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共産5百万票かく活かすべし 「伯仲政治」作る唯一の道
http://mainichibooks.com/sundaymainichi/column/2016/03/13/post-721.html
サンデー毎日 2016年3月13日号
倉重篤郎のサンデー時評 連載90
民主・維新合流による民主新党が見えてきた。次の課題は、共産党5百万票をいかに取り込むか、にある。政界の傘張り浪人こと亀井静香氏からこんな話を聞いた。
共産党の志位和夫委員長が打ち出した国民連合政府、野党選挙協力構想について、当の志位氏とこんなやりとりをした、というのだ。昨年11月のことである。
亀井氏「志位さんよ。この際共産党も覚悟を決めてやるべきだ」
志位氏「今度の選挙は無駄弾は撃ちません」
亀井氏「共産党が候補者を出さないということで野党をまとめてほしい。あんたのところが出さないと、民主党が非自民票を集めて勝てるところがたくさん出てくる」
志位氏「ただ、民主党の中には共産党に対する拒絶反応もある」
亀井氏「そんなもの気にするな。彼らは得する方なんだから。独り相撲を取ってほしい」
さらに、亀井氏は突っ込んだ。
「選挙で共産党は伸びるよ。ただ限度はある。共産党のにおいがいけない。日本人のにおいがしない」
「えー?」と言う志位氏に対し、亀井氏は国会開会式の欠席問題を取り上げた。共産党が天皇制批判の立場から「(天皇の開会式でのお言葉は)憲法で定めた天皇の国事行為から逸脱する」として戦後ほぼ一貫して欠席してきたことに対し「天皇制は合憲としながら国会の開会式に出てこない。おかしいじゃないか」と畳みかけた。
志位氏の反応は早かった。「わかりました」と即答、年末には衆院議長に出席するとの方針転換を伝え、亀井氏も連絡を受けた。実際、今年1月4日の開会式には志位氏ら幹部が69年ぶりに出席した。
亀井氏からすると、方針転換の裏には、自分の助言があった、と言いたいところなのである。面白いエピソードだと思った。今でこそ野党結集の後見役を任じる亀井氏だが、自民党にいる時はそれこそ主義主張もクリーン度も共産党とは対極の人物であったからである。今回の政局における共産党の柔軟性、本気度を測るうえでは貴重な素材ではないか。先日、東京・代々木の共産党本部を訪ね、志位氏に直接聞いてみた。
「本当に亀井さんからの助言で方針転換したんですか」
志位氏は以下の通り語った。
「実は、1年前の通常国会から検討していた。ただ、踏み切るには従来方針との整理が必要だった。(助言は)亀井さんからも他の人からもあった。今回ちょうど(方針転換に)いい時期と考えた」
亀井氏や小沢一郎氏とも頻繁に連絡を取り合っている、ということまで教えてくれた。
◇1強多弱の安倍政権にいかに対峙するか、野党への秘策あり
野党間の選挙協力についても聞いてみた。志位氏は、依然として強い意欲を示しながらも、タイムリミットが近づいてきていることも強調、なかなか対応を決めきらない民主党に対し苦言を呈した。
その後の志位氏の言動を見ていると、まさにこのタイムリミットを意識して、「譲歩カード」を立て続けに切り出している。
曰(いわ)く。国民連合政府構想にこだわりません。参院選では1人区の独自候補(すでに29人擁立済み)を降ろします。安保法制廃止の一点で選挙協力しましょう、というわけだ。もちろん、党本部、地域レベルの一定の合意が協力の前提とされているが、思い切ってハードルを下げてきた感がある。さらには、衆参ダブルを意識、衆院選でも同様な選挙協力が可能だとしている。すなわち、党勢に応じた野党候補の一本化案である。まさに、無駄弾は撃たぬ、ある意味独り相撲を覚悟のうえでの提案だ。
もちろん、共産党の党利党略もある。機関紙『しんぶん赤旗』の読者数が減少傾向にある中、選挙による財政負担(供託金没収など)を避けんとする思惑、安保法制廃止の市民運動から新たな支持層を開拓せむ、との戦略も透ける。
興味深いのは、一貫して志位共産党主導の政局であることだ。米の一極支配が崩れ中国が台頭するという安保環境激変の節目だけに、国内政治の勢力図もまた地殻変動が必至であろう、とは思っていた。過去の米ソ冷戦時には左右社会党の合体と保守合同が相前後して起こり、冷戦崩壊時には自民党が分裂した。ただ、永田町の政局に参加してこなかった共産党から今回、動きが出るとは意外だった。
さて、民主新党である。合流の器作りにはかろうじてこぎつけた。頭脳部分の理念、政策は旧民主党の発展的継承でいい。問題は下半身の集票力である。この際、あらゆる知恵を絞って共産案に乗ってはいかがか、と私は思う。
なぜならば、今回の選挙(参院単独であってもダブル選になっても)の眼目は、1強多弱の安倍晋三政権に対し、いかに与野党伯仲状況を作り出すかにあるからだ。政権交代は誰も期待していない。安倍政治を節目で牽制(けんせい)する力が欲しいのである。与党内にそれがないとすれば、野党が国会勢力の増強により政権交代を相手に意識させる形でチェックするしかない。
第二に、強い野党になるだけだから「野合批判」を恐れることはない。政策の一致は、次の政権選択選挙までに時間をかけて調整すればよろしい。安保法制については、違憲部分(集団的自衛権行使)は廃止して残りは原状復帰(グレーゾーンには領域警備法)させる民主・維新共同案で、野党対案としては十分ではなかろうか。
第三に、相手が竹馬ならこっちも高下駄(げた)ぐらい履いてもいいのではないか。自民が公明党・創価学会票(13年参院比例区で756万票)の上乗せなしではやっていけなくなっているなら、新民主も共産党の集票力(同515万票)に頼ってみたらどうか。保守票が逃げる、というが、逃がさず両取りする知恵を出すのが政治である。
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