挫かれたのである。 山尾女史が首筋に垂れる汗もそのままに会見を行ったのは、2016年4月6日のことだった。 「1週間お待たせしました」 「しっかり調べてきた」 殊勝かつ立派な常套句をこう重ねたが、何のことはない。その中身を精査すると、政調会長ポストへの名残惜しさばかりが際立ち、幾つかの嘘に突き当たる。 問題の会見ではまず、突出する2012年のガソリン代に触れた。収支報告書上は230万円ほどだったものが、実は約430万円にのぼると明かしたのだ。1万円以下の支出は領収書等の添付が不要とはいえ、燃費などを勘案すると、地球9周強を走破する分量に相当する。それから山尾女史は、大量に買って転売した疑惑のあるプリペイド・カードについて、こう続けた。 「収支報告書および帳簿に当たったところ、ガソリンのプリペイド・カードが大量購入された事実は存在しない。従って、カードの換金、有権者への配布という事実はないものと考える」 プリカはレシートと引き換えに事務所が代金を払う仕組み。それが月に30万円を超えていたのだが、 「私の事務所に在籍していたある秘書の在職期間とほぼ一致している」 と指摘。 ガソリンスタンドの発券機には、「不要の『レシート入れ』が備え付けられている。他の人が使用した不要のレシートを自由に持ち帰れる状況」で、事実”怪しい”レシートが「135枚あり」、そして、「この秘書が本当にプリカを購入したかどうか、現時点で疑問を持っている。必要な法的措置を取るつもりだ」という。 いわば、秘書が領収書を盗み、それを基にカネをせしめたとほぼ断定したのだった。検察庁のホームページには検事総長の言葉として、 <検察の使命は、厳正公平・不偏不党を旨としながら、法と証拠に基づき>とある。少なくとも証拠の提示なしに犯人扱いするとは、忌憚なく言ってしまえば検察OGという惹句が廃る行為ではないか。 実際に発言の真贗を検証したところ、”現場”となったスタンドの関係者によると、 「捨てられた領収書を持ち帰る人が多いので、ちょくちょく回収しています。1枚2万円のレシートが溜まったままということがあるか?いや、ないですよ」 当時を知る事務所関係者が後を受けて、 「私の知り合いはその男性秘書から、1枚2万円を1万5000円に割り引いたプリカを購入していました。”これ、重宝するんだよね”とも話していたんで、何度も手に入れていた様子。あるとき私自身が山尾との面談を希望したら、秘書が”パー券をぜひ”って言うんで買うと、そのカネを懐に入れていました。会場に入る前、彼に電話して出迎えてもらえば誰何されずに入場できるんです」 と、秘書の”錬金術”を披露する。よしんばこの実態を雇用主が知らなかったとしたら、改めて言うが元検事の肩書きは一体何なのか。そればかりか、これらガソリン代に、「政党交付金を使用していない」 とも仰る。そもそもカネに色がついているわけがなく、交付金で賄っていないと断じる根拠はどこにあるのか。 ”拠点が借りられた” 次に山尾氏が縷々述べたのは電子メールについて、発信元を米国ニュージャージー州とする迷惑なショートメールを愛知県下の自民党市議が受け取ったのは、2014年11月のことだった。それは <枝野幹事長来る!> と、総選挙における応援弁士の来訪を宣伝するもので、文末には山尾事務所の電話番号もある。それからというもの、 「20通近く変なメールが届きました。山尾さんに”メールを送ってほしい”なんて頼むはずもないし。だいたい、<当選に向け!人手が足りません>って言われても、こっちが手伝うとでも思っているんでしょうか。私のみならず我が党の仲間にも、一方的に送られていたんです」 挙句には、選挙期間中に「期日前投票」の依頼メールまで届く始末。この点を地元選管に確認すると、 「公選法違反にあたり、2年以下の禁錮または50万円以下の罰金が科せられる」 以上のことから推察されるのは、名刺交換などから知り得た個人情報の一切合財を登録し、一斉送信していた疑いだ。政調会長ご当人は会見で、送信元は自身の陣営だと認めたうえで、 「後援会名簿に手違いがあり、同意を得ていない方々が混ざっていた(中略)ショートメールには連絡先として事務所を表示していた」 と弁明したのだが、当時の秘書の携帯番号を記載したショートメールも見つかっている。 再び選管に聞くと、 「事務所の連絡先を表示していたのみでは不十分であり、これも公選法の規定に違反します」 メール内容 <枝野幹事長来る!本日18:00よりパロー瀬戸西店東側にて街頭演説開催します。是非、ご参加ください。山尾しおり事務所(056-******)> <ご家族、ご友人にもお声がけいただきこの週末ぜひ期日前投票をお願いします。 8:30〜20:00です。山尾しおり事務所(056-******)> <山尾しおり当選に向け!人手が足りません。特に「電話掛け」等お手伝いいただける方。是非担当***090-*****までご連絡ください。> <明日2/15衆院予算委にてみたび山尾しおりが安倍総理と論戦、おおよそ13:38−14:16.NHK放映ぜひご覧ください.山尾事務所> ー続けて山尾氏は、選挙区内の瀬戸市にある「さくら館」に関して説明したが、これも物足りなかった。 2013年3月にできたこの施設では、「さくら塾」と称したイベントを主催、歯科医や書家など幅広い層を講師として、地元民を聴衆にそれぞれ招き、飲食を提供している。時には1人5000円の会費を募って旅行へ出かけることもある。これらは支援者を獲得するための「純粋な政治活動」ゆえに、報告書に計上すべきだと当方は異議申し立てを行っていた。 これに対して彼女は、 「指摘を受けるまで、さくら館が総支部や後援会の事務所であるという認識に欠けていた」 と主張したが、さる民進党議員はこう証言する。 「さくら館ができる前年12月の総選挙で山尾は落選。その選挙総括では、『瀬戸の票田の重要性』を訴えている。瀬戸で票を伸ばせるか否かが当落の鍵を握っているという見方で、それは仰る通り。さらにその後の地元の幹事会で、”瀬戸に拠点が借りられた”とも言っていた。しかも貸してくれたのは当時の後援会長なんですよ」 それに加えて山尾氏のブログを遡ると、さくら館が「瀬戸事務所」としてオープンする旨ならびに、門前に佇む彼女の姿が確認できる。その表情から察すると、あたかも花筏を愛でるような充実感に満ちている。要するに、さくら館を拠点に政治活動を行っていたと見るほかなく、ならばさくら塾の内実と併せて、報告書に収支を記載する義務があるはずだ。 山尾志桜里のブログ https://www.yamaoshiori.jp/blog/2013/03/ <瀬戸事務所「さくら館」オープンへ向けて準備中> https://www.yamaoshiori.jp/blog/DSCF2848.JPG 「事実関係を確認中」 最後に、新たに浮上した疑惑に言及しよう。それは、2014年末の総選挙前にしたカネの動きである。 「選挙運動費用収支報告書」や山尾氏が長を務める「民主党愛知県第7区総支部」の報告書によれば、 平成26年11月21日 民主党→山尾氏 政党交付金からの「公認料」500万円 平成26年12月1日 山尾氏→総支部 「寄附金」500万円 平成26年12月1日 総支部→山尾氏 「選挙費用」500万円 ご覧のように、党から山尾氏へ500万円が振り込まれた後、資金移動を重ねることで彼女へ還流している。いや、還流という表現はじれったい。つまり、カネの移動がないのだ。 しかるにどうしてこんなことをしたのか。 「山尾さんから総支部へ寄附することで、申請すれば『寄附金控除のための書類』を受け取れる。そしてこれを用いて、所得税を減らすことも可能になるのです」 と、これは政治資金に詳しい浦野広明税理士の解説である。 議員歳費を2200万円とすると、そこにかかる所得税は約434万円。その一方、寄附金控除を受けた場合は約266万円で、ざっと170万円の税金を浮かすことができる。このシナリオを前提にすれば、 「実際は寄附を行っていないのに控除を受けていたとしたら、脱税が疑われる」(同) 渦中の秘書も、この”錬金術”にはびっくりだろう。 「党から彼女への公認料は非課税で、しかも税金が原資となる政党交付金から支出されている。そのうえ法を熟知する検察出身なのですから、一段と高いレベルの倫理が求められるはず」(同) さらに性質が悪いのは、500万円を政治団体ではなく個人に戻している点だ。というのもパンティー1枚買ったところで本人を除いては誰にも分からないのだから。旧民主党関係者もこう訝る。 「総支部への寄附はよくある手ですが、再び個人に戻すのは不可解。ちょうどあの頃は、”寄附金の控除については意図が見え見えだから慎むように”といったお達しがあったんですよ」 身内から出た一連の疑惑を事務所に質すと三度、 「現在事実関係を確認中」 の一言。 さて、冒頭の噺はというと、提灯屋は最後に相撲を取らざるを得なくなる。恐る恐る繰り出した両手の指が相手の鼻と目を突き、先に尻餅をつかせた。サゲは、 「さすがは提灯屋、張る(貼る)手がいい!」 こちらの”春”の椿事は、会見でボロが出て勇み足か、従って政権追求も腰砕けか。いずれにせよ土俵際である。 収支報告書平成26年分 http://www.pref.aichi.jp/senkyo/271126/x/a26x0208.pdf
|