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安倍政治に自エンドを迎えさせる戦術ー(植草一秀氏)
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7th Mar 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
安倍政権の政策運営について、これを支持する国民が存在する一方で、これを支持しない国民がいる。
マスメディアが発表する世論調査の数値はまったく信用できない。
支持率が4割を超えている状況にはまったく見えないからだ。
ひとつの参考になる数値は、選挙の際の得票である。
2014年12月14日の総選挙における比例代表選挙で、自公の与党勢力が獲得した投票は、
全有権者の24.7%
だった。
自公以外の勢力が獲得した投票は
全有権者の28.0%
だった。
自民党単独では
全有権者の17.4%
だった。
投票率は52.66%。
有権者の約半数が選挙を棄権した。
メディアが自公圧勝予想を書き立てたから、
自公政権を支持しない人々の多くが、選挙に行っても意味がないと考えて棄権に回ったと思われる。
安倍政権与党に投票した人は全有権者の4人に1人、
安倍晋三自民党に投票した人は全有権者の6人に1人だった。
この選挙では、安倍政権が消費税再増税の延期を打ち出した。
これをメディアが、安倍首相の手柄話であるかのように報じたから、
本来の安倍政権与党の支持よりも高い数字が得票に反映された可能性が高いと思われる。
メディアが「一強多弱」の言葉を流布しているために、
安倍政権の基盤が強固であるかのような錯覚が生みだされているが、
リアルな現実との間には大きな隔たりがある。
安倍政権与党は主権者の4分の1の支持しか得ていないが、衆議院議席の7割強を占有している。
安倍晋三自民党は主権者全体のわずか17%の支持しか得ていないのに、
衆議院議席の58%を占有している。
「一強多弱」というのは、国会議席配分のことで、国民支持の状況のことではない。
最大の問題は、主権者である国民の支持の状況と、
国会議席配分の間に恐ろしいほどの開きがあることだ。
民意が正しく国政に反映されない状況が生じていることが問題なのだ。
その原因の一つは、もちろん選挙制度にもある。
小選挙区制では選挙区の当選者が1人になるため、死票が多く出てしまう。
しかし、小選挙区制には政権交代を引き起こしやすいというメリットもある。
いま大事なことは、現行の選挙制度の下で、民意を反映する政治を実現することである。
そのためには、現行の選挙制度の特性を踏まえた選挙戦術が必要になる。
参議院の1人区、衆議院の小選挙区においては、
自公候補に対峙する候補者を一人に絞り込むことが重要になる。
自公候補と対立候補の対立の軸は、もちろん政策公約の対立である。
政策対立を軸に自公候補と対峙する候補者の一本化を図るのである。
この図式を構築できれば、自公勢力と対峙勢力との戦いは互角のものになる。
政治権力の転換も視野に入る。
オールジャパン平和と共生
は、この視点に立って、3月18日(金)夜に文京シビック大ホールにおいて、
「安倍政治を許さない!参院選総決起集会」
を開催する。開場は午後6時半、開会は午後6時50分を予定している。
日本政治の流れを変えるための天王山となる今年の国政選挙に向けて、
主権者の結集をなにとぞよろしくお願い申し上げたい。
当日は第1部として野党5党からの決意表明をいただく予定である。
第2部では、
原発、憲法、TPP、基地、格差
さらに
憲法の緊急事態条項、消費税
の問題について、それぞれの分野のご専門の方からご講義をいただく予定にしている。
入場無料ですので、1人でも多くの主権者のみなさまのご参加をお願い申し上げたい。
上記の7つの課題は、いずれも極めて重要なものである。
3月11日には東日本大震災・福島原発事故から満5年の期日を迎える。
2月12日時点で、なお17.4万人の方が避難生活を余儀なくされている。
原発事故による放射能汚染も深刻であり、多くの場所が居住不可能地帯になっている。
この問題が大きく残されたまま、安倍政権は全国の原発の再稼働を推進しているが、
あまりにも無謀な行動である。
とりわけ、日本における地震活動が活発化しているなかで、
つい最近発生した地震で観測された4022ガルという地震動をはるかに下回る耐震性能基準しか設定されず、
その基準をクリアした原発を再稼働させている現実は、背筋の凍るものでしかない。
昨年9月19日に、安倍政権は戦争法と呼んで差し支えない安保法制を強行制定した。
「集団的自衛権の行使は現行憲法下では許されない」というのが、
40年以上にわたって政府が明示してきた公式の憲法解釈である。
これが憲法の実体と言って過言でない。
したがって、安倍政権が、集団的自衛権の行使容認が必要だと考えるなら、
憲法改定の手続きを踏むことが必要不可欠である。
ところが、安倍政権は憲法改定という手続きを踏まずに、憲法の内容を変えた。
これは、憲法破壊行為であり、立憲主義を根本から否定する蛮行である。
主権者は、こうした根本的な問題をなし崩しで容認してはならない。
正すべきものは正す。
「ならぬものはならぬ」の姿勢で行動しなければならない。
同時に、重要なことは、その内容でもある。
日本は憲法で戦争を放棄した。
国際紛争を解決するための手段としての戦争を放棄しているのである。
この考え方を日本国民が否定するのか、それとも堅持するのか。
問われているのは日本国民自身である。
TPPを巡る政府の対応は「詐欺」そのものと言ってもよい。
安倍晋三自民党は2012年12月の総選挙に際して、
「TPP断固反対!」
の言葉を掲げた。
そして、6項目の公約を明示した。
そのなかで、関税撤廃に関する聖域5品目を掲げた。
国民皆保険を守ること、
食の安全・安心を守ること、
数値目標を受け入れないこと、
政府調達、金融サービスについて、日本の特性を踏まえること、
さらに、
国の主権を損なうISD条項に合意しないこと
を明記した。
ところが、いま、安倍政権が参加に前のめりになっているTPPはISD条項を含むものだ。
ISD条項は国の主権を損なうものである。
だから、自民党はISD条項に合意しないことを公約に明記した。
ISD条項を含むTPPに日本が参加することは、明白な公約違反である。
このようなことを許してはならないのである。
辺野古に米軍基地を造らねばならない必然性はない。
そして、沖縄県の主権者は、辺野古に米軍基地を建設することを拒絶している。
そうであるなら、辺野古米軍基地建設を断念するべきだ。
それが日本国政府の取るべき行動である。
米国が要求するから辺野古に基地を造るというだけなら、日本政府を名乗るべきでない。
米国植民地日本総督政府と名乗るべきだ。
裁判で和解し、工事を一時中断するが、辺野古米軍基地建設の方針は変わっていない。
翁長雄志沖縄県知事は、
「あらゆる手段を用いて辺野古に基地を造らせない」
ことを公約としているから、絶対にその公約を守り抜かねばならない。
「今後の訴訟での判決には従う」ことが和解条項に盛り込まれているが、
今後の訴訟での判決には従っても、新たにさまざまな訴訟を提起し、
さらに、政府の設計変更には一切応じずに、
「辺野古に基地を造らせない」
という公約を守り抜かねばならない。
いま、世界の経済で最大の問題になっていることは、格差である。
社会主義を敵対視する米国で、民主社会主義者を自称するバーニー・サンダース氏が
民主党の大統領選候補者として脚光を浴びている最大の背景に、米国における格差問題がある。
共和党でドナルド・トランプ氏が指名候補レースの先頭を走っているのも、
米国の国民が一握りの特権階級の人々に対する反感を強めていることが一因になっている。
日本社会はかつて「一億総中流」社会だと表現された。
もちろん、この時期に、すべての国民が中流に属していたわけではない。
この時期にも深刻な貧困問題は存在した。
しかし、いまや、その問題が日本全体に広がっているのである。
政府の政策は、法人税の減税に次ぐ減税の一方で強行されている消費税大増税に象徴されるように、
富裕層の利益を拡大し、一般国民を全面的に圧迫するものになっている。
この状況下で、消費税の税率をさらに10%にまで引き上げる政策方針が示されているのである。
原発稼働、憲法破壊、TPP参加を許さない!
辺野古米軍基地建設、格差拡大を許さない!
と考える主権者は、主権者の多数派になっているのではないだろうか。
この主権者が連帯して、選挙の際に統一候補者に投票を集中させる。
この戦術を効果的に実現できるなら、日本政治の流れを変えることは必ずできるはずだ。
あきらめずに、戦略を定めて、一歩ずつ確実に進む。
そうすれば、必ず目標に到達できるはずだ。
伊藤真氏は
“FESTINA LENTE!“
の言葉を掲げた。
「あわてず、あせらず、あきらめず」
に、効果的な戦術を確実に実行してゆく。
そうすれば必ず活路は開けるはずだ。
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