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失言では片づけられない 「妄言集団」自民党の醜悪な正体
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/178430
2016年3月31日 日刊ゲンダイ 文字起こし
正体見たり(C)日刊ゲンダイ
来年度予算成立までの前半国会は、甘利前経再相の口利き辞任に始まり、ゲス不倫議員の辞職、「保育園落ちた」の匿名ブログ批判、「巫女さんのくせに」発言などなど、閣僚を含む自民党議員らの醜聞や失言がとにかく目立った。
当然、内閣支持率にも影響し、下落傾向だ。で、焦った安倍首相は、28日の自民党役員会で「おごっていると思われると国民の信頼は一瞬にして失われてしまう」と党内を引き締めたのだが、今の自民党を「おごり」や「緊張感のなさ」で片付けると、コトの本質を見誤る。
自民党議員の口から発せられる妄言、暴言の類いは、根っこのところで、どれも繋がっている。ゴロツキ政党の醜悪な正体を如実に表していると受け止めた方がいい。
その正体とは何か─―。
例えば、高市総務相の「テレビが政治的に公平性を欠いた報道をすれば、電波停止もあり得る」という発言。言論弾圧だと猛批判を浴びても高市大臣が撤回しないのは、これが本心だからである。表現の自由よりも民主主義よりも、国家権力が優先されるという思考だ。まさに高市大臣は、「表現の自由の優越的地位」という憲法の基本を答えられなかった安倍首相の忠実な僕である。
4月の補選や参院選を谷垣幹事長は「民共との戦い」と位置付け、自民党は野党統一候補を「民共合作」と攻撃するビラまで作製した一件。安倍政権は共産党について、「破防法対象」という政府答弁書まで閣議決定した。時代錯誤極まりない“赤狩り”は、選挙対策の反共キャンペーンであり、野党共闘潰しだが、それだけではない側面もある。
「これまでも共産党を封じ込めようとする時、政府が必ず持ち出すのが、『赤攻撃』と『暴力革命による武力闘争』でした。ただ、最近はあまり表に出すことがなかった。古色蒼然とした表現を持ち出すのは、安倍政権だからこそ。日本国憲法の下の平和をひっくり返そうとし、民主主義を尊重する考えがない。『権力に反抗するものは潰す』という脅し。そういう図式の中で出てきた発言だと思います」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
■「自民党改憲草案」を先取りする安倍政治
「巫女さんのくせに」という発言も、低レベルのチンピラ議員による女性蔑視と単純に捉えてはいけない。
この発言が出たのは北海道5区補選の応援先でのこと。「〜のくせに」の裏にある本音は、「神社は自民党の支援団体であり集票マシン。巫女さんは自民党を支持するのが当然」という上から目線が透けて見える。政教分離を定めた憲法20条に違反する恐れがあるのに、そんなの関係ない、というのが今の自民党だ。
もっとも女性蔑視という観点では、この政権は筋金入りだ。安倍首相は2年前、「社会保障の制度改革で、3世代の近居や同居を促しながら、現代版家族の絆の再生を進める」という趣旨の発言をしているのだ。家父長制の復活、女は家にいて子供を育てるものという考え方。そんな前時代的な家族観が横たわる。
「改憲を目指す安倍内閣は、すでに日本国憲法を捨て、戦前の明治憲法に倣ったような『自民党改憲草案』を先取りした政治をやっています。高市発言は、『公益及び公の秩序を害しない』という、表現の自由に制限を加える改憲草案21条を先取りしたもの。表現の自由は、公益、つまり政府の利益が優先されるという考えです。社会保障改革で、介護を自宅でという方向になってきていますが、これは自宅で女性が高齢者の面倒を見るということ。改憲草案24条の『家族は互いに助け合わなければならない』の先取りです」(金子勝氏=前出)
つまり、失言、暴言の根底にあるのは、安倍政権が目指す国家主義であり、戦前回帰への蠢きなのである。
宗教と政治が深く結びついた時、全体主義へ突入
13年の靖国神社参拝(C)日刊ゲンダイ
〈将来に向かって自由の制限に繋がるかもしれないどんな兆候に対しても、厳しく監視する必要があります〉
〈再び歴史の魔性に引きずられることがないために、われわれは憲法の言うように「不断の努力」をもって自由を大切にし、日本社会の活力を守ろうではありませんか〉
これは故・宮沢喜一元首相の発言である。自民党もかつてはマトモな首相がいたのだ。
ところが、今や専制君主のような首相に、上から下まで右向け右の自民党だ。そこに権力に対する謙虚さは微塵もない。
特に安倍政権になってからの3年間の右傾化のすさまじさ。反韓や反中を煽って、国民の愛国心を呼び覚ます。そのバックには、政権と一体化して安倍首相をサポートする日本最大の右翼組織「日本会議」の存在がある。
先日、朝日新聞が「日本会議研究」を連載していたが、〈いまほど日本会議が政権中枢と接近し、注目された時代はなかった〉と書いていた。政権との蜜月を背景に、日本会議は憲法改正を“牽引”する役回りだ。
改憲のための国民投票を見据え、すでに全国で「1000万人」を目標とする改憲賛同の署名運動を進めている。最前線で運動するのは、神社本庁だ。
「日本会議の中枢は宗教団体の『生長の家』出身者です。自民党の支援団体である神社本庁と一緒になって、願わくば『国家神道の復活』を目指している。現在の平和憲法下では、神社は単なる宗教法人のひとつに過ぎませんが、憲法改正により、天皇制を復活、9条を破棄して、再び軍国主義国家に戻す。そういう究極の願望を持っているのです」(政治評論家・本澤二郎氏)
■75年前と同じ歴史が繰り返される
今月13日、安倍首相は自民党大会の後、「日本会議」の地方議員連盟の総会にわざわざ顔を出した。昨年11月に日本武道館で行われた「日本会議」の1万人大会にもビデオメッセージを寄せている。いかに「日本会議」を大事にしているかの証左だが、政治と宗教の接近ほど恐ろしいものはない。2月末に本紙の「注目の人直撃インタビュー」に登場した中島岳志・東工大教授が、次のように激しく警鐘を鳴らしていた。
〈偏狭な愛国心が、宗教と深く結びついたときになにが起こるのか。戦前の日本では、国家神道などの宗教が、天皇や日本という祖国を信仰の対象とすることで、ナショナリズムを過激化させ、全体主義の時代になだれ込んでいき、大きな戦争にまで突入していきました〉
中島氏は“75年周期論”とも呼べるような歴史の繰り返しを主張している。明治維新から太平洋戦争突入までが75年間。戦後から現在が70年間。ほぼ同じ年月を似たような歴史過程で歩んでいるというのだ。さらに75年を25年ごとに3つの時代に区分すると、現在は第3期。戦前に照らし合わせると、こんな時代だ。
〈恐慌があり、血盟団事件、五・一五事件、二・二六事件などテロ事件が相次ぎ、全体主義にのみこまれていった。このときドライブをかけたのが、国家神道などと結びついた宗教ナショナリズム、いわゆる「国体論」です〉(中島岳志氏)
歴史は繰り返すのか。背筋が寒くなる話ではないか。ここまでで明らかなように、自民党の失言、暴言を軽く見てはいけないし、「女性活躍」などの安倍首相の奇麗事に惑わされてはならない。
戦前回帰を標榜する宗教と結びついた安倍政権を止めなければ、この国が暗黒の時代に逆戻りすることになるのは間違いない。
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