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森喜朗公式サイトより
東京五輪組織委会長・森喜朗が五輪不祥事を報道してきた東京新聞に対して「スポンサーから外せ」と圧力!
http://lite-ra.com/2016/04/post-2148.html
2016.04.10. 森喜朗が東京新聞を五輪から外せと圧力 リテラ
今月8日、エンブレムの最終候補がようやく発表された東京五輪。しかし、当初3000億円といわれた運営費が5000億円にまで膨れる可能性が濃厚になったり、国立競技場の聖火台の設置場所がないことが発覚するなど、まだまだ問題は山積している。そんな迷走を続ける東京五輪をめぐり、かつて本サイトが指摘した事態が現実に起きてしまった。
それは、大会組織委員会会長の森喜朗氏による新聞社への圧力事件だ。
東京五輪の運営費を賄うため、組織委は企業とのスポンサー契約を進めているのだが、その中に、新聞社が含まれている。スポンサー契約はA、B-1、B-2、Cの4ランクに分けられ、全国紙には最上位はAランク15億円、ブロック紙にはB-1ランク5億円の協賛金が提示された。
今年1月22日 には、朝日新聞、日本経済新聞、毎日新聞、読売新聞東京本社の4社が契約を締結し、現在は、中日新聞、北海道新聞、西日本新聞などのブロック紙との交渉が進められている。
ところが、その交渉の中で、中日新聞社に対して組織委会長である森氏が「東京新聞を外せ」と“圧力”をかけてきたというのだ。
中日新聞社は東海地方で発行されている中日新聞に加え、東京本社では発行する東京新聞を発行している。そして、東京新聞は安倍政権への批判や原発問題などを果敢に展開することで知られ、全国紙とは一線を画したスタンスのメディアでもある。
「ようするに、中日新聞にスポンサーになってもらうが、東京新聞には、スポンサーとしての取材便宜を一切与えるな、ということだったようです。東京新聞はこの間、国立競技場などの五輪がらみの不祥事を徹底追及してきており、森会長のことも厳しく批判していた。その意趣返しということでしょう」(新聞関係者)
この問題は「週刊新潮」(新潮社)4月14日号も報じている。同誌によると、森氏はこんな横やりを入れてきたという。
「今年2月、そろそろ正式に契約を結ぶという段になって、森さんは電通を通じてこんなことを言ってきたのです。“中日新聞社のうち東京新聞は国立競技場問題などを批判的に書いてケシカラン。組織委としては、五輪に批判的な東京新聞は外して、中日新聞とだけ契約したい”と」(「週刊新潮」より中日新聞関係者のコメント)
何を虫のいいことを言っているのか、と唖然とするが、これは事実らしい。「週刊新潮」の取材に対し中日新聞の小出宣昭社長も「そのような問題は確かにありました」と認め、森氏だけでなく組織委の武藤敏郎事務総長も「スポンサーが五輪を批判するのはおかしい」と発言したことで、中日新聞はスポンサー撤退も検討されているという。
なんとも呆れた組織委の見識と体質だが、しかしこうした事態は当然予想されたことだ。
本サイトは昨年、組織委が大手新聞各社のスポンサー契約に向け動いていることを取り上げ、その上で言論機関としての問題点を指摘している。
当初、五輪のスポンサーとして読売新聞1社が独占契約を行う交渉が続いていたが、そのオフィシャルパートナー契約は少なくとも50億円といわれ、読売単独では巨額すぎた。そのため日本新聞協会がスポンサー契約をする案が浮上したが、計130社が加盟する協会では足並みが揃うことはなかった。そこで、新聞各社が個別契約することになったのだが、結果、こうした言論・メディア企業各社が東京五輪のスポンサーになることによって、五輪の不祥事や問題点をきちんと報道できるのだろうかと疑問視してきた。
実際、大手新聞社の報道はスポンサーになる以前から、五輪関連問題に関し腰が引けたとしか思えないものだった。
新国立競技場が白紙撤回され、下村博文文科相が引責辞任しても、また電通出身の槙英俊マーケティング局長と企画財務局クリエイティブディレクターの高崎卓馬氏が更迭される事態へと発展しても、その追求姿勢は鈍く、最高責任者で“戦犯”であるはずの組織委会長の森氏に対する追求など皆無だった。
特に読売新聞は顕著で、新国立競技場問題に関して、問題を矮小化し社説でもその論調は組織委サイドに立ったものだった。
そして、読売だけでなく、朝日新聞や日本経済新聞、毎日新聞といった全国4紙もまた正式にスポンサーになった今、その傾向はますます強化されていくだろう。組織委や五輪関連の問題や不祥事は姿を消し、代わって五輪に関するヨイショ記事が氾濫、パブリシティ報道が大々的に展開されることになる。
大手新聞が五輪スポンサーになることで、いみじくも森氏や武藤氏が放った「スポンサーだから五輪批判はまかりならん」という暴論が現実化されていく。そんな中、こうした森氏からの恫喝に中日新聞は反発し、スポンサー撤退も辞さないと通告したと伝えられる。
中日新聞には言論機関としての矜持をつらぬき、組織委や森会長の圧力の詳細な経緯を是非とも紙面化してほしい。権力の言論介入をこれ以上許さないためにも、だ。
(伊勢崎馨)
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