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“政党オーナー”橋下徹氏に冠番組 テレ朝問われる報道姿勢
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/178035
2016年3月26日 日刊ゲンダイ
テレ朝は知名度維持に利用される(右は橋下氏)/(C)日刊ゲンダイ
前大阪市長の橋下徹氏(46)の8年ぶりのバラエティー復帰番組「橋下×羽鳥の新番組始めます!」(テレビ朝日系)が23日放送されたが、平均視聴率は9.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。市長から即、視聴率男にはなれなかった。
「相方に人気の羽鳥慎一アナを起用し、ゴールデン帯で3時間にわたり放送したからには最低でも視聴率12%以上は欲しかった。4月から月曜深夜でレギュラー化されますが、苦戦は必至です」(民放関係者)
それにしても、あの橋下氏が何食わぬ顔でバラエティーに出演することに違和感を覚えた視聴者も多いはず。23日の特番では愛妻家をアピールするなど、必死に“いい人”を演じていたが、ついこの間までマスコミを敵視し、恫喝めいた発言を繰り返していた男だ。いくら愛嬌を振りまいたところでウサンくさい。
さらに気になったのは“政治色”。番組冒頭、参院選出馬について橋下氏は「それやったら、ホントもう、人間としてダメです。ないです」と否定したが……。
「橋下氏は現在おおさか維新の会の『法律政策顧問』のポストに就いており、『政界引退』どころか国政政党の“事実上のオーナー”として君臨しています。参院選に向けた党の公約や政策を話し合う会議に参加したり、先日は憲法改正について『今度の参院選がワンチャンスだと思っている』と非公開の講演で語ったことも報じられました。彼は『私は民間人』と繰り返しますが、今も政界に片足を突っ込んでいるのは厳然たる事実です」(政治評論家の伊藤達美氏)
テレ朝もテレ朝だ。橋下氏の目的はミエミエだろう。
「テレビに出ることで知名度を維持したいのでしょう。お金を稼ぎたいなら弁護士活動に専念すればいい。当然、テレ朝だって彼の不純な動機を承知しているはず。“政治的公平”に反していると思うし、ある意味、両者は共犯関係ですよ」(伊藤達美氏)
安倍首相の悲願である改憲の補完勢力として、おおさか維新は大事な存在だ。そんな政党の“事実上のオーナー”に冠番組を持たせたテレ朝は報道機関としてどうかしている。上層部が官邸に睨まれることを恐れ、安倍政権の顔色ばかりうかがっていると疑われても仕方あるまい。
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