http://www.asyura2.com/16/senkyo201/msg/395.html
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GDPがマイナス1・4%になったのに実体経済は良好という安倍首相と、それをそのまま垂れ流すNHK。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/b28657e49081c5b1e7d162340d4d3875
2016年02月16日 | 社会とマスコミ Everyone says I love you !
GDPがマイナスに “実体経済は変わらず良好” という見出しが矛盾しすぎていることにも気づかないのか、NHK。
2015年10月から12月の実質GDPが年換算でマイナス1・4%になったことについて。
安倍首相も石原経済再生担当相も口をそろえて、暖冬のせいだ(笑)というのですが、そんなことで説明できるんですかね。
そして、安倍首相も石原大臣も、日本の実体経済は悪くない、ファンダメンタルズは良好だと言っているのですが、ファンダメンタルズ(基礎的条件)の意味が分かっているんでしょうか。
安倍首相は、その証拠として
1 名目雇用者報酬は前年よりアップ
2 企業収益は高いまま
3 有効求人倍率は改善
という3つの数字を挙げているのですが、あのね、実質賃金は4年連続マイナス、安倍政権になってから3年連続マイナスで一回も上がったことがないんですよ。
安倍政権になってから3年連続で実質賃金が下がりっぱなし!2015年も0・9%減。素晴らしき哉、アベノミクス。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/dbbba672cb5a0d2793d2b0bfa26f6eaa
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物価が上がっているんだから、それ以上に賃金が上がって実質賃金が上がらないと、生活は苦しくなるばかりだということがわからないんでしょうか。なんで、ここだけ名目の(物価を考慮しない)数字を出してくるのか。
企業収益は高いと言いますが、円高で輸出大企業の利益は目減りするでしょうし、マイナス金利でメガバンクは大損を出すでしょう。これらの企業の株はどんどん下がっていて、つまり、株を財産にしている企業の財産はどんどん減っているのです。
有効求人倍率が高い、特に高知県ははじめて有効求人倍率が1.0になったという話を安倍首相はアベノミクスが地方にも及んだという例えとして好んで使うのですが、なんと、それは働き盛りの世代が大都市に出て行ってしまって、労働人口が減ったため、職を求める人の数も減り、有効求人倍率が上がっただけであることがわかっています。
全国的に見ても、少子高齢化で労働人口が減っているから、何もしなくてもそれだけで有効求人倍率は自然と上がる関係にあります。
安倍内閣になってからの3年間と、民主党政権時代の3年間を比較すると、安倍政権の実質GDPの伸び率は民主党政権時代の半分になってしまっています。
このどこが、実体経済は良好と言えるのでしょうか。
安倍首相「景気回復の実感がない人はたまたま。数字はうそをつかない」。世論調査では実感がない人が73%w
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/ccd609919b6ceb665af223ffcf702cbd
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で、冒頭の画像や、下のニュースなんですが、NHKの大本営発表ぶりはひどくないですか?
末尾のBBCの報道が多角的にアベノミクスを分析しているのに対して、NHKはただ安倍首相や石原経済再生大臣の言ったことをそのまま垂れ流すだけです。
こんなの、もうジャーナリズムと言えません。
さすが、政府が右というものを左とは言えないNHKです。
籾井会長がゴルフにいくタクシー代をNHKに支払わせていたことが内部通報で発覚 これは業務上横領罪だ
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/ac163c837897e719573ddb875003b9ba
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「へい、NHK。なんで安倍首相に『帰れ!』と叫んでいる人々を映さないんだ?」グリフィスAFP通信副支局長
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/a01fce741dc6a34753af95b14be2e1d0
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アベノミクスの終焉、ピケティの反乱、マルクスの逆襲 (さよなら安倍政権)
友寄英隆 著
かもがわ出版
最新刊。
ピケティ・ブームは、格差を拡大したアベノミクスを国民が突き放しつつあることを示している。安倍政権の経済政策を軍事力強化路線を含めて全体的にとらえ直し、マルクス『資本論』の視点もふまえ、経済政策をめぐる対決点を再定義した。
国民なき経済成長 脱・アホノミクスのすすめ (角川新書)
浜 矩子 (著)
KADOKAWA / 角川書店
株価は上昇しているのに、多くの国民の生活は良くならない―。人間の姿が見えない「アベノミクス」は、何の「ミクス」でもないと著者は言う。「アホノミクス」の提唱者が語る、日本経済の現状とあるべき未来像。
アベノミクスの終焉 (岩波新書)
服部茂幸 著
岩波書店
政府と日銀が紡ぐ「アベノミクスによって日本経済は回復しつつある」という「物語」。しかし、それは真実なのか。異次元緩和の始まりから一年がたった今、いくつもの「つまずき」を抱えたアベノミクスの実態が明らかになっている。政治のレトリックに惑わされることなく、客観的なデータにもとづき、警鐘を鳴らす。
アベノミクス批判――四本の矢を折る
伊東光晴 著
岩波書店
アベノミクスと称される一連の経済政策は果たして有効か。近時の株価上昇、円安はアベノミクスの恩恵か。第一、第二、第三の矢を順次検討し、いずれも長期不況からの脱却にはつながらないことを明らかにする。さらに第四の矢ともいうべき、安倍政権の真の狙いである憲法改正など「戦後政治改変」の動きもあわせて批判する。
首相 景気回復見込むも新興国の動向注視
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160215/k10010410131000.html
2月15日 19時27分 NHK
安倍総理大臣は、衆議院予算委員会の集中審議で、去年10月から12月までのGDP=国内総生産の伸び率が、年率に換算してマイナス1.4%となったことについて、日本経済の実態が良好な状況に変わりはなく、緩やかな景気の回復が見込まれるとする一方、新興国経済の動向などを注視する考えを示しました。
この中で、改革結集の会の鈴木政務調査会長は、去年10月から12月までのGDPの伸び率が、前の3か月と比べて、物価の変動を除いた実質でマイナス0.4%、年率に換算してマイナス1.4%と、2期ぶりにマイナスとなったことについて、認識をただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「記録的な暖冬の影響を背景に、前期比で年率マイナス1.4%となったが、名目雇用者報酬は前年同期比1.8%増となり、設備投資も小幅ながら2期連続のプラスになっている。企業収益は引き続き高い水準になる見込みで、有効求人倍率は改善が続いており、総合的に踏まえると、日本経済の基礎的条件=ファンダメンタルズは良好であり、その状況に変化があるとは認識していない」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は、「今後は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、景気は緩やかな回復に向かうと見込まれる。ただし、中国や世界経済の変動の影響を受けやすい、資源国をはじめとする新興国の動向や市場の動きを、緊張感を持って注視していきたい」と述べました。
また、安倍総理大臣は、このところの急激な円高について、「急激な為替相場の変動は望ましくないと考えており、今月下旬に上海で開催されるG20、主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議で、市場変動の要因となっている世界経済情勢に、しっかりした対応をとってもらいたい」と述べました。
放送行政における政治的公平性
一方、民主党の山尾国会対策副委員長は、放送行政における政治的公平性の解釈についての政府統一見解に関して、「これまでどの政権においても、1つの番組で政治的公平性を判断するという解釈を示した政権はないが、なぜ解釈を変えたのか」と質問しました。
これに対し、高市総務大臣は、「放送法4条の政治的な公平性について、番組全体で判断するという従来からの解釈には何ら変更はない。ただ、番組全体を見て判断するとしても、番組全体は1つ1つの番組の集合体なので、1つ1つの番組を見なければ全体の判断もできない」と述べました。
また、高市大臣は、放送事業者が政治的な公平性を欠く放送を繰り返した場合、電波法に基づく電波の停止を命じる可能性があると答弁したことに関して、「民主党政権だった平成22年11月26日の参議院総務委員会で、当時の平岡総務副大臣からも、放送法4条が法規範性を有することや、番組準則に違反した場合には総務大臣が業務停止命令や運用停止命令ができることなど、私が述べた内容について、民主党政権下でも同じように答弁されている」と述べました。
甘利前大臣の元秘書とUR担当者との面会
民主党の玉木選挙対策委員長代理は、千葉県の建設会社との補償交渉を巡り、甘利前経済再生担当大臣の元秘書がUR=都市再生機構の担当者と面会したことに関連して、「われわれは、甘利事務所の秘書がURとの補償交渉に深く介入していたことを裏付ける音声データと議事録を独自に入手した。秘書の介入を否定した甘利氏本人にどう説明責任を果たさせるのか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は、「甘利前大臣は、辞任の記者会見で、その段階で把握している事実を説明し、その段階での認識を示したのだろう。甘利前大臣は『説明責任を果たしていく』と言っており、説明責任を果たしていくものと考えている」と述べました。
石原経済再生相「日本経済の実態は良好」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160215/k10010409621000.html
2月15日 11時43分 NHK
去年10月から12月までのGDP=国内総生産の伸び率が実質で2期ぶりにマイナスとなったことについて、石原経済再生担当大臣は、記者会見で「灯油などの消費が落ち込んで、暖冬の影響が意外にきいているという印象はある。ただ、雇用と所得環境の改善は底流では変わっておらず、日本経済の実態が良好だという状況に変化があるとは認識していない」と述べました。
そのうえで石原大臣は「世界経済の機関車役である中国の景気に先行き不透明感が出ると原油や鉱物の値段が下がって、新興国の実体経済にさまざまな影響がある。その辺りを注意深く見ていくことが肝要ではないか」と述べ、中国経済の減速が新興国や資源国など世界経済全体に及ぼす影響を注視する必要があるという認識を示しました。
そして石原大臣は景気の先行きに不透明感が増していることを踏まえ「今年度の補正予算を素早く実施していくことがGDPの底上げに重要で、新年度の当初予算案も速やかな成立を目指したい。また、消費の持ち直しに向けてはより力強い賃金の上昇が必要なので、今度の春闘が重要になる」と述べました。
民主幹事長「予算案の組み替え検討すべき」
民主党の枝野幹事長は、国会内で記者団に対し「どこが経済の好循環なのか。実態の数字は安倍総理大臣の強気の発言と180度異なっていることがはっきりしている。株価も明らかに乱高下して市場は混乱している状況だ。経済状況が、新年度予算案の編成や提出の時期と変わってきているのだから、政府・与党は予算案の組み替えを真摯(しんし)に検討しなければならないのではないか」と述べました。
衝撃 アベノミクス「GDP伸び率」あの民主党政権に完敗
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/171810/1
2015年12月16日 日刊ゲンダイ
訪米では大ハシャギだったが(C)AP
「世界経済回復のためには3語で十分です。バイ・マイ・アベノミクス(アベノミクスは買い)」。安倍首相がこう胸を張ったのは13年9月だった。当時から「バカ発言」なんてからかわれていたが、やっぱりデタラメだったことが分かった。
民主党の山井和則衆院議員が今月、内閣府に対して民主党政権時代と安倍政権下で実質GDPはどれだけ伸びたのか――を比較できる数値を求めたところ、数値は民主党政権の方が断然、良かったのだ。
この結果には驚きだ。内閣府経済社会総合研究所の調べによると、民主党が政権を奪取した2009年7〜9月期から、政権を明け渡す12年10〜12月期までの実質GDPの伸び率が「5.7%」だったのに対し、安倍政権が誕生(12年10〜12月期)してから3年間(15年7〜9月期)の実質GDPの伸び率は「2.4%」。つまり、同じ3年間を比べてみると、伸び率は民主党政権時代の方が安倍政権より2倍以上、数値が「良かった」のである。
提灯メディアはアベノミクスを大々的に持ち上げているが、民主党政権に「完敗」しているのだ。山井議員がこう言う。
「これまでもアベノミクスの失敗を指摘してきましたが、野党議員の個人的な意見という目で見られていました。しかし、今回は内閣府の公表数値です。数字はウソをつきません。安倍政権は消費税増税などを理由に言い訳するのでしょうが、民主党政権では東日本大震災がありました。それでも民主党政権の実質GDPの伸び率の方が上回っているのです。繰り返しますが、アベノミクスは失敗したのです」
安倍政権の誕生前(12年11月)と「現状」(15年9月)を比べても、景気は悪化している。「貯金ゼロ世帯の割合」は26%→30・9%に大幅悪化。「生活保護受給世帯数」も約156万8000世帯→約162万9000世帯に増加し、非正規労働者は1775万人(12年4〜6月)→1971万人(15年7〜9月)に増えた。経済回復どころか、庶民生活はどんどん追い詰められているのだ。経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。
「『アベノミクス』は結局、新たな成長戦略を描けなかった。やったことは異次元の金融緩和だけです。その結果、一部の大企業は潤ったが、庶民生活は追い詰められ、実質賃金は減り、消費は冷え込んだまま。一体、何だったのか」
安倍政権は、二言目には「民主党政権はヒドかった」と批判しているが、民主党政権に負けているのに、よく口にできるものだ。
首相、国会でも「地方にアベノミクス」強調 でも実情は…高知ルポ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201601/CK2016011402000128.html?ref=rank
2016年1月14日 東京新聞朝刊
安倍晋三首相は十三日の衆院予算委員会で、地方の有効求人倍率の上昇について「働いている人の絶対数が増えた結果だ」と述べ、自身の経済政策アベノミクスが景気回復に結びついていると強調した。
これに対し、維新の党の水戸将史氏は「表面的には地方の雇用が改善しているように見えるが、倍率の上昇は労働力人口の減少が原因だ」と反論。地方から大都市圏への人口流出が続いている事実を示し、「むしろ地方経済が縮小している表れで、改善したとは到底言えない」と訴えた。
首相は「就業者数は(安倍政権の三年で)百十七万人増え、地方税収は六兆円増えた。地方でも企業が最高の収益を上げているからだ。労働市場が良くなり待遇が良くなった結果、(就業者の)収入が上がっている」と譲らなかった。 (古田哲也)
◇
安倍晋三首相は最近、政権の経済政策アベノミクスが地方に波及しつつある根拠として、高知県の有効求人倍率が初めて一倍を超えたことを繰り返し取り上げている。大都市圏から遠く離れた高知で本当に景気は上向き、雇用も増えているのか。南国・土佐を歩いた。 (後藤孝好)
高知労働局によると、高知県の求人倍率は昨年九月、一九六三年の統計開始以来初めて、仕事を探す人と仕事の件数が同じ一・〇〇倍に達した。最新の十一月は一・〇五倍だった。
首相は十一月に都内で開いた自民党立党六十年記念式典で「高知県は初めて有効求人倍率が一倍に到達した。おめでとうございます。県庁で祝杯を挙げたそうだ」と紹介した。今月八日の衆院予算委員会でも、政権の実績として高知の有効求人倍率に言及した。
だが、高知県の雇用担当者は「祝杯なんて聞いたことがない。都市伝説ではないか」と首をかしげる。高知市の特別養護老人ホーム「絆の広場」施設長の佐井健二さん(45)は「介護現場はどこも人手不足だけど、景気が良くなって有効求人倍率が上がっている実感はあまりない」と明かした。
高知県では、高齢者福祉や建設関係を中心に求人が増えると同時に、職を求める人が減っているのが実態だ。昨年十一月の求職者数は一万三千二百八十六人で、二〇〇六年度の一カ月間の平均一万八千三百七十五人から約三割減った。高知労働局の原幸司地方労働市場情報官は「求職者は前年同月比で三十三カ月連続の減少。年度ごとに如実に減っている」と説明する。この間、有効求人倍率は上昇を続けている。
求職者が減った原因は、条件のいい仕事のある大都市圏への若者の流出だ。高知県では一四年まで十四年連続で県外への転出が転入を上回る。県内の仕事は非正規の割合が高く、正社員のみの求人倍率は昨年十一月で〇・五六倍。全国で沖縄県に次いで低い。
若者の就職を支援するジョブカフェこうち所長の小松忠実さん(62)は「正社員の仕事を増やし、若者が県外へ出て行く状況を変えなければ、有効求人倍率が一倍を超えても手放しで喜べない」と話した。
<有効求人倍率=求人数/求職者数> 分母に当たる仕事を探す人が減れば、仕事の件数が変わらなくても倍率は上がる。全国の有効求人倍率は、最新の昨年11月時点で1.25倍。第2次安倍政権が発足した2012年12月は0.83倍だった。
GDPマイナス成長 アベノミクスの終焉か
http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-35576396
2016年02月15日 BBC ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ東京特派員
私たちは「アベノミクス」の終わりを目撃しているのだろうか。世界3位の経済をデフレから脱却させる壮大な努力は、失敗したのか。
先月末には、日本銀行が初めてマイナス金利を導入し、未知の領域に足を踏み込んだ。先週は、日経平均株価は8%近く下落し、過去2年の上昇を打ち消す水準まで低下した。きょうの発表で、国内総生産(GDP)がまたもや縮小に転じたことが明らかになった。
安倍晋三首相と、首相の右腕の黒田東彦日銀総裁にとって、いずれも悪いニュースだ。しかしこれは2人のせいなのか。2人の計画はもう運が尽きたのか。
アベノミクスをめぐっては大げさな表現が色々と飛び交ってきた。おカネをどんどん刷ろうという日銀の一大増刷計画は「カネを吐き出すバズーカ」と呼ばれている。
日銀の黒田東彦総裁は、20年続くデフレに打ち勝つため、「できることは何でもやる」と繰り返してきた。しかしアベノミクスの根幹はリフレーションではない。円安誘導することだ。
成長の牽引役
なぜか。安倍首相と、首相に助言してきた人々は、日本経済を簡単に復活させる唯一の手段は輸出拡大だと知っているからだ。
富士通総研のマルティン・シュルツ上席主任研究員は、「日本経済をリフレ策によって再生させることができ、『アニマル・スピリット』も再び生まれると信じる人が少数いる。ただ、それを信じる人は少ない」とした上で、「今の日本には成長の牽引役がない。そのため、輸出が成長の最も大きな要素となっている」と語った。
シュルツ氏は日本経済の成長率1%あたり0.5〜0.7%分が輸出によるものだと指摘する。
理由は簡単だ、日本の人口は高齢化し、減少している。2020年には、人口減少が毎年60万人規模になる。そのなかで経済を成長させるのは非常に難しい。
日本の株式市場は過去2年間の上昇分をほぼ失った
しかし、日本は依然として工業大国だ。理論上は、日本製品が海外でもっと安くなれば需要は増加するはずだ。
円安
そのため、2012年から14年にかけて、対ドルでの円の為替レートは意図的に引き下げられた。1ドル=80円くらいだったのが1ドル=120円まで円安が進んだ。
大手の輸出企業にとっては、毎日がクリスマスだったようなものだ。2014年のトヨタ自動車は180億ドルと過去最高の利益を記録している。
だが、おめでたい状況に水を差す要因が2つある。一つは為替レートが突然円高に転じたこと。もう一つは、日本企業が棚からぼたもち的に得た利益を頑なに使おうとしないことだ。
日本政府にとっては円高の方がずっと頭が痛い問題だ。過去2週間で円は1ドル=120円から112円まで急上昇した。
日本政府にとって円高は頭が痛い問題だ
これを受け、黒田日銀総裁はマイナス金利を初めて導入するという劇的な策を取った。
富士通総研のシュルツ氏は、「日銀は円高が進むまでマイナス金利を導入しようと思っていなかった」と語る。突然の円高は、ドイツや米国、中国という海外の要因が引き起こしたものだ。世界経済が不安定になると、投資家たちは資金を「避難先」に動かすが、日本も避難先の一つなのだ。
余剰資金
日銀はマイナス金利を導入することで、投資家たちに、ここに資金を滞留させれば損をすると伝えようとしている。
もし円高が続けば、マイナス金利幅を現在の0.1%から0.5%かそれ以上にさらに拡大することも可能だ。
マイナス金利は日本のメガバンクや企業も標的している。
東京に本拠を置くロジャーズ・インベストメント・アドバイザーズのエド・ロジャーズ最高経営責任者(CEO)は、「多くの日本企業は時価総額を超える額のキャッシュを持っている」と語る。
日銀の黒田東彦総裁
「日銀の量的緩和策は経済の流動性を取り戻すのを目的としている。マイナス金利は企業の保有資金を何か別のものに使わさせることを目指している」
しかし、銀行や企業は現金を溜め込み、バランスシートの改善に充当してきた。ロジャーズ氏は、日本企業の保有現金が3兆ドル(約340兆円)に上るのではないかとみている。
その一部がもし、配当引き上げや賃金引上げの原資になれば、長年不振が続く国内消費を大きく増加させるのではないかとロジャーズ氏は指摘する。
ロジャーズ氏は、「日本企業の行動やしくみを変えることを目指している。もっと株主にやさしく、被雇用者にもやさしい企業にしようとしている」とし、「マイナス金利は安倍首相や黒田総裁が日本の構造改革を強く決意していることを示している」と語った。
一部では、企業の保有現金は約340兆円に上るとみられている
人口減
そこまで肯定的でない見方をする人もいる。日本企業が賃金を上げたり、国内でもっと投資しないのは全くもって論理的だという見解だ。
ジャパンマクロアドバイザーズの大久保琢史チーフエコノミストは、「企業の幹部は長期的な経済見通しに弱気」だと指摘する。「アベノミクスは終わり、日本はデフレに戻る。労働人口が減少している。そのため中長期的には、企業が賃金を引き上げず、雇用を増やさない十分な理由がある」と述べた。
富士通総研のシュルツ氏もそれに同意する。
シュルツ氏は、「日銀がしていることは若い経済には効き目があるかもしれない。しかし、年を取った経済には効かない。企業に投資させようとしているが、企業は海外に向かう」と指摘した。
過去3年間、安倍首相は日本の「アニマル・スピリット」を目覚めさせようと努力したが、分かったのは「人口は運命」という古くからの格言がいかに正しいかだ。
出生率の低下もあり、日本の人口は2050年には9700万人になるとみられている
イノベーションへの抵抗
大久保氏は、「安倍首相は移民受け入れに否定的なので、一部は彼の責任でもある」と述べ、「日本は移民を歓迎する必要がある。しかし安倍内閣は右派の国粋主義者が大半なので、移民受け入れは実現しない」と語った。
日本の重要性が失われるわけではない。日本は世界最大の債権国であり、主要な輸出企業は世界で最も有力な企業群に入る。
しかし日本経済は、人口が急速に高齢化し減少する成熟した状態だ。国内の企業では、ヒエラルキーが深く根付き、イノベーションに抵抗する年長者が力を持っており、企業も「年老いて」いる。
日本の富の多くは高齢者が所有している。彼らは資産価値を守りたいと考えていて、インフレを恐れる。
これでは、日本で再び「アニマル・スピリット」が目覚めるとは考えられない。
「アベノミクス」の3本の矢
・金融政策の矢――デフレ対策に通貨供給量を拡大
・財政政策の矢――経済の需要刺激のため政府支出拡大
・構造改革の矢――経済の生産性と競争力拡大のための構造改革
(英語記事 Off target: Is it the end of 'Abenomics' in Japan?http://www.bbc.com/news/business-35559860)
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