http://www.asyura2.com/16/senkyo202/msg/396.html
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自民が移民政策を検討。外国人技能実習生など23万人が「奴隷労働」に従事。日本に移民政策をとる資格なし。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/f29126fc0cc42d1a28b4d2b094b3746b
2016年03月05日 | 労働者の権利 Everyone says I love you !
弁護士になってしばらくして、大好きなタイに長期旅行をし、国境近くの少数民族の村々を訪れていた時の事。
村の人が(通訳を介して)
「YAKUZAが娘たちを買いに来る」
とおっしゃり、非常に恥ずかしい思いをしました。ドイツから来た旅行者には
「うちのハンブルグでの人身売買、売買春もひどいもの」
となぐさめ?られましたが。
自民党が日本での移民政策の勉強会・調査会を発足するそうです。
確かに、少子高齢化での一手不足からくる経済成長減衰に対する対処法はそれしかないのが現状です(もっと賢い手は今の政府には無理な気がする)。
しかし、今の在日韓国・朝鮮人・中国人差別や、ヘイトスピーチの絶えない日本に、移民政策をとる資格があるのでしょうか。
こどもの日 安倍政権と子どもの減少数日本一の大阪維新はデンマークの少子化対策に学べ
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/a5011d23f37a7b7edba9d36eeb1bfff3
・
なぜ、デンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか どうして、日本では人が大切にされるシステムをつくれないのか
ケンジステファンスズキ
合同出版
世界最高レベルの社会保障制度を整え、食料もエネルギーも自活、世界でもっとも民主主義が進んでいる国、デンマーク。「共生」の政策理念の基盤となる国の歴史と国民の姿を通して、年金・雇用・貧困・格差・「愛国心」・環境・エネルギー・食料など問題の山積する日本社会を見つめ直す。
さらに
奴隷大国・日本の暗部、23万人も発覚…日本企業、今後の海外展開の障害に
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14043.html
という記事を読むと、
「ウォークフリー財団の調査では、日本でも約23万人が現代の奴隷労働に従事させられていると報告されています。この主な対象は、米国国務省が毎年発表する「人身売買報告書」でも指摘されている性風俗産業に関するものです。
また、今や農業や製造業現場では多くの「技能実習生」が事実上の外国人労働者として働き、日本の産業を下支えしていますが、この実習制度の現場でも、人権侵害が生じていると指摘されています。」
性風俗産業だけではなく、外国人の技能実習生制度の悪用はひどいものだと言われています。
この制度は、国際貢献のために、外国人による技能習得を通じて、日本の技術や知識を海外に移転することを名目としていますが、その実態は非熟練単純労働者の不足を解消するための制度になっているのです。
うまくいっている例もたくさんあるのですが。
アメリカ系通信社のブルームバーグによると、厚労省は2014年に実習実施機関に3918件の監督指導を行い、うち76%で労働基準法違反が認められたと企業名を明かさず発表しました。
違反には最低賃金の半分近い時給約310円での就労や、月120時間の残業(労働基準法では原則最長月45時間)、安全措置が講じられていない機械などがありました。
また、法務省入国管理局は14年中に241の受け入れ団体と企業に対して最大で5年間の受け入れ停止命令を出した。
米国務省は15年の人身売買報告書で、実習制度の中で労働者が強制労働の状態を経験しているとし、借金による束縛、パスポートの押収、拘束といった実質的証拠があるにもかかわらず、日本政府は強制労働の被害者を把握していないと指摘しました。
同報告書によると、実習生の中には最高で1万ドル(約113万円)を支払って職を得て、辞めようとすると数千ドル相当が没収される契約で働く者もいるということで、過剰な手数料や保証金、「罰則」の規定も報告されていると指摘しました。
つまり、日本は外国人労働者の人権をまともに守ろうという気はなく、便利な出稼ぎ扱いなのです。
ヨーロッパで右翼による移民排斥運動が起きていますが、それは移民に対して自国民同様の手厚い保護がなされることが気に入らないということが前提にあります。
最低賃金の半額で働く外国人技能実習生を誰がうらやましいと思うでしょうか。
これほどひどい現状で移民政策を検討する資格は日本にはないと思います。
去年の年末にはこう言っていたのに。
日本が人権保障大国だったら、移民も良いのですが、今の現状では来ていただく外国人の方々にお気の毒で詐欺になる。
少子化論―なぜまだ結婚、出産しやすい国にならないのか
松田 茂樹 (著)
勁草書房
少子化対策がはじまって約20年経つが、出生率が依然低い日本。通説を見直し、わが国の少子化とその対策を最も総合的に論じる書。
人口学への招待―少子・高齢化はどこまで解明されたか (中公新書)
河野 稠果 (著)
中央公論新社
二〇〇五年から始まった日本の人口減少。一〇〇年後には半減と予測されている。北・西ヨーロッパに端を発し、いまや世界人口の半分を覆った少子化は、なぜ進むのか―。急激な人口減少が社会問題化するなか、急速に脚光を浴びる人口学だが、戦前の国策に与したと見られ、近年まで疎んじられてきた。本書は、人口学の入門書として、人口の基礎的な考え方、理論、研究の最前線、少子化のメカニズムなどを平易に解説する。
自民党が移民に関する議論開始、3月中旬に特命委=木村参院議員
http://jp.reuters.com/article/ldp-kimura-idJPKCN0W50BK
2016年 03月 3日 14:01 JST ロイター
3月3日、自民党は、3月中旬に「労働力の確保に関する特命委員会」を立ち上げ、移民を含めた労働力としての外国人の受け入れに関する議論を開始する。写真は都内で2009年7月撮影(2016年 ロイター)
[東京 3日 ロイター] - 自民党は、3月中旬に「労働力の確保に関する特命委員会」を立ち上げ、移民を含めた労働力としての外国人の受け入れに関する議論を開始する。特命委の委員長となる木村義雄参院議員が3日、ロイターに明らかにした。
同委では4月中に提言をまとめ、政府に提出する。木村氏が委員長を務め、顧問に野田毅氏、村上誠一郎氏、逢沢一郎氏などを迎える。
特命委の目的について、木村氏は「50年来のタブーを破って、外国人の労働力としての受け入れに関する議論に踏み込む」と述べた。
人口減少に伴う労働力人口の減少が予想され、「成長を確保するには、(外国人労働者を受け入れ)労働力を増やしていく以外に方法はない」とし、このタイミングでの特命委発足について「背に腹は代えられない」状況にあるからだと述べた。
ただ、党内では外国人労働力の受け入れに反対する声も根強くもあるため、その是非を含めて議論する。
また、提言をまとめるのは7月に予想される参院選挙前となるため、「移民」という言葉を盛り込むことは難しい、と木村氏は述べた。
日本は2008年をピークに人口減少局面に入っており、政府は50年後に日本の人口が4000万人減少するとの推計を発表している。労働力人口の減少に伴い、地方や、建設・介護などの現場では人手不足が深刻化。一部では技能実習などの制度を使って外国人を受け入れている実態がある。
木村氏はこれについて「研修だ、技能実習だといって、単純労働に近い分野で(外国人労働者を)部分的に認めてきたが、これは『カラスは白い』というのと同じ。実際には労働力なのに、労働力じゃないと言っている」と批判した。そのうえで、日本で長く働きたい外国人には、滞在期間を更新できる制度などを導入することで「うまくマッチングすれば良い方向にいく」と述べた。
*内容を追加します。
(宮崎亜巳、リンダ・シーグ)
奴隷大国・日本の暗部、23万人も発覚…日本企業、今後の海外展開の障害に
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14043.html
2016.03.01 文=大谷 俊/アナリスト ビジネスジャーナル
英国で現代奴隷法(Modern Slavery Act)という法律が昨年、制定されたことをご存じでしょうか。同法では人身売買、(家庭内含む)強制労働、借金のかたによる労働、性的搾取、強制結婚などの「現代の奴隷」に英国企業が加担することを抑止することを目的とするもので、英国で事業または事業の一部を行い、商品やサービスを提供している全世界での年間売上高が3600万ポンド以上の企業約1万2000社が対象とされています。英国に法人を置き、同規定に該当していれば日本企業も当然対象となります。
「奴隷」は昔の話ではないのかと思う方も多いと思いますが、現代でも奴隷に相当する労働に従事することを余儀なくされている人は少なくありません。豪州のNGOであるウォークフリー財団が発表している「Global Slavery Index調査」では、世界で約3850万人もの人々がそうした労働環境下に置かれているとされています。各国の総人口比では、アフリカの国々が上位に挙げられますが、数でいえば最大はインドで約1429万人が該当しています。日本企業との関わりの深い国々でも、こうした問題と無縁ではありません。例えば、マレーシアのパーム油産業やタイの水産業における人身売買や強制労働の問題は近年、大きな社会問題となっています。
同法では、自社事業の関わるすべてのサプライチェーン、すなわち英国内外、直接・間接問わず、世界中すべての企業との取引において、現代の奴隷に加担していないことを確認するために企業が取っている方策を毎年公表する義務が課せられることになります。報告義務は2016年3月31日以降に会計年度が終了する企業から発生しますので、対象企業は4月1日以降、速やかに報告を行う必要があります。実際の運用に際しては、混乱も生じると思われます。なお、いまだ多くの企業において準備ができていないとみられていることから、英国ではETI(Ethical Trading Initiative)などのNGOが企業と連携しながら、その対応策を検討しているようです。
同法が制定された背景には、グローバルに広がる企業取引において、そのサプライチェーンの下流にある企業の調達行動を制限することで、上流企業が引き起こす社会・環境・人権等の問題を予防する「CSR(企業の社会的責任)調達」「サステナブル調達」がグローバル企業を中心として、一般化していることが挙げられます。多くのグローバル企業が取引先に対し、調達基準を示し、それを遵守することが取引条件となっています。
日本でも23万人が奴隷労働に従事
しかし、こうした企業の行動はあくまで、各企業の自主的な努力に委ねられているものです。法的な強制力はありません。国連は11年に企業が人権侵害に関与することを予防すべく、「ビジネスと人権に関する指導原則」を策定していますが、これも強制力のないガイドラインにすぎません。あくまで企業の自主的なCSRに対する取り組みを補完する、促す役割としてのものでした。
ところが、内戦等の原資に使われる可能性のあるレアメタルなどの鉱物資源、いわゆる「紛争鉱物」の取引を規制する法律が10年、米国ドッド・フランク法内に規定されたことを機に、この潮流に変化が生じています。紛争鉱物が市場に出回らないよう、企業行動を法律によって抑制させることになったのです。市民社会からも、企業の人権侵害等に対し、罰則を含めた法的規制の強化を求める動きも強まっています。さらに、この英国・現代奴隷法では強制労働や人身売買等の人権侵害行為全体がその問題の対象となったという点も注目すべきです。紛争鉱物という特定分野だけが対象ではなく、広く「現代の奴隷」にあたる行為が対象となったのです。
ウォークフリー財団の調査では、日本でも約23万人が現代の奴隷労働に従事させられていると報告されています。この主な対象は、米国国務省が毎年発表する「人身売買報告書」でも指摘されている性風俗産業に関するものです。また、今や農業や製造業現場では多くの「技能実習生」が事実上の外国人労働者として働き、日本の産業を下支えしていますが、この実習制度の現場でも、人権侵害が生じていると指摘されています。
日本は東京五輪を20年に控え、特に今年はG7サミット開催国でもあります。日本企業が関わる現代の奴隷や日本政府の取り組み姿勢は国際社会からも強く注目されるでしょう。
日本は国際労働機関(ILO)の8つの基本労働条約のうち、「強制労働の廃止」(105号) と「雇用と職業における差別待遇の禁止」(111号)の2条約を批准しておらず、人権問題に対しては必ずしも積極的な立場にはないことから、英国のような制度が日本ですぐに制定される可能性は低いでしょう。しかし、米国、英国が投じた「変化」が、グローバルな変化へと拡大する可能性は十分にあります。
なんといっても、サプライチェーンがグローバルにつながっている現代においては、米英の法律はあくまで自国企業を対象としたものであっても、間接的に日本企業にも波及するのです。今後、英国・現代奴隷法に相当する法律が他国でも策定されていく可能性もないとはいえないだけに、日本企業も対岸の火事として傍観するのではなく、こうした動きを注視しておくべきでしょう。
(文=大谷 俊/アナリスト)
「最低賃金可」「喜んで残業、休日出勤」外国人技能実習生の雇用勧めるチラシはNG?
https://www.bengo4.com/roudou/1102/1233/n_4208/
2016年01月25日 10時55分 弁護士ドットコムニュース
ツイッターに投稿されたチラシの画像
「外国人技能実習生で人手不足を解消!!」。そんなキャッチコピーで外国人技能実習生の雇用を勧める企業向けの「チラシ」の画像がツイッターに投稿され、波紋を広げた。
そのチラシは「給与は最低賃金が可能」「残業、休日出勤は喜んで仕事します」などとうたい、外国人技能実習生を雇うことのメリットを強調。通訳サポートをしていることや、入国前に日本語やマナーを徹底指導することもアピールしていた。外国人技能実習生の日本での就労を斡旋する業者のようだ。ツイッターの投稿者はチラシについて、「これやばいだろ」としつつ、企業名は伏せていた。
このチラシの画像について「外国人研修生を奴隷かなにかと勘違いしているのではないか」「こんなことが横行する国が先進国と言えるのか」など、多くの批判の声が寄せられた。このようなうたい文句で外国人技能実習生を雇用することは問題ないのだろうか。外国人労働者の問題に詳しい池田泰介弁護士に聞いた。
●深刻な状況に置かれている
「紹介されたうたい文句は、まさに外国人技能実習制度の趣旨と現実の乖離(かいり)を端的に示しています」
池田弁護士はこのように述べる。
「技能実習制度は、国際貢献のために、外国人による技能習得を通じて、日本の技術や知識を海外に移転することを名目としています。ですが、その実態は非熟練単純労働者の不足を解消するための制度といえます。
外国人技能実習生にも日本の労働法が適用されますから、受入先は、入国1年目から労働基準法や最低賃金法を守らなければなりません。
これは、裏を返せば、最低賃金を支払い、労働基準法通りの残業代を支払ってさえいれば、法律上の問題はクリアすることになります」
すると、今回問題となったチラシのような条件で雇用することは、問題ないということだろうか。
「チラシだけをみればそうかもしれませんが、実態として、外国人技能実習制度の問題点がたびたび指摘されています。
通常、この最低賃金から、寮費や食費、水道光熱費等の名目で金銭が控除されます。
入管ガイドラインでは、『寮費や食費を控除する場合には実費を超えてはならない』とされていますが、実際には、実費を超える額が差し引かれ、最低賃金を大きく下回る安価な賃金で労働させられている可能性があります。
また、労働時間の管理がずさんで、長時間のサービス残業を課す、過小な定額残業代を支払う、有給休暇が事実上ないといった事情があれば、当然違法です。
日本人ですら、残業代の不払いなど同種の問題が後を絶ちません。立場がより弱く、しかもセーフティーネットの整備が不十分な外国人技能実習生は、もっと深刻な状況に置かれているのです」
外国人技能実習生を守るための制度はないのだろうか。
「現在、技能実習制度について、新しい法律を制定することが国会で審議されています。おおまかには、次のような内容です。
・現行制度の実習期間を、最長3年から、一定の要件のもとで、さらに2年延長する。
・実習生あっせんと受入先企業の監督業務を担う『監理団体』を許可制とする。
・別途『外国人技能実習機構』という名の第三者機関を設ける。
法案は、現行制度に改善が加えられていると、一定程度評価できます。ただ、安価に人手不足を解消できる実態が変わらない以上、法案の成立によって外国人の受け入れは進む一方で、潜在的な人権侵害がより増えるのではないかと危惧されます」
池田弁護士はこのように述べていた。
(弁護士ドットコムニュース)
低賃金に逃げ出す技能実習生、「強制労働」と米報告書−爆買い無縁
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O1T69I6S972801.html
2016/02/23 08:15 JST ブルームバーグ
日本で3年働いてお金をため、中国でマイホームを建てる。2013年に来日した際、唐夕利 (トウ・ユウリ)さん(35)はそんな希望を抱いていた。しかし今は労働組合のシェルターに身を寄せる。派遣された会社の待遇に耐えかねて逃げて来たのだ。日本に来る中国人は爆買いする観光客ばかりではない。
唐さんは中国東部の儀征市出身。シェルターのある岐阜県羽島市でインタビューに応じた。実習生になろうと3万元(約52万円)以上を中国の送り出し機関に払った。3年後には500万円程度を貯金して帰国できるという触れ込みだった。現在9歳になる娘を残して単身で来日し、タカラ繊維(香川県小豆郡)で約30人の中国人実習生と共に働き始めた。
唐さんの説明によると、仕事は午前7時から午後8時半すぎまで昼休みを挟み13時間半、時給は9時間が香川県が定める最低賃金程度の700円で、残業と土曜勤務は400円だった。寮では1部屋を5人でシェアすることもあり、ボタン付けや糸くず取りの内職もした。こちらは時給ではなく単価の出来高払い。作業は午前2時ぐらいまで続くこともあったという。
家賃や光熱費、福利厚生費、インターネット料金が天引きされ、直近の手取りは月14万円程度、儀征市時代に比べ給料は2倍になったが仕事量も2倍になったと唐さん。携帯電話を持つことは禁止され、一時帰国の際は預金通帳を会社に預けさせられたという。唐さんは「日本に来たことを本当に後悔しているし、友人にも勧めない。苦しんでほしくないから」と語った。唐さんによると、未払い賃金は350万円程度あるという。
タカラ繊維の真砂吉弘常務は、唐さんの労働条件に関してはコメントを控えるとした上で、経営に外国人労働者は不可欠だと話す。日本人は募集しても集まらず、政府と企業には「考え方にねじれがある」と指摘。外国人を単純労働者として受け入れる制度を政府は作るべきだと主張する。実習生は賃金を得たくて日本側は人手不足を埋めたいという「利害関係だけが一致している」と話す。
外国人技能実習制度は1993年に創設された。法務省によると、2012年末から15年6月末までに約20%増え、18万人以上が利用する。厚生労働省によると、農業、漁業、建設、食品製造、繊維などの分野の72職種で受け入れ、ソーセージや段ボール箱製造など単純労働もある。制度の本来の目的は技術普及を通じて国際貢献を図ることにあるが、政府や関係者への取材で見えてきたのは、実際には外国人を安価な労働力として使う抜け道となっている事実だ。
単純労働者
厚労省は14年に実習実施機関に3918件の監督指導を行った。うち76%で労働基準法違反が認められたと企業名を明かさず発表。違反には最低賃金の半分近い時給約310円での就労や、月120時間の残業(労働基準法では原則最長月45時間)、安全措置が講じられていない機械などがあった。法務省入国管理局は14年中に241の受け入れ団体と企業に対して最大で5年間の受け入れ停止命令を出した。
米国務省は15年の人身売買報告書で、実習制度の中で労働者が強制労働の状態を経験しているとし、借金による束縛、パスポートの押収、拘束といった実質的証拠があるにもかかわらず、日本政府は強制労働の被害者を把握していないと指摘した。同報告書によると、実習生の中には最高で1万ドル(約113万円)を支払って職を得て、辞めようとすると数千ドル相当が没収される契約で働く者もいるという。過剰な手数料や保証金、「罰則」の規定も報告されていると指摘した。
国連薬物犯罪事務所によると、人身売買とは搾取を目的に強制的あるいは詐欺などの不正な手段によって人の身柄を獲得すること。また強制労働の被害者は借金によって束縛された移住者も含まれると国連は定めている。
技能実習制度はほとんどの場合、日本の受け入れ団体と海外の送り出し団体が中間に入って日本で働きたい人を企業とマッチングしている。法務省によると、15年1月時点で国内受け入れ団体の数は1924で、企業は3万1320。
3年から5年へ
批判の高まりを受けて政府は制度改正に乗り出している。国会に提出中の外国人技能実習適正実施法案では、実習生を不当に扱う受け入れ機関や企業を取り締まる新しい監視機関を創設することなどを盛り込んだ。実習生に対する人権侵害行為について禁止規定と罰則規定を設け、実習生への相談や情報提供も行う。受け入れ期間も3年から5年に延長する。
制度見直しで政府有識者会議の座長を務めた独協大学法学部の多賀谷一照教授(67)は、移民政策を取っていない日本で移民問題は一種の「タブー」で、共生すべきだという主張があっても「庶民の大部分はそれは認めないでしょう」と話す。期間延長だけでは制度の悪用は減らないと指摘し、「人身売買的に使っているのをこれ以上平気でこのまま続けるのはそれは無理」と、監視機能強化の必要性を強調した。
石破茂地方創生相は1月25日、ブルームバーグのインタビューで、現行制度は技能実習を志してきた人たちを劣悪な労働条件で働かせている部分も「相当ある」と述べ、移民政策を議論する前に「もっと技能実習生に対する処遇をきちんとしますという方が先」と述べた。
技能実習制度を推進する国際研修協力機構(JITCO)は違反を取り締まる権限がないと総務部企画調整課の尾池昭課長は話す。JITCOの運営は受け入れ団体からの会費や厚労省の事業委託費で支えられていて、企業や団体の訪問調査は基本的には事前通告するという。現制度の問題点に関して尾池氏はコメントを控えた。
中国からシフト
実習生の国籍は中国以外にも広がり始めている。法務省によれば、中国人技能実習生の数は12年12月末から15年の6月末までに約14%減り9万6120人となった。背景に中国での人件費の上昇がある。タカラ繊維の真砂氏によると、最低賃金で中国人を雇用するのが難しくなっているという。大量に押し寄せる安い輸入品との価格競争もあり、賃上げも難しいと語った。
北京市の統計によると、14年の北京の平均月収は6463元(約11万1500円)だった。一方、14年度の日本の平均最低賃金で1日8時間労働で得られる月収は12万4800円ほど。加えて、12年末に第2次安倍政権が誕生して以来、円は対元で約20%下落しており、日本で稼いだお金が中国に持ち帰ると目減りする状況となっている。
こうした背景から、ベトナム、フィリピンやインドネシアからの実習生が増えている。法務省の統計によると、技能実習生の国別内訳は12年末には中国が74%を占めていたのに、15年6月末には53%に減少。同じ期間にベトナムは11%から25%に増えた。
電子部品の一部であるコネクターの自動組み立て機を製造するTSS(東京都大田区)では6人の実習生をベトナムから昨年初めて受け入れたと、経営企画室の荒川信行室長(35)は話す。現在は8人の中国人技能実習生もグループ会社である富山精研社(富山県下新川郡)とともに受け入れている。実習生は富山県の工場の生産ラインで働いている。
転職できない
荒川氏によると、両社とも基本給、割り増し残業代、組合の管理費などを合わせ1人当たり月約20万円のコストをかけているという。とはいえ、3年間の期限のある従業員はたとえ有能であっても昇進させるのは難しいという。荒川氏は制度を「ある程度フレキシブルにしてほしい」と訴える。「高く払って意味があるのは中長期的にコミットできる人」であり、「3年しかいないならそんな投資はできない」という。
他の近隣諸国の賃金も上昇すれば、安価な労働力を確保するのは難しくなると指摘するのは、全国中小企業団体中央会労働人材政策本部長の小林信氏(58)だ。制度改正の有識者会議のメンバーも務めた小林氏は、実習制度の拡充だけでは本質的な解決にはならないと指摘する。
外国人技能実習生をサポートする指宿昭一弁護士は、期間が5年に延長されても自由に転職ができない点を問題視する。「時給300円でも、セクハラがあっても、黙って働け」という職場でも転職はできず、送り出した団体に多額の借金を抱える実習生は帰るに帰れない状況になるという。「日本の非正規労働者はひどい状況だと辞めていくが、技能実習生は動けない」と指摘。受け入れ側からすれば「やめない労働力が必要なんです」と話す。
失踪する人もいる。法務省入国管理局によると、14年の失踪者数は4847人で、15年はそれを上回る見込みだという。14年は失踪者のうち60%以上が中国人だった。
シェルター
新幹線・岐阜羽島駅の南口から徒歩数分。黒い外壁の3階建てビルに岐阜一般労働組合が実習生向けに提供するシェルターがある。1月中旬に訪れると、唐さんら中国人9人が生活していた。1階にはスーツケースがいくつも並んでいる。あたりはシャッターやカーテンの閉まった店舗が多い。駅北口の小さな塔は「HASHIMA せんいの街」とうたわれているが、地元の繊維産業は衰退を続けている
張文坤(チョウ・ブンコン)さんがここに来てから数カ月。建設廃棄物処理などを業務とする野辺工業(栃木県下都賀郡)で働いていたときに、木材を粉砕する機械が誤作動し手を負傷した。3カ月の休養から復帰後、手の別の部分が痛み出したことを訴えると、会社は仕事を辞めるよう迫ったという。実習制度は「大失敗だ」「死んだも同然で無意味だ」と話した。
張さんの元同僚3人も逃げた。そのうちの1人、林希俊 (リン・キシュン)さんは日本人同僚のいじめに苦しめられたという。その後、身元を隠して短期の仕事を複数した後に中国に戻った。中国の送り出し団体に6万元を支払って来日した林さんは、ほぼ文無しで帰国。大連近郊の町、瓦房店にいる林さんは電話取材に対し、「自分の夢はつぶされてしまった」「現実はずっと過酷だった」と話した。野辺工業はブルームバーグの取材依頼に応じなかった。
厚労省労働基準局監督課の恩田基弘監察係長は、タカラ繊維と野辺工業を調査しているかどうかの問い合わせに対し、個別の案件の情報は開示しないと述べた。
共生
労働人口が減り続ける中で、技能実習生を含む外国人労働者は羽島市の将来に不可欠だと羽島商工会議所の清水政男専務理事は言う。実習生を「労働力として見ているのは否定しませんし、否定できません」と清水氏。
松井聡羽島市長も、自治体活性化のために外国人労働者を受け入れるべきだとの考えだ。繊維産業の海外との価格競争、製造業の空洞化といった地域経済の課題を克服するにはもっと労働力が必要で、女性や高齢者の活用だけでは追いつかないと、松井氏と清水氏は口をそろえる。松井氏は、グローバル社会で頑張る外国人が一カ所に固まるのではなく、日本人と「共生するようなコミュニティーにすることが必要」と語った。
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