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自白信用性の議論の裏で切り捨てられる被害者の人権
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9Apr2016 天木直人の公式ブログ
栃木県今市市で11年ほど前に起きた少女誘拐殺人事件の裁判がメディアを騒がせている。
なぜこんなに騒がれるのか。
その理由は、明白な証拠もないのに自白だけで被疑者を有罪にできるかという司法上の大問題が絡んでいるからだ。
そして、冤罪は許されないとする人権擁護派と、犯罪者が相応の罰則を受けるのは当然だとする権力側の裁判に関する考え方の対立があるからだ。
冤罪を防ぐために取り調べの可視化が求められ、そのために取り調べの録画が弁護士の了解の下に公開されたというのに、それでもまだ論争は続く。
しかし、その陰で切り捨てられるのは被害者とその家族の気持ちだ。
こんな録画を繰り返し繰り返し報道された被害者はいたたまれなかったに違いない。
これは拷問だ。
しかし誰もその事を指摘しない。
裁判の方法をめぐって議論を繰り返す検察側も弁護側も、いわば知的強者だ。
その一方で、犠牲者とその家族は不当な犯罪の被害者という弱者だ。
強者のせめぎ合いの陰で、弱者は切り捨てられてしまっている。
再びあの惨劇の模様が再現される。
いつまで女の子とその家族を苦しめればいいというのか。
いつから日本はこんな国になってしまったのだろう(了)
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