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「3.11」の5年間の原発被害を、朝日と読売の社説はどう総括したか(生き生き箕面通信)
http://www.asyura2.com/16/senkyo202/msg/643.html
投稿者 笑坊 日時 2016 年 3 月 11 日 15:02:23: EaaOcpw/cGfrA j86WVg
 

http://blog.goo.ne.jp/ikiikimt/e/691f1598a3832697394ed94c6fca4ac9
2016-03-11 09:22:38

 今日3月11日の社説は、朝日が「震災から5年 心は一つ、じゃない世界で」、読売は「復興総仕上げへ 再生への歩みを確かなものに」でした。前日のものを見ると、朝日は「原発事故から5年 許されぬ安全神話の復活」で、読売は「慰安婦巡る日韓合意の曲解だ」と「高浜差し止め 判例を逸脱した不合理な決定」の2本立てとしました。このように、両紙は全く別の観点で社説を書いていますが、よく分かるのは、朝日はまずまず「5年間の原発総括」が出来ているのに対し、読売はそこを全く外しています。読売は、「原発の総括」などは、全く関係がない、という態度です。

 朝日は、本日の紙面でも「大災害一般」ではなく、原発事故一色に向き合いました。そして、「心は一つ」ではない世界とどう向き合うか、つまり、原発の内側にある人間とそうでない人間との「支え合い」「つながろう」、そして「絆」をどう修復するか、「互いにわからない」ことから出発し、対話を重ねていくほかない、としました。「被災地からの発信を一人ひとりが受け止め、返していくことから、もう一度始めたい、という結論です。

 今回の社説は、両紙とも触れられていない問題があります。それは、東電の大事故が全く触れられていないことです。いまでも、日々に原発の議論は行われているようですが、いまは結局、政権側が極めて優れた立場に代わっており、良心的な人々の「原発反対、原発再稼働阻止」は少し衰えています。

 例えば、新潟の柏崎刈羽原発に対しては、東電の社長らが新潟県の泉田裕彦知事に対して、“生命が危ないよ”と言わんばかりの脅しをかけています。そして、九州電力の川内原発についても、地元鹿児島の伊藤祐一郎知事は大賛成で、すでに現在2基がうごいています。

 すでにあの事故から5年たちましたが、東電の復興事業への遅れは目をおおわんばかりです。東電の事故への補償と、そして事故を起こさないための「原発阻止」を掲げなければなりません。

 朝日も読売も、この日の社説の意味を忘れているのかもしれません。

 

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コメント
 
1. 日高見連邦共和国[580] k_qNgoypmEGWTYukmGGNkQ 2016年3月11日 15:15:45 : C7Wqvb1wZA : tDwH8L7NsPc[521]

ある意味で極論だが、岩手は宮城のコトはどーだっていい。

達増知事をリーダーとして、貧しいながらも岩手はしっかり着実に進んでいくしかないし、
宮城は宮城で、“自称・富県(富んだ県)宮城”で、企業やセイガクさんも一杯いるんだから勝手にやれ。

問題は福島だ。無関心が呼び込む、半ば“棄民政策”のような政府の暴挙を許してはならない!

そして、フクイチ事故の“真の原因究明”と、“原子力発電(推進政策)”への総括をし、その上で、
この国が『進んでいくべき道筋』を、ちゃんと議論し、合意し、その上で歩いて行かなければならないのだ。

そうでなければ、日本人を代表して“艱難辛苦”を一手に引き受けてくれている福島の方々に申し訳ないじゃないか・・・


2. 2016年3月11日 16:22:22 : c4xymQ0q9w : 05b5WGUU6pg[10]
震災から5年 心は一つ、じゃない世界で
2016年3月11日(金)付 朝日新聞社説

 戦後最大の国難といわれた東日本大震災と福島第一原発の事故が起きた「3・11」から、5年がたつ。

 宮城県や岩手県の海沿いでは工事の音が鳴り響く。だが、暮らしの再建はこれからだ。福島県をはじめ、約17万人が避難先での生活を強いられている。

 震災と原発事故は、今もなお続いている。被災地から離れた全国で、その現実感を保つ人はどれだけいるだろう。

 ■深まる「外」との分断

 直後は、だれもが被災地のことを思い、「支え合い」「つながろう」の言葉を口にした。年の世相を表す「今年の漢字」に、「絆」が選ばれもした。

 あの意識ははたして本物だったろうか。被災地の間ではむしろ、距離が開いていく「分断」を憂える声が聞こえてくる。

 住み慣れた土地を離れる住宅移転。生活の場である海と陸とを隔てる防潮堤。「忘れたい」と「忘れまい」が同居する震災遺構。それぞれの問題をめぐり地元の意見は割れてきた。

 人間と地域の和が壊れる。その痛みがもっとも深刻なのは、福島県だ。

 放射線の影響をめぐり、住民の価値観や判断は揺れた。線量による区域割りで東京電力からの賠償額が違ったことも絡み、家族や地域は切り刻まれた。

 ささくれだつ空気の中で、修復を求めて奔走する人たちはいた。無人の町を訪問者に案内したり、自主避難者向けに福島からの情報発信を始めたり。さまざまな活動が生まれた。

 南相馬市の番場さち子さんもその一人だ。医師と一緒に放射線についての市民向け勉強会を80回以上重ねた。まずは正しい知識を得る。それが今後の生活の方針を納得して選び、前向きになる支えになると考えた。

 番場さんらがいま懸念するのは、5年にわたる苦悩と克服の歩みが、被災地の「外」に伝わらず、認識のギャップが広がっていることだ。

 「福島県では外出時にマスクは必要か」「福島産の米は食べられるのか」。県外から、そんな質問が今も続く。

 空間線量や体内の被曝(ひばく)の継続的な測定、食材の全量検査、除染作業などさまざまな努力を重ねた結果、安全が確かめられたものは少なくない。だが、そうした正常化された部分は、県外になかなか伝わらない。

 郡山市に住む母親は昨年、県外の反原発活動家を名乗る男性から「子供が病気になる」と非難された。原発への否定を無頓着に福島への忌避に重ねる口調に落胆した。「まだこんなことが続くのか」

 ■「言葉」を探す高校生

 時がたてば、被災地とほかとの間に意識の違いが生じるのは仕方のないことでもある。

 だが、災害に強い社会を築くには、その溝を埋める不断の努力が欠かせない。いま苦境と闘う人と、そうでない人とは、いつ立場が変わるかも知れない。

 福島の人びとが「この5年」を外に知ってほしいと思うのは、原発事故がもたらす分断の実相と克服の努力を全国の教訓として共有すべきだと考えるからでもある。

 模索は続いている。

 福島県広野町に昨春開校した県立ふたば未来学園高校では必修科目に演劇を組み入れる。

 指導する劇作家の平田オリザ氏が生徒たちに課したのは、「立場の違いによるすれ違いや解決できない課題をそのまま表現する」こと。

 授業の冒頭、平田氏は言う。「言っとくけど、福島や君たちのことなんて世界の誰も理解なんてしてないからね」

 関心のない人に、どうやったら自分の思いが伝わるか。それは同時に、自分が他者の思いを想像できているかを自問することにもなる。

 番場さんは、福島担当の東電役員を招いた勉強会も始めた。事故を起こした東電とあえて交流するのは、最後まで福島の再生に努める責任を負っている相手のことを知るためだ。

 この世は、「心は一つ」ではない。歴史をみれば、分断はいくつも存在した。原爆に苦しんだ広島と長崎、水俣病など公害に侵された町、過大な米軍基地を押しつけられた沖縄――。

 重い痛みを背負い、他者との意識差に傷つき悩みながら闘ってきた全国の地域がある。いま、そうした地域と福島とで交流する催しが増えている。

 ■伝わらないことから

 住む場所も考える問題も違う人間同士が「つながる」ためには、「互いにわからない」ことから出発し、対話を重ねていくしかない。

 「伝えたい気持ちは、伝わらない経験があって初めて生まれる。その点で、震災と助け合いと分断とを経験した被災地の子どもたちには、復興を担い、世の中を切りひらく潜在的な力がある」と平田氏は言う。

 被災地からの発信を一人ひとりが受け止め、返していくことから、もう一度始めたい。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_gnavi


3. 2016年3月11日 16:23:58 : c4xymQ0q9w : 05b5WGUU6pg[11]
復興総仕上げへ 再生への歩みを確かなものに
2016年03月11日 読売新聞社説

 ◆将来見据えて事業の見直しを

 東日本大震災から5年の節目を迎えた。

 死者・行方不明者は計1万8455人に上る。犠牲になった方々の冥福を改めて祈りたい。

 政府は、今月末までの5年間を「集中復興期間」と位置づけ、被災地のインフラ復旧や住宅再建を進めてきた。だが、復興への歩みは順調とは言えない。今も約17万人が避難生活を送る。

 新年度からは、5年間の「復興・創生期間」に移行する。政府の復興推進会議は10日、その基本方針を決定した。

 ◆住まいの再建にメド

 安倍首相は「希望に満ちあふれた東北を創り上げる」と強調した。復興の総仕上げへ、これまでの取り組みを検証し、被災地の再生に万全を期さねばならない。

 復興の大前提は、安定した生活拠点の回復である。

 今月末で59%になる復興住宅の完成率は、来年3月には85%にまで上昇する見通しだ。高台などへの集団移転地の造成も、1年後には計画の70%が完了する。遅れていた住宅再建に、ようやく一定のメドがつくと言えよう。

 移転先でのコミュニティーの再構築は、今後の重要な課題である。既に入居が始まっている復興住宅の一部では、高齢の住民の孤独死も確認されている。

 地元自治体は、仮設住宅で住民同士の交流会開催や入居者の見守り活動に取り組んできた。生活拠点が変わっても被災者が孤立しないよう、支援の充実が必要だ。

 震災直後に発足した政府の復興構想会議の議論では、「創造的復興」という理念が強調された。単なる復旧にとどめず、地方再生をリードするような復興を図る、との意味合いだ。

 被災地の現状を見ると、その実現には程遠い。復興が停滞する中、地元での生活再建を断念した住民が、次々と流出し、震災前からの過疎化や高齢化に、むしろ拍車がかかっている。被災地が共有する深刻な問題である。

 ◆人口減を食い止めよう

 宮城県女川町では、過去5年間で37%も人口が減少した。東京電力福島第一原発事故で避難指示が出た地域を除けば、被災自治体で最大の減少率だ。平坦へいたんな土地が少なく、宅地造成が難航していることが、主な要因と言える。

 この町に昨年12月、第3セクターが運営する商業施設が誕生した。JR女川駅の前に遊歩道が設けられ、両側に飲食店や衣料品店などテナント27店舗が並ぶ。

 7億円近い整備費のうち、国の補助金が約7割を占める。

 現在、休日の午後でも、人通りはさほど多くない。復興の拠点としての役割を果たすには、地元住民だけでなく、観光客も足を運ぶエリアとして、にぎわいを創り出していくことが欠かせない。

 仙台市などに転出した若い世代を呼び戻す施策も大切だ。

 宮城県石巻市は、通院の医療費を無料にする子供の対象年齢を拡大する。岩手県大槌町などは独身者の結婚をサポートしている。

 地元水産業の人手不足を解消するためにも、待遇改善などに知恵を絞りたい。

 集中期間中、復興事業費の全額が国費で賄われた。確保された財源は、民主党政権当初の19兆円から、26兆円に膨らんだ。地元の負担がなかったため、効果が精査されないまま、大規模事業が計画されたとの指摘は多い。

 巨額の予算を投じて、高い防潮堤を設けても、その近くに住む人がいなければ、無駄になるだろう。住宅が建てられない災害危険区域を守るような形で、防潮堤の整備が進む地域もある。

 安倍政権になって、国土強靱きょうじん化の名の下に過剰な公共事業が息を吹き返した面は否めない。国費で整備された施設でも、維持管理は地元が担うケースが多い。その費用が財政を圧迫しかねない。

 ◆福島支援に国を挙げて

 新年度からは事業費の一部を自治体が負担する。事業の成果が従来以上に問われよう。効果を見極め、優先度の高い順に財源を配分する姿勢が求められる。既に始まった事業の再点検も進めたい。

 高齢者の入居が目立つ復興住宅も、いずれは空き室が増える。介護施設への転用など、活用法を考えておく必要もある。

 原発事故の影響が残る福島県の復興のゴールは見通せない。

 2020年度までの復興・創生期間が過ぎても、「継続して国が前面に立つ」。福島の復興に関し、政府は今回の基本方針にそう明記している。原発事故の爪痕が消えるまで、国を挙げて福島の人々を支えることを再確認したい。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20160310-OYT1T50188.html


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