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「砂川事件」 東京地裁が再審認めない決定[NHK]
3月8日 12時40分
昭和32年に東京のアメリカ軍・旧立川基地に立ち入った学生などが有罪判決を受けた「砂川事件」について、東京地方裁判所は「不公平な裁判が行われるおそれがあったと推測することはできない」として、元学生などが求めた再審=裁判のやり直しを認めない決定を出しました。
砂川事件は、昭和32年に東京のアメリカ軍・旧立川基地の拡張計画に反対したデモ隊が基地に立ち入り、学生など7人が起訴されたもので、1審は無罪を言い渡しましたが最高裁判所が取り消し、その後、全員の有罪が確定しました。
元学生の男性など4人は、当時の最高裁判所の長官がアメリカ側に1審の無罪判決の取り消しを示唆したとする文書が見つかったことを根拠に、「憲法が保障する『公平な裁判』を受ける権利が侵害された」と主張して、再審=裁判のやり直しを求めていました。
8日の決定で、東京地方裁判所の田邊三保子裁判長は、「見つかった文書には、当時の長官の発言とアメリカ側の印象が混在し、発言を具体的に推し量ることは困難だ。1審の取り消しなど、最高裁の判決で示そうとする結論の方向性を推認させる内容には全く言及されていない」と指摘しました。そのうえで、「不公平な裁判が行われるおそれがあったと推測することはできない」として、再審を認めない決定を出しました。
元学生の男性などは、決定を不服として抗告する方針です。
元学生 納得できず不当だ
決定について、再審=やり直しの裁判を求めていた元学生の土屋源太郎さん(81)は、「裁判の公正と司法の正義をみずから放棄したもので、断固として抗議したい。当時の最高裁長官とアメリカ側が会談した事実は認めたのに、最高裁の判決に影響はないというのは納得できず不当だ」と批判しました。
また、元学生で九州大学名誉教授の武藤軍一郎さん(81)は、「再審の扉は非常に重かった。裁判官には理性に基づいた決定を求めたが、残念ながら退けられた。抗告するので今後も審理が続くが、司法の独立を一人でも多くの人に訴えていきたい」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160308/k10010435611000.html
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