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海外要因に左右されるアベノミクスに日本の未来は託せないー(田中良紹氏)
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11th Feb 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
日銀が1月29日にマイナス金利導入を決めてから市場の動揺が止まらない。
円安と株高を狙った政策が、逆に円高と株安を劇的に進行させた。
2月11日のロンドン市場で円は1ドル110円台と1年3か月ぶりの円高水準、
一方の株価は10日の日経平均が1万6千円を割り込んで日銀が追加緩和を決めた
一昨年10月31日以来の安値水準になった。
石原経済再生担当大臣はこの間「日本経済のファンダメンタルズはしっかりしている」と
やけにハイテンションな声で答えていたが、
この人物は何があっても同じ発言を繰り返すようセットされたロボットなのだろう。
それは安保法制を巡る国会審議で安倍総理が演じたのと同じで、
議論にさせないための答弁術なのだが、
それが成功したと捉えているところにこの政権のかつての自民党とは異なる水準の低さがある。
そして「この道しかない」と言い募るところにこの政権の特色はあり、
何があっても日銀が「異次元緩和」の政策を捨てる事はありえない。
この政権が続く限り更なる緩和策へと突き進むはずである。
円高・株安はアベノミクスの円安・株高効果で潤ってきた大企業を直撃する。
政府は企業業績の好調を設備投資や賃上げに振り向けさせようと必死になっているが、
そもそも製品の売り上げが増えて業績が好調になったのではなく、
円安の為替効果で利益が膨らんだ大企業はこれまでも設備投資や賃上げに積極的になれないでいた。
そこに企業利益を失わせる円高・株安が起きたのである。
ますます設備投資や賃上げに慎重になる。
いくら政府が「デフレマインドから脱却せよ」と言っても聞く耳を持てない。
史上最高益を上げた大企業がそうなれば利益の滴りを待っていた中小企業や消費者は
財布の紐を締めざるを得なくなる。
マイナス金利で利益が減る銀行は、預金金利を下げ手数料を上げてカバーするとみられるが、
それもまた消費者に心理的影響を与え、さらに財布の紐は締まる。
そして将来に思いを馳せれば、当然ながら年金の運用にもマイナスになる事から、
受け取れる年金は減額されると考えられ、財布の紐はますます締まるのである。
そして来年4月には消費増税が予定されている。
フーテンは増税回避を争点に安倍政権が解散に打って出る可能性に言及した事があるが、
軽減税率を巡る議論で安倍総理はリーマン・ショック並みの世界経済の混乱か
東日本大震災レベルの災害が起きない限り実施するとの答弁を繰り返した。
これを覆せば国際的信用失墜のリスクもある。
円高・株安の負の連鎖を断ち切り、
消費増税に備えるためには日銀がさらなる「異次元緩和」に乗り出さざるを得ないとフーテンは見る。
ただし問題は市場がそれを前向きに受け止めるかである。
マイナス金利導入のサプライズはわずか3日しか効果を持たなかった。
しかもその決定は日銀の金融政策決定会合で僅差であったことが明らかになった。
しかしそれでも日銀は後戻りができない。
その先行きはどうなるか。最後は国民にツケが回ってくるのである。
マイナス金利で民間の銀行は国債を満期まで持てば損をするが、
満期の前に日銀に売れば利益を得る。
そして日銀は国債の満期が来ても政府に支払いを求めずに保有することが出来る。
それを日銀は物価が2%に上昇するまで続けると言っている。それがアベノミクスである。
物価が上昇するという事は商品に比べ通貨が市中に過剰にあふれる事を意味する。
それを放置して物価が上がり過ぎれば今度は物価高が国民生活を苦しめる。
物価を安定させるのが役目の日銀は市中から通貨を吸収する必要があり、
保有していた国債を民間に売って通貨を吸収する。
物価が上がれば金利は上昇するので民間は日銀から買った国債を満期になれば
政府に戻して利益を得る。
国債の償還は税金で支払われるから大量の国債は将来の税金にツケが回るのである。
つまりアベノミクスは将来の子供や孫の世代にツケを回す事で
日本経済の成長を夢見ているとフーテンには見える。
日本経済が成長すれば将来の子供や孫が我々より豊かな生活を享受でき、
我々が付け回した税金の負担に耐えられると考えているのである。
しかしフーテンはそうした考えに同調することが出来ない。
官僚が考えた数字合わせの机上の空論としか思えない。
少子高齢化の先端を走る日本が抱える根本問題は将来に対する不安である。
長い老後の人生において収入を確保できるか、貯えは大丈夫か、病気になったらどうする、
介護が必要になったらどうなる、住む場所を確保できるか、
そうした問題の先行きが見えなければ不安を消すことが出来ない。
一方で若い世代の教育問題も深刻である。
アメリカ大統領選挙の予備選で民主社会主義者を名乗るサンダース候補が
若者に爆発的に支持されているのは大学の授業料無償化を訴えているからだ。
アメリカでは「小さな政府」の政策で教育分野への公的支援が減らされ、
若者が奨学金ローンの返済に苦しめられている。
その怒りが選挙に反映しているが、それは日本にとっても他人事でない。
日本でも小泉政権以降はアメリカの「小さな政府」を真似してばかりいるからだ。
日本の少子化の大きな要因として非正規労働者の増加や教育費の負担増が挙げられるが、
そうした問題を考える時にフーテンはアメリカの「小さな政府」を真似しても全く解決しないと考えている。
アメリカと日本の国家構造は根本から異なるというのがアメリカ議会を10年余見てきたフーテンの理解である。
世界最先端の少子高齢化が進行する日本に真似をすべきモデルなどない。
まずそのことを心に銘記すべきである。
そのうえで地に足を付けた構想を構築しないと問題の解決にならないと思う。
マイナス金利が成果を上げなかったのは
アメリカ経済の動向や原油安などの外的要因によると言われるが、
外的要因に左右されるような構想では脆弱である。それでは外国に日本経済が操られる事になる。
フーテンはそれよりも日本国内で将来不安をなくす政策を政治は真剣に考えるべきだと思う。
医療、介護、住宅、教育に対する憂いをなくす政策を生み出せば日本国民の財布の紐は緩み、
国民生活に明るさが戻り、経済の好循環が生まれるのである。
金融政策に頼るだけでは原油安が原油高に変わった途端に
日本国民は地獄の底に突き落とされぬとも限らないのだ。
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