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何を改革すべきか分からない現政権の困った姿 日本経済一歩先の真相
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/176975/1
2016年3月11日 日刊ゲンダイ
アイデア皆無の安倍政権(C)日刊ゲンダイ
安倍首相が国会審議で、アベノミクスの成果をやたらと強調しているが、「一進一退を続ける日本経済の再生にアベノミクスはあまり大きな成果をあげていない」と酷評したのは、米国の経済情報サイト・ブルームバーグ(8日付)だ。
この評価はブルームバーグが実施したエコノミスト調査に基づくもの。23人のエコノミストに、3年間にわたるアベノミクスの効果を聞くと、総合評価は10点満点で4.6点。落第点をつけられてしまった。
ブルームバーグの指摘通り、この3年の日本の景気はまさに「一進一退」だ。消費増税後の14年4〜6月期と7〜9月期は2四半期連続のマイナス成長を記録。昨年も4〜6月期と10〜12月期はマイナスで、GDPは浮き沈みを繰り返す。
詰まるところ、この3年のGDPをならせば、上げ幅ゼロで成長なし。アベノミクスの「3本の矢」も「新3本の矢」も、日本経済を元気にしたと言える状況ではない。
今週発表の15年10〜12月期の2次速報も1次速報から上方修正とはいえ、上げ幅はたった0.1ポイント。わずかながらの上振れ要因は、民間在庫の寄与度が0.1%減からゼロ、設備投資も1.4%増から1.5%増と小幅に増えた程度で、逆に個人消費は0.8%減から0.9%減に下方修正された。
安倍政権が財界トップに設備投資を迫っても、低年金受給者に1人3万円をバラまこうとも、日本経済のエンジンは止まったまま。米国と中国の経済にかげりがみえる中、輸出もますます悪化していくに違いない。世界経済がグジャグジャの状況下で、日本経済だけがイキイキと輝くのは難しい。安倍首相がいくら矢を放とうが、どだいムリな話である。
前出のブルームバーグのエコノミストたちは「持続的成長のためには構造改革が必要」と指摘するが、どこを改革すべきか分からないのが現政権の困った姿だ。文化庁の京都移転や消費者庁の徳島移転が、はたして構造改革と言えるのか。恐らく地方創生にも結びつかない。
本来なら、国民生活が細る一方で、肥え太る官僚組織にはメスを入れ、思い切ったリストラの断行が必要な時期だ。待機児童増加も大変な問題になっている。育児政策の大きな遅れを解消し、少子高齢化に歯止めをかける視点も重要だ。マイナス金利の導入で住宅ローン金利が減少しても、マイホームを欲しがる若い買い手がいなければ無意味だ。地方は空き家が増えている惨状だから、なおさらである。
今こそ国の統治の在り方に大ナタを振るう必要があるのに、アイデア皆無の安倍政権と取り巻きの官僚たちに改革を期待するのはムダだ。かくして日本経済は四方八方、手詰まり感を強めていくことになる。
高橋乗宣エコノミスト
1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。
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