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何が女性活躍だ アナクロ首相の「女性観」を検証する
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/177395
2016年3月16日 日刊ゲンダイ 文字お越し
舌先三寸(C)日刊ゲンダイ
これまでの著作やトンチンカン政策でハッキリしている「本音は女性蔑視」内閣の時代錯誤の女性観を今こそ復習、網羅する必要がある。極右の戦前回帰派閣僚を揃えた内閣が今さら「女性活躍」で騒ぐ怪しい思惑とにわか仕立ての大誤算
「子供を産み育てる若い家族を取り巻く環境を、もっと温かく配慮に満ちたものにしなければならない」
ママたちの怒りに恐れをなしたのか、「保育園落ちた日本死ね!!!」のブログに端を発する待機児童問題で、安倍首相が急に「女性の味方」みたいなことを言いだしている。
参院予算委で連日、この問題が取り上げられ、安倍は「待機児童ゼロに向けて施策を進めていきたい」と殊勝な答弁を繰り返す。これまで待機児童問題には見向きもせず、「保育園落ちた」ブログの件も、当初は「匿名である以上、実際起こっているか確認しようがない」と切り捨てたくせに、嘘みたいな豹変ぶりだ。
しまいには、「叙勲において、保育士や介護職員を積極的に評価していくことについても検討していきたい」なんて言いだした。
「勲章を与えれば国民が喜ぶと考えているとしたら、どれだけトンチンカンな上から目線なのでしょう。どう考えても、勲章より給料アップです。低所得の高齢者に3万円ずつ配る予算があるのなら、なぜそれを保育士の給料増に回せないのか。結局、この政権は待機児童の問題に関心がないのです。今は選挙前だから美辞麗句を並べているだけで、これまでの動きを見れば、育児問題に本気で取り組む気があるとは思えない。今さら女性の味方ヅラされても、しらじらしいとしか言いようがありません」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)
■世襲政治家に働く苦しみは分からない
14日の予算委では自民党の藤井基之参院議員も、安倍への質問で「『保健所』落ちたよ、これでは仕事が続けられないよ、という差し迫った声が広がっている」と言っていた。安倍の「保健所」発言が物議を醸した直後に、同じ轍を踏む。自民党の真剣味のなさが見てとれる。
ブログ問題で「一体、誰が書いたんだよ、それ!」とヤジを飛ばした平沢勝栄衆院議員も、テレビ出演した際に「これ、本当に女性の方が書いた文章ですかね?」とイチャモンをつけた。女性は常にしおらしく、美しい言葉遣いをしなければならないのか。どんな女性観を引きずっているのか。これでは、政府がどんなに「働くお母さんたちの気持ちを受け止める」とか言ったところで、素直に信じろという方が無理だ。
「しょせんは世襲のボンボン政治家の集まりで、おカネがあって、奥さんは専業主婦。生活のため子供を預けて働かねばならないのに保育所が見つからない大変さなんて、経験したことがないし、庶民の苦しみは想像もつかないのでしょう。たまに育休を取ろうなんて言う議員が出てきたかと思うと、不倫問題で辞職してしまうし、すべてが口から出任せです。そもそも女性は家庭を守るものというのが安倍首相の家族観でしょう? 安倍政権は、これまで要介護1でも特養に入れた制度を改めて、要介護3以上の中重度者に絞る方針を打ち出した。軽度なら家庭で面倒を見ろということです。子供を産み育て、親の介護をするのも女性の役目。そうやって家庭に負担を押し付けておいて、労働人口が減ったから女性も働いて活躍しろ、税金も納めろと言いだす。どこまで庶民をバカにしているのかと言いたいですね」(荻原博子氏=前出)
経済的に不安定な非正規雇用では、子供をひとり産み育てるのも大変なのに、今では非正規労働者の約7割が女性という事実。安い労働力として女性を都合良く使おうと、労働者の非正規化を推し進めているのが安倍政権だ。
女性が輝けない主要国最低のジェンダーギャップ
女性は「利用」されるだけ(C)日刊ゲンダイ
安倍は昨年9月、国連本部で開かれた女性の活躍に関する会合でスピーチし、「総理就任以来、女性の輝く社会の実現を政策の大きな柱に据えてきました」「この3年間で、新たに90万人を超える女性が労働市場に参加しました」と威張っていたが、作家の斎藤美奈子氏は、東京新聞のコラムで「冗談はよしこさん」とバッサリ。こう書いていた。
〈母子家庭などの生存にかかわる生活保護費を削減、女性労働者の六割を占める非正規雇用者を追い詰める改正労働者派遣法を通し、介護保険制度を後退させといて「女性が輝く社会」とはね〉
安倍はかつて「3年間抱っこし放題」と育休延長を打ち出してひんしゅくを買ったこともあるが、働く女性の実態が分かっていないから、こういうトンチンカンな政策が出てくる。家計やキャリアを考えたら、3年間も休んでいられない。だから保育所が必要なのに、足りない。その切実な問題には頬かむりで放置してきた。
世界経済フォーラムが毎年発表している「グローバル・ジェンダー・ギャップ・リポート(男女平等度ランキング)」の2015年度版で、日本は145カ国中101位という低評価。主要国では最低である。
「安倍首相は口では『女性の活躍』と言いますが、実際にやったことといえば、女性を閣僚に起用して話題づくりに使ったくらい。女性を利用して政権浮揚の材料にしようという魂胆だけで、それは裏を返せば一種の女性蔑視です。もともとが男尊女卑思想の持ち主ですから、どんなに聞こえのいいことを言われても、女性は騙されてはいけません。これほど女性を大事にしない政権はないのです」(政治評論家・本澤二郎氏)
■家父長制を賛美して戦前に巻き戻す
安倍の著書「美しい国へ」の中には、のけぞるような時代錯誤の家族観が書かれている。たとえば、少子化については、こうある。
〈従来の少子化対策についての議論を見て感じることは、子どもを育てることの喜び、家族をもつことのすばらしさといった視点が抜け落ちていたのではないか、ということだ。わたしのなかでは、子どもを産み育てることの損得を超えた価値を忘れてはならないという意識がさらに強くなってきている〉
非正規雇用で結婚や出産は経済的に負担が重い、夫と妻どちらか片方の収入だけでは暮らしていけない、出産後も働かなければならないが保育所に入れられない――そういう庶民の実態と懸け離れた理想像を語るのだ。
〈同棲、離婚家庭、シングルマザー、同性愛のカップル、そして犬と暮らす人……どれも家族だ、と教科書は教える。そこでは、父と母がいて子どもがいる、ごくふつうの家族は、いろいろあるパターンのなかのひとつにすぎないのだ〉と多様性に疑問を呈し、〈子どもたちにしっかりした家族のモデルを示すのは、教育の使命ではないだろうか〉と言う。
「父と母と子という形が『しっかりした家族』というのは、安倍首相のバックにいる極右団体・日本会議の価値観そのものです。女性は家庭を守るべしというのが基本路線で、自民党の憲法改正草案にも『家族は互いに助け合わなければならない』という項目がある。戦前の家父長制を賛美しているのが日本会議で、安倍政権の閣僚は日本会議のメンバーでほとんど占められている。こういう前時代的な内閣が、女性の活躍を語るのはチャンチャラおかしいのです。今回の待機児童の問題で、にわか仕立ての『女性活躍』政策の欺瞞が一気に露呈した。さすがに世の女性たちも、この政権の正体に気づいたのではないでしょうか」(本澤二郎氏=前出)
直近の世論調査で、毎日新聞では11ポイントもマイナスになるなど女性の内閣支持率が急落しているのは、当然という気がしてくる。むしろ、遅すぎたくらいだ。
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