http://www.asyura2.com/16/senkyo201/msg/736.html
Tweet |
安倍政権で始まった防衛省制服組の暴走をどう見るべきか
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/175900
2016年2月23日 日刊ゲンダイ 文字お越し
海上自衛隊観艦式での安倍首相(C)日刊ゲンダイ
かくなる上は今すぐ、狂乱内閣を放逐するしかないが腰砕けメディアと野党のせいで日本は分水嶺を超えてしまった
いつものように大新聞テレビは、まったく報じようとしないが、これは大変なことだ。東京新聞(22日付)が、驚愕の事実を伝えている。ほとんどの日本人が、その事実を知らないはずである。
自衛隊の「制服組」が、「背広組」に対して「権限を寄こせ」と迫っているというのだ。戦後、日本はシビリアンコントロールを確固たるものにするために、実力組織である「制服組」の力を弱め、防衛官僚である「背広組」に強い権限を与えてきた。ところが、「制服組」が、「背広組」から権限を奪い取ろうとしているという。
いま、争点になっているのは「統合防衛及び警備基本計画」というもの。自衛隊の「長期作戦計画」を策定するものだ。これまでは「背広組」が大きな方針を定めた大臣指針を決め、「制服組」はその方針に従って細かな軍事作戦を作成していた。ところが、まるでクーデターのように、現場の「制服組」が、「長期計画も俺たちが決める」と強硬に主張。さすがに、「背広組」は拒否しているが、ギリギリの攻防がつづいているという。コトの重大性について、軍事評論家の前田哲男氏がこう言う。
「いよいよ、自衛隊の現場が暴走しはじめたということでしょう。戦後『背広組』の権限を強くしたのは、戦前、軍部の暴走を止められなかった反省からです。総理大臣や防衛大臣を文民にするのはもちろん、現場も文民の権限を強くした。『背広組』は『制服組』の上位に位置づけられていました。ところが、昨年6月、安倍内閣が“防衛省設置法”を変更して『背広組』の優位性を奪い、『背広組』と『制服組』を同列にしてしまった。勢いに乗った現場の『制服組』は、一気に『背広組』の上位に立つつもりでしょう」
しかし、これを許したら、戦後の平和ニッポンの姿は大きく変わってしまう。軍事組織の「長期作戦計画」は、まさに政治であり外交である。自衛隊の現場に作らせるということは、日本の政治と外交に、直接、自衛隊が口を挟むということだ。軍部が政治を動かした戦前と変わらなくなってしまう。
■「NO WAR」のシャツを着ただけで職務質問
大手メディアは問題にしようともしないが、もはや日本は分水嶺を越えてしまったのではないか。暴走しているのは、自衛隊だけじゃないからだ。
昨秋、キャスターのピーター・バラカンさんが体験した出来事は強烈だ。東京都心の広尾から六本木へ歩いていたら、警官2人から呼び止められ、「どこかへ抗議に行かれる予定ですか」「あなたの服に9条と書いてありますので」と職務質問されたという。胸に〈bX NO WAR〉〈LOVE&PEACE〉とプリントされたシャツを着ていたのが理由だ。警官は「抗議活動があれば事前に把握したいので」とも聞いてきたという。シャツを着ただけで、「どこに行く」と足止めするなんて、戦前の特高警察と変わらない。
その一方、安倍内閣は、メディアに対してすさまじい圧力をかけつづけている。とうとう高市早苗総務大臣は、テレビ局に対して公然と「電波停止」をチラつかせはじめた。政府に逆らうメディアは、本気で黙らせるつもりだ。
安倍首相は「言論の自由」など、屁とも思っていないし、大切さを考えたこともないらしい。
2月15日の衆院予算委で、民主党の山尾志桜里議員から、「表現の自由の優越的地位とはなにか」と問われた首相は、「ま、これは、あの、ま、いわば、法的に正確にお答えすればですね、経済的自由、そして、えー」と、シドロモドロになり、「経済的自由」が、「表現の自由」より優越するかのような混乱答弁をした。立正大教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。
「言論の自由を含む精神的自由が、経済的自由より優越することは、憲法の基本のキです。精神的自由は、よほどの理由がない限り制限できない。改憲を掲げる総理大臣が答えられなかったのは衝撃です。安倍内閣が“電波の停止”を持ちだしてテレビ局という言論機関に介入しているのは、憲法の大原則を知らないからでしょう。恐らく、安倍首相は、権力が言論機関に介入することと、例えば不法建築をした建設業者に行政が処分を下すことを同一視しているのだと思う。あまりにも不勉強というか、無知すぎます」
答弁に詰まった安倍首相は、山尾議員に対して「私にクイズのように聞くこと自体が意味がない」と逆ギレしている。
意図的にナショナリズムを煽っている
「電波停止」(C)日刊ゲンダイ
安倍内閣の誕生後、日本社会が大きく変わりはじめたのは間違いない。
自衛隊の「制服組」が我がモノ顔でふるまい、散歩しているだけで市民が警官に呼び止められるなど、10年前には考えられなかったことだ。安倍内閣に盾突いたテレビキャスターは全員、排除されてしまった。この国は、一歩ずつ戦前に近づいている。
「日本会議」という極右組織が政界への影響力を強め、日本会議シンパの「国会議員懇談会」には、自民党を中心に約280人の政治家が名前を連ねている。
深刻なのは、戦争の悲惨さを知らない男が、「日本を取り戻す」と安保法案を成立させ、しかも、中国や北朝鮮の危機を喧伝し、国民のナショナリズムを意図的に煽っていることだ。
「安倍首相が厄介なのは、理屈が通じないというか、論争が成り立たないことです。憲法や歴史など、基本的なことを勉強していれば、相手と論争を戦わせようとするものです。論争に負けたら、意見を引っ込めるのが、議会制民主主義のマナーです。でも、基礎的な知識がなく、観念的に『戦後の日本は間違っている』『憲法はアメリカに押しつけられたものだ』と思い込んでいる安倍首相は、最初から論争する気がないのでしょう。野党からなにを言われても、『私が責任者だ』『民主党に言われたくない』と居直り、相手の意見を聞こうとしない。自分が正しいの一点張り。理屈の通じない相手を倒すのは難しいと思います」(金子勝氏=前出)
■安倍首相の野望は着々と進んでいる
このままでは、日本は行き着くところまで行ってしまうのではないか。
日本社会は急速に右傾化し、息苦しくなっているのに、安倍内閣の支持率は、ほとんど下がらない。野党は安倍内閣に歯が立たず、大手メディアは批判しようともしない状況である。
もし、いま国内でテロでも起きたら、安倍応援団の御用メディアだけでなく、全メディアが一色に染まり、「テロに屈するな」「治安を強化すべきだ」「自由の制限も仕方ない」の大合唱になり、異論を唱えた瞬間、「国賊」「売国奴」と猛攻撃を受けるのは目に見えている。
そのまま、日本は、戦前のような暗黒の「全体主義」に突入する可能性が高い。
「安倍首相は力ずくで、この国を戦前のような戦争をする国にしようとしている。その野望は着々と進んでいると思う。戦争をするためには、システム、ハード、ソフトの3つが必要です。システムとは、法律や制度です。これは安保法案を成立させた。ハードは、軍事力。これも軍事費を5兆円に膨らませ装備を充実させている。ソフトは、社会の雰囲気づくりです。国民のナショナリズムを高め、戦争やむなしという世論を作る必要があります。これが一番難しい。でも、大手メディアを抑え込んだことで完成しつつある。いま日本は、戦後の日本を守るのか、戦前に回帰してしまうのか、ギリギリのところにあると思います」(政治学者・五十嵐仁氏)
いま進んでいる自衛隊「制服組」の権限拡大は、この国の破滅の第一歩なのかもしれない。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK201掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。