http://www.asyura2.com/16/senkyo201/msg/757.html
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(1) TPP協定の現状
昨年10月5日、アメリカのアトランタでTPP閣僚級会合が開かれ、2度の中断の末に、どのような交渉内容か外部に一切明らかにされないまま、交渉参加12カ国によるTPP協定大筋合意が発表されました。
その後、英文で約6000ページに上る協定文書の内容が明らかにされ、フランス語、スペイン語でも出された協定文書の内容について、参加国の市民団体や専門家による分析が進みました。一方で、日本では、外務省からは協定文書の抄訳(原文の一部のみの翻訳)しか出されず、市民団体や議員事務所が独自に翻訳し、独自に分析を行っています。協定文書の完全な日本語訳が、外務省からは、未だに出されていないという状況は、異常事態と言わざるを得ません。
また、12カ国の間で行われているTPPの協議とは別に、平行して行われていた「日米平行協議」の内容は、政府間での守秘義務を理由に、我々国民に対して、一切明らかにされていませんが、
2月4日には、TPP加盟国による署名式典がニュージーランドのオークランドで開かれ、交渉参加12カ国の関係閣僚が出席して、TPP協定文書への署名が行われました。
参加国政府と多国籍企業の「秘密交渉」で進められ、参加国の議会で批准する前に交渉参加国の政府が署名を行う(ファーストトラック)というやり方で行われるTPPは、民主主義の基本である「国民の知る権利」「議会制民主主義」を行政府が一切無視したものですが、TPPを進める米国政府を操る一握りの多国籍企業と、それに従う各国の政治家、官僚、学者らによる「民主主義に対するクーデター」と言っても過言ではないと思います。
共同通信が、政府が3月8日(火)にTPP関連一括法案を閣議決定すると報道しましたが、政府としては、国民がきちんと理解していないうちに、何としても、今国会中に成立させるつもりだと思われます。
(2) 世論の状況
TPPに対する反対運動は、世界的に大きな広がりを見せていますが、TPPを主導している米国では、大統領選挙の予備選が行われ、民主党の候補者は、全員(※)TPPに反対、共和党では、ニューハンプシャー、サウスカロライナ、ネバダの3州で勝利したトランプもTPPに反対を表明しています。
一方、日本においては、TPPへの反対の声が大きな広がりを見せていません。
これは、政府によって、マスコミに対して、TPPに関する情報統制が行われ、
・牛肉・豚肉などの畜産、米などの農産品、自動車など特定分野に矮小化されていて、その他の分野については、情報が伝えていない
・ISDS条項、ラチェット条項などのいわゆる毒素条項についてほとんど伝えていない
・「日米平行協議」の中に含まれている可能性があるCertificationルール(※)について伝えていない
など、
TPPのメリットばかりが誇張して報道され、デメリットがほとんど報道されていないために、国民のTPPについての理解が深まっていない事が、背景にあると考えられます。
また、海外では、労働者の雇用を守る組合が積極的に反対運動を行っていますが、日本の労働組合団体の「連合」は、TPPに対して、公式に反対を表明しておらず、労働者の間で、TPPに対する反対運動が広がっていない事、自公以外の野党間、野党第一党の民主党の議員の中でもTPPに対するスタンスが異なっている事も、反対世論が盛り上がっていない原因であると考えられます。
※民主党候補者の中のヒラリークリントンは、今までTPPを積極的に推進してきており、TPP関連のロビー団体や企業から、多額の献金を受けている事が明らかになっていますので、大統領選に勝利した後に賛成に回ると言われています。
※Certifigationルール
米国が、二国間FTAやNAFTAで締約国と結んだルール。
米国国内での議会承認のために、その前に相手国の国内法を変えさせる事が出来るというルール。
今回TPP協議と並行して進められていた「日米並行協議」にもCertificationルールが入っている可能性が高い。
米国の国内承認を得るために、日本の国内法が変えられてしまう可能性が高い。
(参考)
「TPPには日本の法体系を破壊する「罠」がある」知的財産権を巡る合意の巨大インパクト
安積明子(東洋経済オンライン)
http://toyokeizai.net/articles/-/106219
(3) 日本最大の労働組合団体「連合」のTPPに対する見解
民主党の支持母体である連合(日本労働組合総連合会)は、
2/4に行われたTPPの署名式典を受け、
オフィシャルサイトの英語ページに
Statement on the Signing of the TPP Agreement (the Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)
を発表しました。
http://www.jtuc-rengo.org/updates/index.cgi?mode=view&no=368&dir=2016%2F02
しかし、この中では、TPPへ反対するということが一切表明されていません。
※英文和訳は文末の通り
連合は2013年6月に発表した声明文
「政府の経済連携に関する取り組み」に対する連合の当面の対応(その2)(2013年6月)
の中で、
連合が所属するITUC(国際労働組合総連合)やITUCに所属する米国最大の労組団体AFL-CIOと連携して、TPPに対応するとしていましたが、
ITUやAFL-CIOのTPPに断固反対する姿勢と大きく異なっています。
(参考)
ITUCのサイト
http://www.ituc-csi.org/trans-pacific-strategic-economic?lang=en
AFL-CIOのサイト
http://www.aflcio.org/Issues/Trade/Trans-Pacific-Partnership-Free-Trade-Agreement-TPP
大企業の組合が中心となっている「連合」としては、TPPによってメリットを享受出来る可能性がある加盟組合に配慮をしているために、「反対」を表明出来ないのか、もしくは、現在の「連合」の執行部が、政府や経団連に抱き込まれてしまっている可能性もあるかもしれません。
連合は、基本理念の中で、「すべての働く人のために」を掲げており、日本最大の労働組合団体として、労働者・生活者の権利を侵害するTPPに対して、すみやかに断固反対を表明すべきだと思います。
今のままでは、参加組合員の利益を優先させる利権団体という誹りを免れないと思います。
(4) TPPは止められる。止めるのは、今。あらゆる事をやりましょう
TPPは、12カ国中6カ国以上が参加し、それらの国のGDPが全体の85%以上でなければ、発効しないことになっています。すなわち、日本と米国の議会が批准しなければ、TPPは発効せず、葬り去る事が出来ます。
もし、日本の議会がTPPを批准しなければ、メリットを得られない米国議会もTPPを批准せず、TPPは発効しません。裏を返せば、TPPを成立させたい米国を牛耳る多国籍企業は、米議会にTPPを批准させるために先に日本にTPPを批准させるつもりなのだと思います。
この場合、日本国内の法律は、NAFTAで行われている様に、米国と多国籍企業の利益に沿う形で、Certificationルールを元にして、変えられてしまうでしょう。
TPPは、絶対に成立させてはいけません。今こそ、TPPをストップさせるために、行動を起こしましょう!
以下のリンク先のフォームから、
連合に対して、TPPに反対するように要請してください!
☛https://goo.gl/8t5Wjd
※ITUCとAFL-CIOには、連合にTPP反対を公式に求めるようにTwitterとメールで、お願いしています。
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(参考:英文和訳)TPP協定(環太平洋戦略的経済連携協定)の締結に関する声明
2016年2月4日
日本労働組合総連合会(JTUC-連合)
事務局長 逢見 直人
2月4日に、TPP交渉に参加した12カ国は、ニュージーランドで、TPP協定の最終テキストに署名しました。TPPの大筋合意が昨年10月に到達したの で、私たちは、政府が適切な情報開示をし、日本の人々へTPPの説明を行うことを要求して来ましたが、日本の人々による合意内容の理解を助け、合意の影響 に関する不安と懸念を軽減するためには、政府による努力は不十分でした。
合意の最終的な文言に達した今、日本政府は国会に合意の承認を求める法案と他の関連法案を付託する予定です。
国会では、政府は、合意に関する内容、解釈と他の問題の詳細をはっきりさせる一方で、日本の人々に対して、完全で、理解できる説明を与えるために苦労することを含め、説明を提供する義務を果たすべきです。
昨年11月、政府は、その中で、農林水産業成長戦略と必要な産業政策を今年の秋頃を目標に確定させるだろうと述べている「環太平洋パートナーシップ (TPP)協定に関連する総合的な政策の概要」を公表しました。特に食品の安全保障のような、食物と農業、林業と漁場セクターを含む安全な社会の基礎に関 連した重要な問題に関して、日本の人々の日常生活に影響を及ぼしそうな懸念事項に対して十分な対抗策を講じるよう、政府は求められます。また、昨年12月 に公開されたTPP協定の経済効果の分析に関しては、第三者機関による検証を含む、合意の適切さにさらに詳細な検討を行う必要があります。
TPPが日本の持続可能な成長と雇用創造だけでなく、アジア太平洋の地域における正当で持続可能な開発ときちんとした仕事の実現に貢献するために、日本労 働組合総連合会(連合)は、日本の民主党と国際労働組合総連合(ITUC)のような関連組織と連携しながら、詳細に渡り、日本の人々の日常生活に影響を及 ぼしそうである懸念の問題とこれらへの対抗措置を調べて、政府に必要な措置をとることを要求します。
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