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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160227-00000065-san-pol
産経新聞 2月27日(土)7時55分配信
人口減少社会への突入はこれまでもさまざまな政府調査で報告されたが、国勢調査における確認は日本史に大きな転換点として記されることになろう。
人々が子供を産まなくなれば、やがて社会は縮む−。誰にでも分かる極めて簡単な理屈である。とはいえ、その深刻さを知る人はどれぐらいいるだろうか。
すぐに思い浮かぶのは経済への打撃や年金制度などへの影響だが、問題を矮小(わいしょう)化してはならない。自治体が“消滅”するといったレベルの話でもない。
少子化に伴い出産可能な若い女性の数が急速に減っていく。合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供数の推計値)が多少改善したとしても、出生数の減少に歯止めがかからないということだ。このまま推移すれば200年後の人口は1400万人弱、300年後は450万人を割るとの試算もある。まさに「静かなる有事」といえる。「日本が消えてなくなる過程に入った」ぐらいの強い危機感を共有したい。
人口が激減する過程では社会の混乱や弊害が生じる。最たるものが働き手不足だが、それは国防や防災問題にも直結する。
高齢化で災害弱者が増えるのに、自衛隊や警察、消防といった若い力を必要とする職種の人材確保が困難となるからだ。東日本大震災の人海戦術による救援活動も、組織としての動員力があってこそできた。
国境離島をはじめ人が住まない土地も増えよう。人目に付きづらいエリアの拡大は、「安心・安全」を根底から揺るがす。
人口減少や少子高齢化が当面避けられない以上、人口減少に即した社会への作り替えを急がなければならない。人口拡大期のような大型開発とは決別し、「いかに戦略的に縮小するか」を考えるときだ。コンパクトな町づくりや技術革新、生産性の高い仕事へのシフトなどが重要となる。
同時に進めなければならないのが、少子化対策の強化である。政府は子育て支援策に比重を置いてきたが、結婚や出産を希望する人たちへの積極支援に踏み込んでいく必要がある。
安倍晋三首相は「総人口1億人程度の維持」や「国民希望出生率1・8」という目標を掲げている。トップリーダーが人口減少対策への姿勢を明確に示した意義は大きいが、その実現は簡単ではない。
人口減少対策とは、時に100年単位の政策を打つ必要がある。世代をリレーしながら地道に取り組んでいく枠組みづくりが不可欠である。
そして、国民は“変化”への覚悟を求められよう。「静かなる有事」の克服は、大胆な価値観の転換なしに成し遂げられない。
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