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2016年02月24日
民主、維新の合併騒ぎは、民主が党名を変えて、維新を吸収する形で成立するようだ。民主党は「立憲民主党」を中心に議論を進めているが、略称が「民主」になることで、維新は愉快ではないようだ。この新たな政党が、自公政権打倒を目標にするのであれば、共産党の過大な協力は欠かせないのだから、もう少し大人な対応に気を配るべきである。共産志位が提唱した「国民連合政府」に花を持たせ、「国民立憲党」等も考慮したら如何なものだろうか。略称は「民憲」漢字の意味合いも悪くない。「憲」の漢字が難しいなら「民立」でも良い。まあ、何れにしても、この2党では、最終的に何も出来ないのだから、共産の選挙活動へのモチベーションアップも、戦略的に党名決定時に、同党に神経を使うべきである。
衆議院選制度改革を巡る問題。衆議院議長の諮問機関による答申は、『10年ごとの大規模国勢調査結果に基づき、都道府県の人口比に応じて定数配分を見直す「アダムズ方式」の導入』を提言しているのだから、自民党の「アダムズ方式」不採用は、党利党略的主張で基本的に無理筋。総体的に見て、自民党の孤立感が目立つが、この無理やりの態度は “噛ませ犬” と認定できる。つまり、最終的に、安倍晋三の決断で、「野党諸君の主張に合わせようじゃないか」のひと言で決まる感じだ。話し合いに応じる、器のデカイ総理演出と云うところだろう。個人的には、議員定数削減が、本末転倒の流れに思える。本来向かうべきは、議員報酬の大幅削減で、議員数は増やしても構わないと考えている。議員報酬の高額が、職業政治屋誕生の温床と考える。
本日の本題に入るが、先ずは、朝日新聞の記事を読んでもらおう。
≪「65カイリ基準」米軍否定 普天間県外移設断念の根拠
2010年に鳩山由紀夫首相(当時)が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県外移設を断念する判断材料となった政府の内部文書を朝日新聞が入手した。米軍の「基準」としてヘリコプター部隊と訓練場との距離を「65カイリ(約120キロ)」以内と明示しているが、在日米軍司令部は朝日新聞の取材に「そのような基準はない」とした。
文書は「普天間移設問題に関する米側からの説明」。10年4月19日付で「極秘」と押印されている。「65海里(約120キロ)の問題」として 「回転翼航空部隊の拠点と同部隊が(陸上部隊と)恒常的に訓練を行うための拠点との間の距離に関する基準であり、米軍のマニュアルに明記されている」と説明している。
普天間飛行場の県外移設を模索した鳩山氏は、この時期、鹿児島県・徳之島への移設を検討。だが、沖縄海兵隊のヘリ部隊の訓練が行われる沖縄本島中北部と徳之島とは約104カイリ(約192キロ)離れ、「65カイリ基準」を満たさない。
鳩山氏は、朝日新聞の取材に「外務省などから説明を受けたと記憶している。訓練場から65カイリ以内でなければ移転は無理だという話があり、徳之島をあきらめる最大の要因だった」と話した。
ところが、朝日新聞がこの文書を元に「65カイリ」の基準やマニュアルの存在を在日米軍司令部に尋ねたところ、同司令部は今月、「米海兵隊の基準や規則に、そのような公式な基準はない」と文書で回答した。徳之島への移設は根拠不明瞭な「基準」に基づいて断念されたことになる。
一方、防衛省は「海兵隊は、陸上部隊とヘリなどの航空部隊が一体性を保つために相互に近傍に所在していることが必要だ」と説明。外務省は「文書の存在は確認できない」と取材に回答した。
≫(朝日新聞デジタル:二階堂勇)
この主張は、鳩山由紀夫側から、何度か流された情報なのだが、鳩山本人は、今さら、四の五の言っても始まらないし、東京地検特捜部と関わりを持ちたくないだろうから、≪「外務省などから説明を受けたと記憶している。訓練場から65カイリ以内でなければ移転は無理だという話があり、徳之島をあきらめる最大の要因だった」≫と曖昧に答えている。しかし、これは単純に見る限り“公文書偽造的”な行為に相違ない。外務と防衛の官僚が、時の総理大臣を、ニセの公文書で騙したのだから、本来であれば、大スキャンダルだ。TVニュースは、きっと何処も報じていないのだろう。
当時の写真のコピーを読む限り、須川内閣官房専門調査?、船越外務省日米安保条約課長、芹沢防衛省日米防衛協力課長の名前が確認できる。この、「普天間移設問題に関する米側からの説明」という書類は極秘扱いであるが、極秘期間は平成7年4月18日までとなっているようなので、公表流出も問題なしと云うことでマスメディアに提供されたと云う流れだ。“死んだ子の歳を数える”という譬えから考えれば、まさに今さらだが、徳之島移転案が潰れたことで、鳩山由紀夫の早期退陣が決定し、小沢一郎の幹事長の退陣に繋がり、民主党は奈落の底に落ちたと理解すると、忌々しき公文書のねつ造である。
まあ、この問題以外にも、鳩山が退陣する重大な理由が隠れている疑いも残る。しかし、表向き、この公文書に基づいた説明を受け、辺野古移設に鳩山が傾いたのが事実であるとすると、官僚たちによる、クーデターの一種と言えるだろう。法律上、この捏造文書が公文書であるかどうか、明白ではないが、実存の官僚たちの名前が記されている以上、偽物だと見破ることは、時の総理でも困難だ。無論、鳩山が、外務や防衛に頼らない独自情報網を持っていなかった脇の甘さを突かれたわけだから、自己責任的要素も残されている。
このような捏造文書のような類の話は、案外、霞が関においては日常茶飯事で起きているのかもしれない。日々、このような捏造文書を作って、官僚が、担当大臣や官邸を騙しているのかもしれない。そうなると、正直、手の打ちようがない。官僚たちは、高学歴で入省、日々専門的に、その問題に関与しているわけだから、本来であれば、国の知恵袋、活用しない手はない。しかし、財務、総務、経産、厚労省等々が、こういう捏造文書を作っているのかと思うと、国の真の姿は、永遠に見えてこない。見えてこないから、政治が、国の問題点を、治政するチャンスさえ見出せない実態だと言えるのだろう。無力感が漂う話だ。このコピーに名前の出ている人物らへの証人喚問や、沖縄県側の証人として出廷など、考える余地はありそうだ。
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