http://www.asyura2.com/16/senkyo201/msg/235.html
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ほぼ2年間(13年4月起点)で2%という物価目標も達成できず、銀行にただただ日銀当座預金残高を積み上げさせているだけの“黒田バズーカ”(「異次元量的金融緩和」)は、日銀当座預金の積み増しにペナルティーを科すマイナス金利の導入により縮小(バズーカから小銃)に向かうことになる。
端的に言えば、年間80兆円規模の国債購入は、マイナス金利がもたらす弊害を言い訳に縮小されていく。(日銀の国債買い上げはすでに限界に陥っている。政府が赤字国債をどかどか発行するというのなら別だが...)
「量的金融緩和」策が実現した唯一の効果ともいえる金利低下は、量的金融緩和を縮小してもマイナス金利導入策で十分にカバーできる。(円安傾向は他の要因が主だが、相対的低金利は円安基調を支える)
というより、銀行や生保など機関投資家は安全確実の日本国債を買いたいのに思うように買えないのだから、金融機関の買い需要との見合いで日銀の国債購入額を縮小するならば、金利は低く維持することができる。
「国債サイクル維持」が本当の狙いだとしても公言した物価目標を達成できないまま、その手段して採用した「異次元量的金融緩和」を縮小するとは言えないから、マイナス金利を導入しそれで起きる弊害に対処するという説明で量的金融緩和を徐々に縮小していこうとする無責任で姑息なやり方なのである。
※参照投稿
「<長期金利>初のマイナス 株安円高、日銀に誤算:「マイナス金利」導入は「異次元量的金融緩和」政策の“終わりの始まり”」
http://www.asyura2.com/16/hasan105/msg/415.html
(転載する記事は、グラフや図表などが豊富なのでNHKオンラインでお読みになられることを勧めます:http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/237453.html
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2016年02月10日 (水) 午前0:00〜[NHK総合]
時論公論 「長期金利 初のマイナスに」
関口 博之 解説委員
▽日銀の「マイナス金利政策」で、金融市場は大荒れの海のようです。
長期金利が、9日ついにマイナスになりました。
指標になっている満期まで10年の国債の利回りが、初めてゼロを下回り、
一時、マイナス0.035%まで下がったのです。
「貸した側が損をする」という、常識では理解しづらい現象ですが、
なぜ、どういうカラクリでこんなことが起こるのか、
それは、預金やローンにはどう影響するのか、見ていきます。
▽こちらは10物国債の利回りを示したグラフで、
年明けから0.2%と0.3%の間で推移してきました。
これでも極めて低い水準ですが、
そこで日銀が打ち出したのがマイナス金利の導入でした。
銀行が日銀に預けている預金の一部に対し、
0.1%の金利を取る制度を導入すると発表したのです。
その先月29日から金利はみるみる下がり、ついに昨日マイナスに突入しました。
▽一般的に信用力のある国の国債は金利が低く、信用されない国は高くなる
というのが原則ですが、今回はそれとは全く別の理屈の話です。
例えて言えば、写真のポジとネガのような、少々、倒錯した世界と考えた方が良さそうです。
▽それを分かって頂くための基本が、
「長期金利は国債という“商品”の売り買いで決まる」ということです。
買いたいという投資家が多く国債の価格が上がれば、
それに応じて利回りは連動して下がります。
さらに買い手が増えて値上がりすれば、金利はマイナスにもなるのです。
▽こんな例で考えてみましょう。
国債には表面利率というものが付いています。
10年後に償還する、つまり返済する時には、額面の1万円を1万100円にして返すと約束した国債があるとします。
この国債を1万円で買えば、10100円が返ってきて、
プラスの金利になります。これを10100円で買ったとすれば、
同額がかえって来るだけですから金利はゼロです。
もし、10300円で買えば、10年後の満期まで持っていたら損が出ます。
これが、つまりマイナス金利というわけです。
それなのに、この国債を買う金融機関がいる、というのはなぜでしょうか。
それは、途中で他の金融機関や投資家にもっと高値で買って貰えると考えるからです。
10500円で買う人がいれば良いわけです。
ただし、実はこれ、市場参加者が、満期までの間の「ババ抜き」をしているようなものでもあるのです。
▽その国債の売買で今、最大の買い手は、言うまでもなく日銀です。
日銀は2014年に始めた量的質的緩和で大量の国債を金融機関から買って
それによって潤沢に資金を供給しています。
そのため日銀が抱える資産は膨張、拡大を続けています。
さらに日銀が、「緩和策に限界はない」とまで言うものですから、
国債価格が幾ら上がっても、まだ買ってくれると、市場は踏んでいるのかも知れません。
「普通にはありえないこと」「倒錯している」と言ったのはこのことです。
▽さて、長期金利がマイナスになったことで、今後、どんな影響が出るのでしょうか。
まず預金金利ですが、大手銀行は今週から、満期が2年から10年までの定期預金の金利を引き下げました。
普通預金と差がないところも多くなっています。
ゆうちょ銀行も、きのうから定額貯金などの金利を引き下げています。
▽ではいずれは預金金利もマイナスになるのか、と言えば、そうはなりません。
それは考えづらいことです。なぜなら、もし銀行がそんなことをすれば、
預金者の反発や怒りを買うだけですし、それこそ預金が引き出されてしまいかねません。
▽マイナス金利政策を一昨年4月、ヨーロッパ中央銀行が導入した後、欧州の幾つかの国では、
金融機関同士が資金のやり取りする際の金利には、既にマイナス金利も発生していますが、
一般の個人の預金金利までマイナスにした銀行はありません。
ただし、例えばATMでの引き出し手数料などを新たに設けるといった形で、預金者に負担を求めることはありえます。注意しておく必要はありそうです。
▽逆にお金を借りる方、住宅ローンの金利はどうなるのでしょう。
これも、マイナスになることはなさそうです。
そもそも銀行は、貸出と預金の金利の差、つまり利ざやで利益を上げるのが本業です。
貸す方をマイナスにしては成り立ちようがありません。
また、既に金利水準は、歴史的にも最低の水準にあるわけですから、
仮にさらに下がるとしても、どれだけ余地があるかは疑問でしょう。
▽むしろ、日銀のマイナス金利で収益の悪化が続くと、
苦しくなった銀行がローン金利を上げて、収入を確保しようとする可能性もないわけではありません。
例えばスイスでは、マイナス金利の導入当初、ローン金利は下がったものの、
その後は元に戻ってしまって、高止まりしたともいわれています。
▽また、生活者への影響という点では、
国債での運用がマイナス金利で難しくなると、
年金は積立金の運用益が出しづらくなり、給付額に響くおそれもあります。
保険会社も予定していた利率で運用できず、保険料の方を上げるかもしれません。
直ちにこうなるわけでは勿論ありませんが、
こうした運用にあたる機関投資家は悩みを抱えることになります。
▽もう一つ、頭の痛い問題があります。それが世界経済の先行き不透明感です。
中国経済の減速や原油安が、世界経済の足を引っ張る懸念材料として、
年明け以降の相場を揺るがしています。
東京市場の平均株価を見ますと、
日銀のマイナス金利政策発表直後は一旦、盛り返したものの、
その後、「今はリスクを避けたい」という投資家が増えたことで、また値下がりし、
昨日は900円も下落しました。
円相場も、相対的に安全な資産と見られている円が買われることで、
日銀の思惑とは反対に、円高に動いてしまっています。
そして、こうした「より安全な資産へ」という大きなうねりが、
日本国債への「買い」にも向かって、マイナス金利という、あだ花を咲かせているともいえるのです。
▽黒田総裁は、マイナス金利政策を打ち出すことで、
「皆さんは投資や消費を活発にして増やして下さい、
日銀はデフレ脱却を確実にするために何でもやります」と
こんな風にメガホンで呼びかけたつもりでした。
ところが、それに対する世の中の反応は、と言いますと、
このマイナス金利という言葉が、期待よりむしろ得体のしれない
黒い雲を呼び起こしてしまっているように見えます。
「初めてのことでどうなるのだろう」と
人々は不安が先に立ってしまっているようです。
▽さらに、国債の発行金利がこれで下がれば、
安易に借金に頼り、財政の規律を大きく損なうことにもなりかねません。
また、日銀と市場との対話という点でも問題があります。
突然降ってわいたマイナス金利政策を、市場は十分に咀嚼できないまま、
混乱しているようでもあります。
それにしても、何ともわかりにくい世界に入ってしまったものです。
日銀は、国民の漠然とした不安のことも良く踏まえて、
その政策について何よりも丁寧な説明をし、誤解を生まないような工夫を
まずは重ねて行くべきだと思います。
(関口 博之 解説委員)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/237453.html
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