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日米韓首脳会談で朴大統領と握手する安倍首相(C)AP
財政破綻と戦争リスクを将来世代に残すな 日本経済一歩先の真相
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/178917
2016年4月8日 日刊ゲンダイ
3月の日銀短観はとにかくヒドイ数値だった。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業・製造業でプラス6となり、3カ月前の調査より6ポイントも悪化した。悪化幅は3年3カ月ぶりの大きさ。1桁台となるのも2013年6月調査以来のことで、黒田日銀の異次元緩和スタート時の水準に逆戻りである。
3カ月後の景況感を示す先行きDIはなおいっそうの悪化を見込み、大企業・製造業でプラス3、中小企業・製造業はマイナス6だった。日経新聞は「冷え込む企業心理」と報じていたが、よほど景気が冷え込まなければ、ここまでDIは悪化しない。
四半期ごとのGDPはこれまでも2期連続で沈んだり、浮いたりの繰り返しだったが、いよいよ数期連続のマイナス成長を覚悟しなければなるまい。安倍首相が2度にわたって放った「3本の矢」はどこへ飛んで行ったのか。
4年目に入った異次元緩和も、黒田総裁が「2%の物価上昇率目標は必ず実現する」とふんぞり返っているうちに、その効果には陰りが出ている。当初の円安・株高進行はすっかり逆転。マイナス金利の導入に踏み込んでも、直近の相場は円高・株安に張り付いている。
黒田日銀も昔の発想に基づいて、金融緩和策を継続すれば円安・株高も続くと思ったに違いない。だが、グローバル時代にはかつての常識は通用しない。結果として実体経済も金融政策も完全に行き詰まってしまった。
このままでは夏の参院選は戦えない、との判断だろう。安倍首相は今年度予算の前倒し執行を指示。選挙後には、間違いなく景気対策を盛り込んだ補正予算の編成を検討するはずだ。
財源はもちろん、国債頼み。景気の低迷で消費税率10%の先送りが現実味を帯び、この調子では財政再建への入り口はどんどん遠のくばかり。その分、将来世代の負担は増していく。景気対策と称して保育施設の拡充や子育て支援に努める半面、その子たちの将来に過大なツケを回すことになりかねない。
先の訪米時の安倍首相の振る舞いも、将来の不安をかき立てるのに十分だった。ワシントンで核安全保障サミットに出席し、日米韓首脳会談ではオバマ大統領と朴槿恵大統領と一緒ににこやかに握手。米軍との一体化を強める安保関連法の施行にこぎつけたので、安倍首相も胸を張っていたが、3カ国の連携強化に北朝鮮は挑発を強めている。そう遠くない将来には、毎年の米韓合同軍事演習に「日」が加わり、日米韓合同軍事演習が展開される日が訪れることだろう。ほんとうに、これでよいのだろうか。
常にキナ臭さの漂う不安定な国際情勢を将来の世代に押し付けていいのか。それも、また過大なツケと言えよう。
高橋乗宣エコノミスト
1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。
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