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2016-03-11 09:22:38
今日3月11日の社説は、朝日が「震災から5年 心は一つ、じゃない世界で」、読売は「復興総仕上げへ 再生への歩みを確かなものに」でした。前日のものを見ると、朝日は「原発事故から5年 許されぬ安全神話の復活」で、読売は「慰安婦巡る日韓合意の曲解だ」と「高浜差し止め 判例を逸脱した不合理な決定」の2本立てとしました。このように、両紙は全く別の観点で社説を書いていますが、よく分かるのは、朝日はまずまず「5年間の原発総括」が出来ているのに対し、読売はそこを全く外しています。読売は、「原発の総括」などは、全く関係がない、という態度です。
朝日は、本日の紙面でも「大災害一般」ではなく、原発事故一色に向き合いました。そして、「心は一つ」ではない世界とどう向き合うか、つまり、原発の内側にある人間とそうでない人間との「支え合い」「つながろう」、そして「絆」をどう修復するか、「互いにわからない」ことから出発し、対話を重ねていくほかない、としました。「被災地からの発信を一人ひとりが受け止め、返していくことから、もう一度始めたい、という結論です。
今回の社説は、両紙とも触れられていない問題があります。それは、東電の大事故が全く触れられていないことです。いまでも、日々に原発の議論は行われているようですが、いまは結局、政権側が極めて優れた立場に代わっており、良心的な人々の「原発反対、原発再稼働阻止」は少し衰えています。
例えば、新潟の柏崎刈羽原発に対しては、東電の社長らが新潟県の泉田裕彦知事に対して、“生命が危ないよ”と言わんばかりの脅しをかけています。そして、九州電力の川内原発についても、地元鹿児島の伊藤祐一郎知事は大賛成で、すでに現在2基がうごいています。
すでにあの事故から5年たちましたが、東電の復興事業への遅れは目をおおわんばかりです。東電の事故への補償と、そして事故を起こさないための「原発阻止」を掲げなければなりません。
朝日も読売も、この日の社説の意味を忘れているのかもしれません。
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