http://www.asyura2.com/16/senkyo203/msg/219.html
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「自己責任」と「過失責任」は法律学の基礎。自己責任とは「自分のやったことしか責任を負わないこと」
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/0ed971f950540f8e1d087a1c949ebf2a
2016年03月20日 | 人権保障と平和 Everyone says I love you !
ツイッターは炎上しやすいSNSだそうですが、私の場合はこの人徳のおかげで(笑)、文句を言ってこられるような方はめったにいらっしゃいません。
ちゅうか、フォロワーが少なすぎて世間から気づかれていないだけ?
ただいま毎日面白いニュースを見つけてコメント付きでツイートしていますので、ぜひ、フォローしてやってください!@raymiyatake
さて、そんな平穏な毎日の中、ちょっと異変が起きたのは一昨日次のブログ記事を書いて、ツイッターでも流してからのことでした。
菅官房長官が、安田純平さんの「身代金要求知らない」「払わない」。また日本人を見捨てる気か。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/a5fddb3792bc7554c930031e8421efb7
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安保法案を通す時だけは、あれほど邦人救出と言っていたのに→菅官房長官が、安田純平さんの「身代金要求知らない」「払わない」。また日本人を見捨てる気か。 https://t.co/sAgBkhAh9U @raymiyatakeさんから pic.twitter.com/gmPB6QFG9h
— 宮武嶺 (@raymiyatake) 2016年3月17日
これに対して次のようなダイレクトメッセージをいただいたのですが、うちのブログもおかげさまでたくさんアクセスをいただくようになり、そのまま載せるとご迷惑をかけるかもしれませんので、書き写してご紹介します。
「国は危ないからと行ってはならないと注意喚起していましたが、安田氏は無視し現地に行きました。
それでつかまってしまい身代金を払う義務はないと思います。
安田氏のご家族親族の方が払うのなら話はわかりますが・・・。
宮武氏の発言は無責任に思います」
ごく感じのいい、素朴な反応なんですが、それだけに多くの市民の方々の一方の感覚を代弁なさっているような気がして、目の前が暗くなる思いでした。
思えば、イラク戦争の時に、戦争を止めに入った3人の若者が現地の武装勢力に拉致され人質になった時に、日本中で嵐のように吹き荒れた「自己責任論」の嵐。日本が急速に変わった、いやその本質を露呈した瞬間でした。
私は
「拉致した人間は誘拐の犯罪者であり、人質はまず第一に犯罪の被害者なのに、むしろ被害者を責める。日本人はこんなにも品性がダメになってしまったのか」
と驚き呆れるとともに、自己責任という法律用語が全く間違って使われたことに愕然としました。
これは在りし日の後藤さん。自分の生き方として自己責任を原則にするのと、国家が国民に対してそれを言うのとは全く違う。
ここからが宮武嶺先生の法律学入門講座で、ガラッと雰囲気を変えてお伝えしていきます(笑)。
自己責任と過失責任は近代市民社会の法律関係の基礎中の基礎である「私的自治の原則」を具体化した二大原則です。
封建社会を打破した理性ある自由な市民が、自分たちのことは自分で決めていくというのが私的自治の原則。
その中で、人はどういう場合に法的責任を負うのか、私的自治の原則を裏側から定義したのが自己責任と過失責任です。
まず、過失責任は過失のある人しか責任を負わないってことですね。契約責任にしても不法行為責任にしても何かその人に故意過失という問題があるから損害賠償義務を負わされるのです。
次に、自己責任とは自分のやったことしか責任を負わないってことです。当たり前ですが他人のやったことの責任まで負わされるようでは、安心して生活できないからです。
これは大事な原則で、たとえば最近判決のあった認知症の家族が徘徊して電車を止めた場合に、遺された家族は電鉄会社にソンガイ賠償義務を負うかという問題に関連してきます。意思無能力者の監督義務者は責任を負うという民法の規定は自己責任の例外というか、拡張ですね。
判決では、高齢で自分も要介護のお連れ合いは監督義務者ではなく、責任は負わないとしました。これは法律の基礎から考えると、自己責任の原則に立ち戻ったとも評せます。
さて、もうお分かりいただけたでしょう。
自己責任という
「自分のやったことしか責任を負わない」
という言葉が、いつの間にか
「自分のやったことは全部自分で責任を負わないといけない」
という全く違った意味でつかわれるようになってしまっていることを。
そんなことは不可能だから、人は社会的動物と言われており、国家も形成して納税もしているのですが、いざとなると国家の方が無責任になり、個人が自己責任と言われるのです。
挙句の果てにこんなことを言い出す人まで。納税者の権利はどこに行ったのか。この人は新自由主義経済評論家池田信夫氏が主宰するアゴラ研究所の中でも最もたちの悪い一人です。
先ごろ、沖縄戦で亡くなった人たちの遺族の方々が日本という国家に損害賠償請求を求めた裁判で、裁判所が
「戦前の日本は国家無答責といって、今の国家賠償法のような法律がなく、国家は何をしても国民に責任を負わない体制になっていたので、原告らの請求は認められない」
というとんでもなく冷たい判決が出ました。
戦前から現代にいたるまで、一人一人の個人には自己責任が認められ、国家は徹底的に無責任な世の中。
海外にいる法人を保護するのは国際法上・国内法上の国の法的義務であることさえ忘れられている。
皆さん、本当に、自分のやったことは全部自分で尻を拭く、そんな強さを持っているんですか。
国民はそれでいいんです。
誰が私を「人質」にしたのか―イラク戦争の現場とメディアの虚構
安田 純平 (著)
PHP研究所
武装勢力に拘束され、「人質」と呼ばれた著者。現場に存在した事実とメディアの虚構が交錯するなかで、彼が見た真実とは何だったのか?
ルポ 戦場出稼ぎ労働者 (集英社新書)
安田 純平 (著)
集英社
現代の民営化が進む戦争では、世界中の貧しい人々が集められ、基地や建設現場などの危険地帯に派遣され、労働者として働いている。こうした出稼ぎ労働者なしでは、もはや軍事的なオペレーションは、成立し得ないのだ。著者は自ら出稼ぎ労働者となり、イラク軍基地訓練施設に単独で潜入した。グローバル化世界における、世界の貧困を前提にした戦争ビジネス、その実態に迫った貴重なルポルタージュ。
囚われのイラク―混迷の「戦後復興」
安田 純平 (著)
現代人文社
イラクで武装グループに拘束されたジャーナリスト・安田純平は、拘束の3日間に何を体験したのか。つぶさな現地取材をもとに「戦場イラク」の現実を報告する。
規制緩和という国家無責任体制を構築した小泉内閣の下、個人の自己責任論の暴風が吹き荒れたのは偶然ではなかったと思います。
自己責任論を振りかざす人は、自分が国家に対してもともと有していた請求権を放棄している、つまり大損こいていることに気付いているのでしょうか。
この項、続く!
【ジャーナリスト拘束】安田さん映像か 度重なる拘束も…現地取材に強いこだわり
http://www.sankei.com/affairs/news/160318/afr1603180016-n1.html
2016.3.18 10:22 産経新聞
安田純平さんの主な活動
安田純平さんは平成9年に信濃毎日新聞社(長野県)に入社後、休暇を使ってアフガニスタンやイラクを訪れたことを契機に、紛争地域での現地取材を志願するようになったという。
15年にフリーに転向してからは、イラクを中心に取材活動を本格化。民間人がいることを知らせて攻撃を思いとどめさせる「人間の盾」に参加する形でバグダッド入りし、イラク軍や地元警察に複数回拘束されながら、フセイン政権の崩壊まで取材を続けた。
16年4月、バグダッド郊外で市民団体メンバーの日本人男性とともにスパイ容疑で武装組織に一時拘束された際は、退避勧告が出ている危険地域へ入っていたことで「自己責任論」が浮上した。
その後も「インターネットだけでは決して手に入らない情報がある」として、クウェートやイラクなどの現場での取材にこだわり続けた安田さん。昨年、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)に後藤健二さんらが拘束されているのが発覚した際は、「どれだけ太い取材ルートがあっても外国人というだけで通報され拉致される可能性がある。日本人は風貌が違うのでターゲットになりやすい」と話していた。
安田さん拘束か 無事救出へ努力重ねよ
http://www.topics.or.jp/editorial/news/2016/03/news_14582604118795.html
徳島新聞社説 2016年3月18日つけ
何としても生きて帰ってきてほしい。
内戦が続くシリアに入国した後、行方不明になったジャーナリスト安田純平さんとみられる男性の映像が、フェイスブック上で公開された。
公開したシリア人男性は、国際テロ組織アルカイダ系「ヌスラ戦線」が安田さんを拘束し、身代金を要求して日本政府に交渉を求めているが、日本側は応じていないと主張している。
事実とすれば断じて許されないことだ。罪のない人を捕らえ、金を求める卑劣な行為を強く非難する。
犯行組織は安田さんに危害を加えることなく、家族や仲間が待つ日本に即刻戻すよう求めたい。
安倍晋三首相は、情報収集や映像分析に万全を期すよう関係閣僚や機関に指示した。
昨年初め、ジャーナリスト後藤健二さんら邦人2人が、過激派組織「イスラム国」(IS)に惨殺された記憶は今も生々しい。その反省を踏まえて、救出に全力を挙げてもらいたい。
安田さんは昨年6月、取材目的でトルコ南部からシリアに入り、北西部イドリブ県で行方が分からなくなった。ヌスラ戦線が掌握し、支配地域を固めている県である。
専門家によると、ヌスラ戦線は対立する勢力やシリア軍兵士、シリア政府の支持者らを拉致、殺害してきたものの、拘束した外国人を殺した例はほとんどないという。
さらに、残虐な殺害を繰り返すISに比べて、交渉を重視しているともいわれる。
希望が持てる話だが、予断は禁物である。拘束したのはヌスラ戦線を自称する地元の犯罪集団だとの見方も根強い。正確な情報収集を急ぎ、最悪の事態を防がなければならない。
安田さんとみられる男性は映像の中で、日本政府への明確な要望は発しなかったが「痛みに苦しんでいるのに」「誰も反応してくれない」と話した。解放交渉に乗り出さない政府にいらだつ犯行組織のメッセージを、代弁させられたとも考えられよう。
ただ、不法な要求に応じるわけにはいかない。ヌスラ戦線にはカタールが影響力を持っているとされる。日本政府は関係国や地元有力者らの協力を得ながら、粘り強く状況を打開する必要がある。
自ら危険な地域に向かった安田さんに対して、自己責任を問う声もあろう。だが、現場に行かなければ見えてこない事実がある。
シリア内戦では、一般市民を含む約27万もの人々が死亡している。その実相を世界に伝え、問題を提起しているのは現地に入ったジャーナリストだ。「戦争のリアリティーを伝え続ける」と話していた安田さんの意志を、重く受け止めたい。
折から、内戦の政治的解決を目指す国連仲介の和平協議が再開されたばかりだ。これを成功させ、流血の悲劇を終わりにしなければならない。
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