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人々を幸福にしないアベノミクスの構造ー(植草一秀氏)
http://www.asyura2.com/16/senkyo202/msg/538.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 3 月 09 日 00:00:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

人々を幸福にしないアベノミクスの構造ー(植草一秀氏)
http://www.twitlonger.com/show/n_1sodqne
8th Mar 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks


日本経済の低迷が続いている。

2014年度の経済成長率は−1.0%だった。

2015年4月以降の経済成長率はどのように推移しているか
(いずれも実質前期比年率)。

2015年4−6月期   −1.4%

2015年7−9月期   +1.4%

2015年10‐12月期 −1.1%

2014年度の成長率が−1.0%で、

今年度に入ってからの成長率が、−1.4%、+1.4%、−1.1%の推移を示している。

誰がどのように見ても、日本経済は超低迷を続けていることは明白だ。

安倍首相は

「アベノミクスで日本経済は良くなった」

と繰り返すが、

現実のデータはその発言を全面的に否定している。

第二次安倍政権がスタートしたのは2012年12月。

当時と比べて改善したと言えるのは、

株価

失業率

有効求人倍率

だけなのだ。

日経平均株価は2012年11月14日の8664円から2015年6月24日の20868円に上昇した。

ただし、その後は反落して、この2月には15000円を割り込んだ。

失業率は2012年度の4.3%から2016年1月の3.2%に低下した。

有効求人倍率は2012年度の0.82倍から2016年1月の1.28倍にまで上昇した。

安倍政権はこれらのデータを強調して、アベノミクスは成功したと強弁している。

しかし、経済全体の推移を示す実質GDPの数値を見ると、

第二次安倍政権下の日本経済が著しく停滞していることが判明する。

民主党政権下の2009年10‐12月期から2012年7−9月期の実質GDP成長率平均値は+2.0%だったが、

第二次安倍政権下の2012年10−12月期から2015年7−9月期の実質GDP成長率は+0.8%にとどまる。

第二次安倍政権下の日本経済は、民主党政権下の日本経済よりもはるかに劣悪なパフォーマンスを
示しているのである。

安倍首相が自画自賛する株価、失業率、有効求人倍率の、見かけの良さは、
実は日本経済の負の側面を明示するものになっている。

失業率や有効求人倍率の改善は、日本経済のなかで仕事に就く人数が増えていることを意味する。

しかし、その一人一人の所得の状況はどうなっているのか。

労働者の所得を示す経済統計がある。

毎月勤労統計である。

この統計が、労働者の基本給、時間外手当、ボーナスの推移を数値で示す。

この三つを合わせたものを「現金給与総額」と呼ぶ。

この伸び率からインフレ率(消費者物価上昇率)を差し引いた実質所得の伸び率を見ると、

2012年度 −0.8%
2013年度 −1.0%
2014年度 −0.3%

と推移し、

2015年12月 −0.1%

となっている。

こちらの統計は一人当たりの実質所得の伸びを示している。

所得がまったく増えていない。むしろ減っているのである。

だから消費が拡大しない。景気が超低迷を続けているのだ。

この状況下で、消費税率をさらに引き上げれば何が起こるのかは明白だ。

消費はさらに減退し、日本経済は崩落してしまうだろう。

安倍政権は選挙を控えて、2017年4月の消費税再増税の再延期を計画していると見られるが、

とても消費税増税を実施できる状況にはないのである。

安倍政権は増税先送りを自公勢力の選挙に有利なかたちで発表しようとしているが、

問題は、アベノミクスそのものが、

一般国民の幸福にはまったくつながってこなかったという厳然たる事実にある。

労働者の実質所得が減り続ける一方で、失業率低下と有効求人倍率上昇が生じ、

他方、株価が上昇したという現実は、一体何を意味するか。

ここが重要だ。

つまり、いま広がっていることは、低賃金労働での強制労働の広がりなのだ。

一億総活躍

ではなく

一億総動員

である。

出生率の引上げは、

まさに「産めよ増やせよ」の発想に基づくものだ。

介護離職ゼロはの方針は、

「働ける年齢の国民は一人残らず働け」

という政策の意図を具体化したものである。

国民を総動員して低賃金労働を強制しているが、経済全体のパイは拡大していない。

唯一拡大しているのは、大企業の企業収益だけなのである。

経済全体のパイが縮小するなかで、

大企業の企業収益が過去最高を記録しているということは何を意味するか。

ひとつのピザをみんなで分けるときに、

腕力の強い者がみなのことも考えずにたくさん取って食べてしまったら、

残りのみんなに分け与えられる部分は極めて小さくなってしまう。

このなかで、失業率が下がる、有効求人倍率が上がるというのは、

残った少ないピザを分けなければならない人数が増えていることを意味する。

大企業だけはいい思いをしているが、大多数の労働者は、

どんどんどんどん不幸になっているということなのだ。

問題はこれにとどまらない。

日本の税構造が激変しているのだ。

本メルマガで何度か記述しているが、日本の税収構造は過去25年間に劇的な変化を示してきた。

1990年頃の税収は60兆円の規模で、

所得税 27兆円

法人税 19兆円

消費税  3兆円

というものだった。

これが2015年度(当初予算)では、

所得税 16兆円

法人税 11兆円

消費税 17兆円

という姿に変貌した。

所得税の特徴は、

「能力に応じた負担」

にある。

高所得者に課せられる税率は最高で55%(住民税を含む)のに対して、

一般家庭の世帯主においては、年収325万円までは課税額がゼロである。

これが「能力に応じた課税」である。

これに対して、消費税は、所得がゼロの国民と所得が100億円の国民が、

同じ税率で税金を課せられるものである。

富裕者は大歓迎だが、所得の少ない人にとっては、生存そのものが脅かされる税制なのだ。

そして、消費税にはもう一つ重大な問題がある。

消費税増税を価格に転嫁できない零細事業者は、消費税増税分を、自腹を切って負担させられるのである。

消費税は本来は消費者が負担するものであるとされる。

しかし、このケースでは、消費税を負担するのは消費者ではなく、零細事業者ということになってしまうのだ。

先に記述した日本経済の姿は、課税前の状況だ。

課税前の状況において、大多数の一般労働者の所得が削減される一方、

ごく一握りの大資本関係者は、史上空前の収益、所得を得ているということだった。

この所得の分配を調整するのが税制の役割だが。

所得税が半分になり、消費税が5倍、7倍になるなかで、

税制による分配の是正がまったく実現しない状況が強まっているのである。

所得の格差がいまよりは小さかったのに、税制でさらにその格差を縮小させる機能が発揮されてきた。

しかし、いまや、所得の格差が無限大に広がるなかで、

その格差を縮小させる税制の機能が完全に失われつつある。

かつて「一億総中流」と呼ばれた日本社会が、世界有数の「格差大国」、「貧困大国」に転じつつある。

そして、驚くべきことは、中流から下流に押し流されている人々が、

その流れに反対の意思を明確に示していないことである。

その背景には、事実を正しく伝えないマスメディアが実行する情報操作という事情がある。

人々が真実の情報を得れば、判断は変わってくるはずだ。

すべての主権者に真実の情報を伝えて、日本の経済政策の基本路線の転換を図らなければならない。

そのための政治運動が強く求められている。

 

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コメント
 
1. 2016年3月09日 02:32:12 : w9iKuDotme : S@BYVdB2dgc[1019]
「人々が真実の情報を得れば、判断は変わってくるはずだ。」

賛成です。
コチラをどうそ。

大貫康雄氏
「ウィキリークス発、当時の藪中外務次官と防衛官僚「この内閣は我々が潰す。鳩山総理の言う事は聞くな。」と公言。それを知った米は驚愕。民主的に選ばれた最高責任者に官僚が弓を引く。これは犯罪。」

上杉隆氏
「ウィキリークス発、前原誠司が鳩山・小沢内閣を潰す為の材料を米に提供していた。 」

鳩山由紀夫氏
「当時、外務省フナコシ氏が示しながら私に説明した #機密文書。米軍マニュアルで65海里以内 と記載されている。改めて原口一博氏と外務省山ア官房長に尋ねたがその文書の存在確認できずとの回答。」
https://twitter.com/goldberg_988/status/702494311749799940

誰が日本国民の味方なのか、分かると思います。
ヤブナカとかフナコシとかいう小役人ではありません。前原誠司氏でもありません。もちろん自民党でも公明党でもありません。
小沢一郎、鳩山由紀夫氏です。

植草氏、がんばってください。応援しております。


2. 2016年3月09日 05:02:20 : w9iKuDotme : S@BYVdB2dgc[1020]
アベノミクス失敗
http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/images/1078.jpg

白井聡氏
「追い詰められているのは、われわれの方ではない。奴らの方が追い詰められているのである。ゆえに、問題はいまや奴らに勝てるかどうかではない。すでに勝利は確定している。真の問題は、この勝利からどれだけ多くのものを引き出せるのか、ということにほかならない」
http://www.kinyobi.co.jp/publish/001805.php

すでに勝利は手中にある。


3. 佐助[3426] jbKPlQ 2016年3月09日 09:12:45 : 9WzTFdu8Dw : EvnuAppFUfU[142]
低賃金労働での強制労働は一億総活躍とは単なる労働強化にスギナイ
その労働協約を破壊されても知らんぷりする,御用労働組合が曲者である。

しかもアベノミクスは99%の不幸と1%の富を構築したにスギナイ

そして世界経済の信用が収縮しているのに,政府は平時と同じやり方しかしない,さらに社会保障に使う消費税が,どんどん世界にばら撒かれ,国民に耐乏を押付け,格差を助長させながら,金持ち優遇するトリクルダウンをすれば弱者も潤うと愚民操作の極意「朝四暮三」のエサを巧みに操り,大嘘のエサをまき散らし年金をゴミのように使い捨て,足りないからと増税し使え使えと使いまくる。

1989年に破裂した日本のバブルは、十五年の間に、平均株価を五分の一に暴落させ、地価を十分の一にし、十大銀行を3行に収縮させ、多くの企業を倒産させて、やっと沈静化しました。沈静化させた最大の要因は、輸出の神風です。今回の世界バブルの崩壊では、輸出の神風は吹いてくれません。しかも2008年のリーマンショック当時とは,すべて違います。今回は世界恐慌(信用収縮・金融鼠講)の二番底・三番底が控えています。アベノミクスは,これを誘導操作,助長させているのです。対策すればなんのことはないのですが,政府日銀は必死に拡大させ楽しんでいる節がある。あきれる指導者である。しかも国民の支持率は下がらない。

こうして株価は、一日で相場を大きく上下させながら、平均株価を十分の一=額面に近づく底まで、下降し続けるのです。石油のバブルも弾けているのでその頂点から10分の1になるまで暴落し続けます。新興国のバブルも弾け,ユーロの債権も弾け,日米は世界で一番経済打撃を受けるまで暴落します。しかも日本の政府は認識できないのです。そしてまさかが起きます。予期せぬ危機は恐慌を長期化させることになる。


4. 日高見連邦共和国[531] k_qNgoypmEGWTYukmGGNkQ 2016年3月09日 15:40:07 : C7Wqvb1wZA : tDwH8L7NsPc[472]

まあ、そもそも“GDP”という尺度を考案したアメリカの学者先生自ら、
『GDPは(個人の)幸福の尺度ではない』って明言しておりますから。(笑)

5. 2016年3月10日 10:31:51 : fezbKd72iQ : daReQ4lEcj0[1]
>消費税増税を価格に転嫁できない零細事業者は、消費税増税分を、自腹を切って負担させられるのである。
>消費税は本来は消費者が負担するものであるとされる。しかし、このケースでは、消費税を負担するのは
>消費者ではなく、零細事業者ということになってしまうのだ。

ここの部分はもっと詳しく説明されるべきだ。
消費税5%のとき、労働集約型のサ−ビスに含まれる零細企業で、純利益が5%以上ある企業は多くはなかった。
多くは3%から5%未満のなかでなんとか経営をなりたたせていた。純利益がなければ、社員採用・教育・新規
顧客開拓等の会社の規模拡大ができないのは自明の事実である。

今回消費税が8%また10%になることで、3%から5%未満あった純利益分が喪失した。結果的に生じたのは
消費税が労働の価値と実際の給与の差額から生ずる付加価値に対しても課税するために生ずる、純利益喪失という
事実であり、原価がほぼ社員給与から成り立つ労働集約型の零細企業においては、「ほぼ売り上げ金額」に課税
されるため、純利益が3%から5%未満だった企業は、かならず赤字になり、その赤字額は最終的に零細企業の
経営者が負担しなければならない。また、その純利益の喪失に対して労働集約型の零細企業においては、給与等
の人件費の削減という対策をとるしかない。まったく、「純利益が10%以下の零細企業は退場しろ」と言って
いるのが、この消費税の税率なのである。

国の借金総額だけから消費税?%という数字を無知蒙昧なマスコミを通じて、たれながす財務官僚は、「地獄に
落ちろ」といいたい。消費税にはおのずから上限がある。それは企業がうみだす価値の利益率から生じるもので
あって、国会議員は、企業の各種統計から企業規模による平均的な利益率を評価して、「消費税率の理論的な
上限値」について問題提起を行うべきである。そのことにより、8%消費税の経済に与えた大打撃を検証して
安部のアホノミクスの大失敗を明確にすべきである。

まったく、「資本主義経済においては、資本家の金は金を生む」という暗黙の了解があるのに、金利が10%も
ある国であれば、消費税8%また10%もありかもしれない。マイナス金利とは、「金が金を生まない」という
ことで、日本の資本主義経済が資本主義以下のものに成り下がったという事実である。消費税8%の世界では
会社経営がマイナスになるということを、このマイナス金利は表現しているのかもしれない。

消費税を5%にもどして、安部を退陣にもちこもう。消費税32%などという資本主義を崩壊させる「でたらめ」
を流布させる、無知蒙昧財務官僚、卑劣マスコミを地獄におとそう。



[32初期非表示理由]:担当:言葉使い


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