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恐るべき政治の劣化 亡国TPPに群がる“卑しい面々”
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/179148
2016年4月9日 日刊ゲンダイ 文字お越し
全容を知る甘利前担当大臣(左)は辞任/(C)日刊ゲンダイ
TPP特別委員会が紛糾している。当たり前の話だ。7日からTPP承認案と国内対策を盛り込んだ関連法案の実質審議が始まったが、政府・与党側の対応があまりにひどいからである。
自民党が提出してきた政府のTPP交渉資料は、タイトル以外すべて黒塗り。安倍首相は「出せないものは出せない」の一点張りだ。担当大臣として唯一、交渉の全容を知るとされる甘利前経済再生相は、“口利きワイロ疑惑”で大臣を辞任して以降、睡眠障害を理由にトンズラ。さらには、事務方責任者の鶴岡首席交渉官も駐英国大使に“栄転”で国外逃亡してしまった。甘利氏の後任の石原TPP担当相は、どこまで交渉内容を把握しているかも怪しく、何を聞かれても「答弁は差し控える」と逃げまくる。
誰も、何も分からない。交渉過程の資料もない。これで、何をどう審議しろというのか。野党は質問のしようがないし、何を聞いても「答えられない」では、建設的な議論などできるわけがない。
TPP問題に詳しい東大大学院教授(農政)の鈴木宣弘氏が言う。
「そもそもTPPは締結後4年間、交渉過程を明かせない秘密協定で、一部でも明かせば国家公務員法の守秘義務違反にかかる可能性がある。だからといって、あんな真っ黒の資料を平気で出してくる神経が異常です。与党も霞が関も感覚がマヒしている。よほど日本に不利な内容だから隠したいのだろうと国民は感じてしまいます。安倍首相は、口では『国民に丁寧に説明する』と言いますが、説明する気などサラサラないことが国会答弁からも分かる。要するに、審議したというアリバイ作りをしているだけなんですよ。嘘でゴマカし、説明できないと言い続けて、最後は数の力で押し通す。安保法制と同じです。今の政権は、国民に対して誠意をもって対応するという意識が完全に欠落している。国民には『大丈夫』『悪影響はない』と出まかせを言って、米国に対しては譲歩する。一体どちらを向いて政治をやっているのかということです」
■国会には資料を提出せず出版に協力
今さら言うまでもないが、TPPは農業や自動車にかぎらず、保険や医療、金融、投資など、その内容は多岐にわたり、生活を激変させるものだ。それなのに、国民には内容が一切知らされない。国会にも情報開示しない。
米国では、米通商代表部が昨年の段階で、守秘義務をかけたうえで全議員が条文案全文を閲覧できるようにし、セキュリティー許可を得た同行スタッフの閲覧も認めていた。
なぜ、日本の国会では同じことができないのか。徹底した秘密主義には、国民に知られたくない事情があるのではないかと勘繰りたくもなる。
その一方で、TPP特別委の西川委員長は、交渉の裏側を明かす本の出版を予定していたのだから、もう支離滅裂なのだ。
8日の特別委は、西川氏が出版予定の著書「TPPの真実」をめぐって、審議がストップした。本には、西川氏がTPP対策委員長として関わった秘密交渉の経緯が詳しく書かれている可能性が高い。しかも、政府関係者が資料を提出した疑いもある。国会には情報を開示しないのに、営利目的の出版に協力するのでは筋が通らない。
野党から本について聞かれた西川氏は「委員長は答弁する立場にない」とはぐらかし、石原大臣も「原稿を確認していないので答えようがない」とゴマカした。のらりくらりの時間稼ぎで、追及をかわせると考えているナメた態度が度し難い。
「TPP断固反対と言ったことはない」に驚愕
TPP合意を許してはいけない(C)日刊ゲンダイ
「西川氏は、自分がいかに重要な役割を果たしたかを誇示するために本の出版を考えたのでしょうが、農相時代にはTPPの聖域5品目に指定された砂糖、コメ、乳製品などの業界団体から手当たり次第に資金提供を受け、“違法献金”が発覚して辞任した。そういう業界との癒着が疑われる人物をTPP特別委の委員長に据えるという人事が、国民をバカにしています。それでさっそく問題を起こしているのだから、話になりません」(鈴木宣弘氏=前出)
野党は不信任動議の提出も検討している。中立公正であるべき委員長が守秘義務違反なら、辞めてもらうしかないだろう。国会には何も出せないと突っぱねる与党の言い分を援護し、自分は交渉の内幕を出版し、手柄話で金儲けを画策する。そんな委員長は解任が当たり前だ。
「いま米国では主な大統領候補がみなTPPに反対し、再交渉をチラつかせている。米国議会を通って批准できるかどうかも分からない。そんな状況で、日本側が今国会中の批准を急ぐのは、TPP関連対策費として巨額のバラマキをするためとしか思えません。TPPを口実にした選挙対策です。TPPは国のかたちが変わる大きなテーマなのですから、与党の勝手な都合で拙速に批准させてはいけない。何の材料も出さず、まともに答えないまま数の力で決めてしまおうなんて、あまりに横暴で、野党が審議を拒否するのは当たり前です」(ジャーナリストの横田一氏)
ところが自民党の高村副総裁は、8日の特別委で民進党が途中退席したことを猛批判。「選挙向けのパフォーマンス」と八つ当たりしていた。安保法制審議以降、高村の妄言は尽きない。耄碌したのか知らないが、選挙のためならTPPでも何でも利用するのは自民党の方ではないか。
■与党はまともに審議する気がない
菅官房長官も、8日の会見で野党の審議拒否を念頭に「国民の皆さんにとって関心があるのはTPPの中身だ。国会で堂々と出てきて審議を行い、TPPの状況を明らかにすることが大事だ」と言っていたが、だったら、“タフネゴシエーター”の甘利前大臣に出てきてもらうしかない。菅官房長官が言うように、国民はTPPの中身に関心がある。やましいことがないのなら、堂々と国会に出てきて、TPPの状況を明らかにすればいいのだ。
だいたい、自民党は「TPP断固反対」と言って、2012年の総選挙を戦い、政権に返り咲いたのである。TPP推進への変節の裏には何があったのか。安倍首相が前のめりになった理由は何なのか。国民の疑問に答える責任があるはずだが、安倍首相はなんと7日の特別委で、こう言い放った。「私はTPP断固反対と言ったことは1回も、ただの1回もございません」――。開いた口が塞がらないとはこのことだ。国会で、ここまであからさまな嘘を言う首相がいただろうか。この発言には、さすがの麻生財務相も目を剥いていた。
「一字一句同じ発言はしていないと強弁するのかもしれませんが、そんな屁理屈が通用するはずがない。まるで『悔しかったら何時何分何秒に言ったか証明しろ』というガキの喧嘩レベルです。安倍首相が総裁の時に『ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。』というポスターで、TPP反対を公約にして選挙を戦ったのは紛れもない事実なのです。安倍首相の嘘は今に始まったことではありませんが、メディアは自分の味方だから、嘘を言っても許される、審議拒否の野党に責任転嫁していれば国民の批判の矛先が野党に向くとでも考えているのでしょうか。そういうナメた態度で、フザケた答弁に終始していれば、まじめに審議する気がないと言われても仕方ない。審議を拒否しているのは与党の方です」(横田一氏=前出)
内実は闇の中のTPP。そこに群がる面々の卑しさを見るだけで、この条約がロクでもないものだということが分かる。安倍自民の目くらましにダマされてはいけない。
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