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閣僚らの暴言、失言を書かない大新聞の腐敗劣化
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/175684
2016年2月19日 日刊ゲンダイ 文字お越し
これでは内閣支持率が下がらないのも当たり前だ(C)日刊ゲンダイ
過日、国会で安倍政権がメディアを萎縮させているかどうかが議論になった。
安倍首相は「日刊ゲンダイ」を例に挙げて「これが萎縮している姿ですか」と反論していたが、「大新聞の名前を挙げられないその答弁こそが、萎縮を認めている証左」だろう。もっとも、最近の大新聞を読んでいると、これは「萎縮」などという生易しい事態ではないように思えてくる。むしろ大新聞側が、積極的に政権に「すり寄っている」ように見える。
このところ国会では、連日、安倍本人や閣僚、自民党議員による妄言、失言、暴言の嵐だ。ところが、大新聞はまるで報じない。
例えば、15日の衆院予算委員会での安倍の年金減額発言。株価下落でGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に運用損が出たらと問われ、「想定の利益が出ないなら、給付で調整するしかない」と開き直った一件だ。虎の子の年金をリスクのある株で運用してくれなど、国民は誰も頼んでいない。勝手に株にブッ込んでおいて、損失が出たら減額なんて、許されない。普通なら大新聞が揃ってトップニュースで報じるべきなのに、ベタ記事扱いだった。
■政権の失態も囲み記事でお茶濁す
麻生財務相との軽減税率導入を巡るやりとりもそうだ。同じく15日の予算委で「ある程度、混乱が起きると覚悟しておかないと」とシレッと発言。中小零細商店が廃業する可能性についても、「そういった例がないとは言わない」と言い放ったが、大新聞はこれも小さく報じた程度だった。18日になって麻生はこの答弁を訂正したものの、「誤解を招いたなら」と、条件付き弁解。本人は悪いと思っちゃいないんだろう。
「誤解を招いたなら」という言い草は、放射能の除染基準に関し無知をさらけ出した丸川環境相も使っていた。法律知識のない岩城法相、担当なのに「歯舞」を読めなかった島尻らアホ閣僚の失態も、大新聞は囲み程度でお茶を濁していた。
甘利前経済再生相の口利きだって、本人が“睡眠障害”で雲隠れしてしまったら、大きく書かない。レクサスおねだりも、秘書個人の問題のように矮小化している。甘利口利きは、自民党を巡る長年の政官財癒着が根っこにある疑獄事件なのに、大新聞の追及は信じられないような腰砕けぶりなのだ。
■まともなジャーナリスト感覚を喪失
そのくせ大新聞は、「野党共闘つぶし」になるネタはことのほか熱心に取り上げる。
安倍“応援団”の読売が〈解党に慎重な民主へ不満〉〈維新、新党構想棚上げも〉と連日、民主と維新の不協和音を書きまくり、日経も17日、〈民維合流 八方ふさがり〉と報じた。
そうしたら、18日の朝日が1面に〈民維合流先送り方針〉と大見出しを打った。
自民党の丸山和也参院議員による「黒人、奴隷が大統領」という、驚愕の問題発言もあったのに、それは第2社会面の下の方の囲み記事扱いだった。
丸山発言は、日米関係に亀裂が生じかねない大暴言である。ちなみにブロック紙の東京新聞は、丸山発言を1面でデカデカやっていた。これぞ、マトモな感覚だろう。
政治評論家の野上忠興氏も呆れてこう言う。
「丸山議員の『奴隷』発言なんて、海外特派員が聞いたら『この国の民度はどうなっているのか』と腰を抜かすような大失言で、囲み記事で済ますなんておかしい。甘利前大臣は会見時に、秘書について調査結果を出すと明言していた。あれはどうなったのか。新聞はなぜもっと追及しないのでしょうか。『野党共闘つぶし』にしても目に余ります。本来、まともなジャーナリスト感覚なら、野党に一定程度の力があってこそ、政治の緊張関係が維持でき、健全な民主主義が育つと考えるものです。そうしたメディアの役割を放棄してしまっています」
もはや大新聞は、安倍官邸と一体化していると言わざるを得ない。
真実を書かない日本の大新聞は読む価値がない
アベノミクスは終わった(C)日刊ゲンダイ
とことん劣化した日本の大新聞を尻目に、海外メディアはガンガン厳しい記事を書いている。
米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は12日付で〈アベノミクスに大した威力はないことが判明した〉と酷評した。英BBCも15日、〈アベノミクスは終わったのか〉という長い解説記事を発表、市場関係者の注目を集めている。
日銀が“禁じ手”のマイナス金利導入に踏み切っても、狙ったように円安株高にならない。15年10〜12月期のGDPも年率1.4%減とボロボロ。昨年の1世帯あたりの消費支出は2年連続で減少だ。こうした数字を直視すれば、海外メディアのように「アベノミクスは終焉」という記事になるのが当然だ。
ところが、GDPが発表された翌日の日本の大新聞は「アベノミクス正念場」(朝日)、「アベノミクス苦境」(毎日)である。日銀の手詰まりがここまで露呈し、明るい兆しは何もないのに、曖昧な表現で読者を欺いている。
経済評論家の斎藤満氏がこう言う。
「欧米メディアは政府批判になろうが主義主張を公然と書く。客観的な批判は結果的に政策を前に進める一助となるという考え方があるからです。しかし、日本の新聞は違う。政府のご機嫌取りをしているからバイアスがかかっている。GDPがマイナス成長という客観的な数字があるのだから、そのまま『悪い』と書けばいいのに、政府の発表に沿ってねじ曲げて書く。読者をミスリードしています。私は最近、日本の新聞はほとんど読みません。『WSJ』や『フィナンシャル・タイムズ』『ニューヨーク・タイムズ』を読んだ方が、むしろ日本の実情がよく分かりますよ」
■「俺を悪く書くメディアはない」
新聞は「放送法」で総務大臣に首根っこを掴まれているテレビ局とは違うのに、なぜ政権に遠慮をするのか。政官財癒着も、大臣の資質のなさも、経済の行き詰まりも、安倍の品のない感情的な答弁についてもハッキリ書かない。これでは安倍政権の恥部や問題点が明確にされず、内閣支持率が下がらないのも当たり前だ。
朝日が最新の世論調査で、甘利問題で安倍内閣のイメージがどうなったかを聞いていたが、「変わらない」が61%、「悪くなった」は33%に過ぎなかった。大新聞が徹底的に問題にしないから、世論も生ぬるい反応になってしまうのだろう。
大新聞の腐敗について、前出の野上忠興氏がこんな舞台裏を話してくれた。
「第2次政権発足後、新聞がどんどん安倍首相になびく中で、最後に取り残された朝日新聞は13年2月、社長が安倍首相と会食し、その2週間後に単独インタビューを掲載した。安倍首相と朝日が“手打ちした”と言われたものですが、その際、安倍さんはオフレコ懇談で、『これで朝日を押さえた。もう怖いものはない。俺のことを悪く書くメディアはない』と勝ち誇った様子だったそうです。大新聞が安倍政権に媚びるのは広告収入が減るのではないかという恐怖もある。財界は今、政府と一体ですから、政権に盾突いて後ろから手を回され、広告を減らされてはたまらない。新聞の売り上げが減り続けている厳しいご時世だから、権力側にいなければ生きていけない、背に腹は代えられない、といったところなのでしょう」
だから、狂乱政権がイイ気になる。国会答弁なんてアリバイ。適当にこなせばいいという軽視。民主党の質問にまともに答えず、ヘラヘラ笑い、上から目線でバカにする。
これをやり過ごす大新聞も、安倍たちと同じ感覚でいるのだろう。権力の監視ではなく、権力側に立ち、完全に毒が回っている。
国民は、大新聞の正体をしっかり凝視すべきである。
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