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甘利氏辞任後、国会でエキサイトする場面が増えた〔PHOTO〕gettyimages
衆参ダブルはもうやめた!? 安倍総理が近頃考える「4月解散総選挙で圧勝」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47912
2016年02月17日(水) 週刊現代 :現代ビジネス
安倍総理は怒りに満ちている。甘利氏をハメたのは誰なのか、と。そして総理は、彼を救い、自分をも救う唯一の武器を手にしている。ならば、それを抜き放つしかない。今使わずに、いつ使うのだ——。
■甘利くんを助けなきゃ!
それが、来るべき「異変」の兆しであると、ほんの一部の人々のみが気付いている。
「あれっと思いました。甘利(明・前経済再生担当相)さんの後任に、石原(伸晃)さんが決まったと聞いた時です。
実は安倍晋三総理は、石原さんのことが『顔を見るのもイヤなくらい、大嫌い』なんですよ。そんな人物を、政権の命運を左右しかねない重職に就けた。何かがおかしい。
その時、気が付いたのです。『安倍総理は、この体制を長く続けるつもりはないんだ』ってね」(自民党幹部の一人)
甘利前大臣の金銭授受疑惑と辞任劇により、安倍政権は大きな打撃を受けた——ように見える。
民主党をはじめとした野党はここぞとばかりに拳を振り上げ、総理の任命責任を追及。国会でも総理が守勢に立たされているようにも見える。
しかし安倍総理は、それらすべてを一撃で「チャラ」にする必殺の刃を懐に隠し持っている。言うまでもなく、「衆院解散」という切り札だ。
そして冒頭の自民党幹部らは、気付いてしまった。総理の刃は、もう鞘に収まっていない。もはや「抜き身」になっているのだ、と。
自民党閣僚経験者がこう語る。
「ここのところ、永田町では『夏の衆参ダブル選挙』が取り沙汰されてきました。当初は『まさか』という雰囲気でしたが、総理の改憲に向けた執念や健康状態から鑑みて、十分にあり得る、というのが主流になりつつあった。でも、その見方すら『甘い』ようです。
選対関係者らは今、さらなる奇襲策、『4月前倒し総選挙』という驚天動地のシナリオまでを念頭に対応を迫られています」
すべてを変えたのは、盟友・甘利氏の辞任劇だ。
同氏は不用意な発言がしばしば相場の乱高下を招くなど問題も多かったが、安倍総理にとっては自分を長年支えてきてくれた「心友」であり、政権内でもっとも信用できる兄貴分でもあった。
それ故、甘利氏が口利き&金銭授受疑惑で窮地に陥った際、誰よりも彼を守るべく必死になったのも、安倍総理である。
「安倍さんは甘利さんを引き留めようと何度も説得し、それでも甘利さんの辞任の意思が固いと見ると、涙を流して悔しがっていました。今は、甘利さんが自責の念から自殺してしまわないかと本気で心配しているそうです」(官邸関係者)
とはいえ形勢は厳しい。甘利氏はとりあえず大臣を辞任したが、今後、収賄などの容疑で本人と事務所に強制捜査が入る可能性も高まってきている。そうなれば大臣どころか、議員職自体を失う可能性が高い。つまり、「常識的」な手段ではもはや、甘利氏を救うことは極めて難しくなったということだ。
そこで急浮上してきたのが、「非常識」な方策、言葉を変えれば「異次元」のプランである。
「4月解散総選挙」
が、まさにそれだ。
■だって寂しいんだよ
甘利氏の辞任以来、安倍総理は官邸で「ひとりぼっち」になってしまったという。
「官邸はこれまで、『3A1S(安倍、甘利、麻生、菅)』がバランスをとって回ってきましたが、甘利さんの辞任で官邸に『権力のゆがみ』が生まれました。いままで甘利さんが菅(義偉官房長官)さんの牽制役となり、菅さんに、過度に力が集中することが避けられていたのに、それが崩れた。
安倍総理にとっては大先輩でかつてのボスである麻生(太郎)さんとの調整役も、甘利さんでした。結局安倍さんは、甘利さんなしでは安心して官邸にいられない。だから、一刻も早く帰ってきてほしいのです」(政治評論家・浅川博忠氏)
麻生副総理は閣内の御意見番だが、近ごろは政界引退を周囲に仄めかしている。一方、菅氏は忠実な執事役という顔をしつつも、「ポスト安倍」を狙っているのは明らかで、心の底から信用はできない。苦労人を売りにしている点もサラブレッドの安倍総理とは毛色が違い、同じ世襲議員の甘利氏のようには腹を割って話せない……。
そんなところに、「ロクに目も合わさない、声もかけない」(前出・自民党幹部)という石原氏を招聘したのである。
「どう見ても超短期のワンポイント・リリーフ。早期解散への布石として、挙党態勢を作るため、派閥間のバランスを再構築した」(中堅代議士)と見るのが妥当ということだ。
精神安定剤を失った安倍総理にしてみれば、「可及的速やか」に解散に打って出る必要は、その他の観点からも増えている。
その大きな理由のひとつは、経済状況だ。
世界的な景気後退と混乱が広がる中、日銀は1月末にマイナス金利の導入を決定。サプライズによって株価はいったん持ち直したかのように見えたが、上がったところで売り浴びせを食らい、たった1週間で株価も為替も元の水準に押し戻された。
今後、中国経済が再クラッシュするなど異変が起きれば、もはや日銀に打つ手は乏しい。解散時期を先延ばしすると、「アベノミクス崩壊」と総選挙のタイミングが重なってしまう恐れがある。
「今後は消費税の10%への再増税問題も控えています。総理は表向き『やる』と言っていますが、株価が下がり景気が後退していく中で再増税を強行し、そこで選挙になったら絶対に勝てない。
ならばそれを逆手にとって、『増税は再延期します。公約違反になりますが許してもらえますか?』という大義名分で先に選挙をしてしまったほうがいい。
4月はGDP成長率の急減速などが明らかになっているはずの時期で、この『増税再延期』を錦の御旗にするにはうってつけのタイミングだと言えます」(前出・閣僚経験者)
さらに、側近がスキャンダルで失脚するという大事故を起こしながら、政権支持率が下がるどころかむしろ上がったことも、安倍総理にとっては強気になれる材料だ。
甘利氏の辞任直後、メディア各社が行った世論調査の結果は、共同通信が支持率54%、読売新聞が56%、安倍政権に批判的な毎日新聞ですら51%など、軒並み前回調査よりアップしている。
■勝てば全部チャラ
民主党中堅代議士が悔しそうにこう話す。
「甘利氏辞任時は『安倍政権を打倒する最大のチャンスが来た!』と幹部たちも息巻いておりまして、『いっそ、こちらから早期解散に追い込め!』という雰囲気でした。
ところが世論の反応は真逆……すっかり意気消沈しています。風向きを読むのが上手い新党大地の鈴木宗男さんが自民党に接近しているのもショックですね。娘の貴子議員(民主党)を自民党入りさせると言われています。これで選挙になれば結局は大敗してしまう」
もともと安倍政権は「ポンコツ大臣」だらけである。パンツ泥棒の疑いが濃厚とされる高木毅復興相や、やはり金銭疑惑を指摘されている島尻安伊子沖縄担当相、口利き疑惑が浮上した遠藤利明五輪相などなど。
本来なら政権が何度も吹っ飛んでいるはずが、支持率は落ちない。ここで解散総選挙をして勝ってしまえば、「禊」は済んだことになり、不良閣僚への追及は収まる。そして、甘利氏も復活して戻ってくる—。
「自民党の議員たちはすでに『いつ解散になってもおかしくない』と選挙モードに入っていて、年明けから新年会だ、2月は節分だ、北国なら雪見会だ、と地元の票固めを始めています」(全国紙政治部デスク)
ところで甘利氏は、武田信玄がまだ晴信と名乗っていた頃に股肱の臣を務めた、猛将・甘利虎泰の子孫を自称している。
甘利虎泰は、信玄が信濃に攻め込み、自信過剰から来る油断により大敗を喫した際、主君を守って散ったとされる。信玄は深く反省し、逆襲して信濃を手中に収め、強豪大名へと成長していく。
ご先祖に比べ、カネをもらった疑惑で失脚とは、恥ずかしい限りである。しかし現・甘利氏も、「討ち死に」によって主君を動かし、結果として勢力伸長の一助になるのかもしれない。政治家は選挙で蘇生できるのだから、武将と違い気楽なものだ。
武田信玄のその後に「川中島の戦い」が待っていたように、安倍総理には「憲法改正」という大合戦が待っている。その野望を前に、安倍総理が立ち止まることは絶対にないのだ。
「週刊現代」2016年2月20日号より
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