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遠藤大臣の行為の問題点&さらなる疑惑〜献金でもワイロ認定は可能(日本がアブナイ!)
http://www.asyura2.com/16/senkyo200/msg/846.html
投稿者 笑坊 日時 2016 年 2 月 08 日 07:37:27: EaaOcpw/cGfrA j86WVg
 

http://mewrun7.exblog.jp/24119294/
2016年 02月 08日

 この記事では、『遠藤五輪相に口利き疑惑〜外国語指導助手の派遣の予算化で、955万円の献金』の続報を・・・。

 先週、遠藤五輪担当大臣が、知人の会社経営者の要請を受けて、外国語の授業に指導助手を派遣する事業を予算化を文科省に働きかけていたとする疑惑を、毎日新聞がスクープしたのだが。(・o・)
 遠藤大臣は、この疑惑を事実誤認だとして否定している。(-_-)

 しかし、毎日新聞はその後も文科省の担当者が遠藤事務所と派遣会社と接触していた(but面談記録を残していないらしい)ことや、派遣会社に有利な内容を遠藤氏に通知していたことを報じて、さらに疑惑を投げかけている。(++)

 まずは、その毎日新聞の記事を2本。
 そして、果たして、今回の遠藤大臣の行為は、どこに法的な問題があるのか・・・園田寿弁護士が、またわかりやすく説明してくれていたので、後半にその記事をアップしておく。(・・)

* * * * *

『<遠藤担当相仲介問題>予算委で厚労省部長「何度か接触」

 遠藤利明五輪担当相が、外国語指導助手(ALT)に関する通知を文部科学省が出す直前に、通知に関与した厚生労働省の担当者とALT派遣会社社員の面会を仲介した問題で、文科省と厚労省は5日の衆院予算委員会で、それぞれの担当者が遠藤事務所と派遣会社の3者で面談したことを明らかにした。

 厚労省の派遣・有期労働対策部長は「遠藤事務所で13年末ごろから(派遣会社社員と同省の担当者が)何度か接触した」と説明。「ALTについて派遣と請負の留意点や法令解釈を聞きたいということで、具体的なやりとりは厚労省で行った」と述べた。さらに「事務所の(衆議院議員)会館の秘書の方が同席ということのようです」と明かした。

 しかし、面談記録を出すよう求められると「残していないので提出できない」と答弁。国家公務員制度改革基本法に基づく申し合わせでは、官僚が議員や秘書と接触した場合に記録を保存する取り決めになっている。

 また、文科省の初等中等教育局長も昨年10月、遠藤事務所で同省の担当者が派遣会社社員と面談したことを認め、「中身は一般的な英語教育の改革、全般についてお話しした」と述べた。こちらも面談記録については「全部を取っているわけではない」としている。

 一方、遠藤氏の事務所名でマスコミ各社に送付されている毎日新聞記事への反論書が内閣府から送付されているとして、維新の党の今井雅人幹事長は「事務所名の文書を行政が出すのは問題ではないか」と指摘。遠藤氏は「事務所で対応していたと思っていたが、調べてお答えします」とした。【杉本修作、藤田剛】(毎日新聞16年2月5日)』

* * * * *

『<五輪相事務所>厚労省と業者を仲介 ALT請負、通知前に

 遠藤利明五輪担当相の政治団体が東京都内の外国語指導助手(ALT)派遣会社の創業者から多額の個人献金を受けていた問題で、文部科学省が2014年にALTに関する通知を出す直前、通知に関わる厚生労働省の担当者と派遣会社の社員が、遠藤事務所の仲介で面会していたことが分かった。また、文科省の担当者は通知の内容を遠藤氏に報告していた。通知は派遣会社に有利な内容で、遠藤氏も通知の必要性を訴えていたという。【杉本修作、藤田剛、銭場裕司】

 遠藤氏は派遣会社などからの働きかけを否定しているが、通知への関与について説明を求められそうだ。

 この通知は「ALTの請負契約による活用について」と題した文書。文科省が厚労省の見解を紹介する形で、14年8月に全国の都道府県や政令市の教育委員会宛てに出した。

 英語の授業で日本人教師を補助するALTの契約形態は主に(1)国の外国青年招致事業(2)自治体の直接雇用(3)民間会社からの労働者派遣(4)民間会社への業務委託(請負)−−の四つ。このうち請負では学校側が直接の雇用関係にないALTに指示や打ち合わせをする行為は「偽装請負」として労働者派遣法で禁止されている。このため労働局から是正指導を受ける自治体が相次ぎ「ALTと日本人教員が授業中に会話もできないのか」との困惑が現場に広がっていた。

 14年8月の通知は、政府がALT拡大の方針を示したことを受け「請負契約によるALTの活用も進むことが想定される」と前置きし、派遣法に抵触するか否かの線引きを明示。厚労省の見解を紹介する形で、ALTと教員による授業内容の確認や英会話実演は、直ちに違法と判断されることはないとする見解を初めて示した。

 厚労省需給調整事業課によると、通知の直前、遠藤事務所の紹介で派遣会社社員と面会し、派遣法の線引きについて相談を受けたという。同課は取材に「派遣会社には運用の方針について『こういうことをしたら法律にひっかかる、ここまでなら大丈夫』という話をした。通知を出すきっかけにもなった」と話している。遠藤事務所の仲介については「確かにその事実はあった。行政サイドに相談するのにコネがない場合、知り合いや知り合いの省庁、政府、国会議員を通じるのはよくあること」と証言した。

 通知後の14年11月、派遣会社は「通知でALTと担任の会話実演が可能になり、自治体でALT確保の動きが出ている」と広報誌で歓迎。同社の幹部は「法に抵触しないかという問題があり、厚労省の理解が必要だった。私がやったのは厚労省にその『マル』を出してもらうこと」と話した。

 一方、文科省は通知について、当時の文科相と共に遠藤氏にも報告したという。担当者は「遠藤先生は『あれ(通知)はやんなきゃ』とおっしゃっていたので」と理由を説明した。

 遠藤氏の事務所は、厚労省への仲介の有無については答えず、「面談が通知を出すきっかけになったと厚労省が述べたとあるが、厚労省に確認したところそのようなことを述べた事実はない」と回答。文科省からの報告については「自民党教育再生実行本部長として提言したこともあり、文科省から適宜報告を受けることはあるが、14年8月の通知に絞ったレクを求めたことはない」としている。(毎日新聞 16年2月5日)』

☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆

【遠藤疑惑】またもや現職大臣のスキャンダル、今回は何が問題となっているのか
園田寿 | 甲南大学法科大学院教授、弁護士
2016年2月7日

■はじめに

甘利(前)大臣の汚職疑惑に続いて、またもや現職大臣の疑惑が持ち上がっています。今回はどのような点が問題になっているのでしょうか?

■ 事実関係

英語の授業で日本人教師を補佐する外国語指導助手(ALT)を派遣する東京都内の民間会社の創業者(71)から、遠藤利明五輪担当相(66)=山形1区、当選7回=側が2010〜14年の5年間で計955万円の個人献金を受けていることが分かった。この間、遠藤氏は自民党教育再生実行本部長などとしてALT利用拡大の旗振り役を務め、文部科学省は民間のALT派遣事業に絡み国の予算を付ける方針を初めて決定。派遣会社は高値で転売され、創業者は多額の対価を得ていた。
出典:毎日新聞2016年2月4日 東京朝刊

報道によると、このような事実には、次のような背景があったのではないかといわれています。
英語の授業で日本人教師を補佐する外国語指導助手の雇用については、以前から労働者派遣法に抵触する部分があるのではないかとの問題があったのですが、これについて2014年8月に文科省が厚労省の見解を紹介する形で、ALTと教員による授業内容の確認や英会話実演はただちに違法ではないとする「通知」を出しています。この「通知」によってALT活用拡大の可能性が広がり、結果的に2016年度の予算化につながったとされています。この「通知」について、遠藤氏が深く関わっていたのではないかということです。

文部科学省が2014年にALTに関する通知を出す直前、通知に関わる厚生労働省の担当者と派遣会社の社員が、遠藤事務所の仲介で面会していたことが分かった。また、文科省の担当者は通知の内容を遠藤氏に報告していた。通知は派遣会社に有利な内容で、遠藤氏も通知の必要性を訴えていたという。
出典:毎日新聞2016年2月5日 東京朝刊

以上、報道を整理して事実を単純化しますと、次のような事実が問題となっているようです。

まず、ALT派遣会社が遠藤氏に対してALT活用拡大に向けた予算化などを要望し、遠藤氏からパーティ券を購入、
その後、遠藤氏は文科省に対してALT活用の拡大を求め、文科省が「通知」を出し、
そして、ALT派遣会社の経済的な評価が高まり、その創業者がALT派遣会社から新しい株式の30%の割当てを受け、莫大な利益を手にし、創業者が遠藤氏に対して955万円(個人献金とパーティ券の購入)の政治献金を行った。


■何が問題なのか

もちろん、以上の事実内容は、あくまでも現時点での報道内容を前提とした推測で、今後どのような事実が明らかとなるかは不明ですが、以下では、このような事実を前提として刑法上の論点を考えてみたいと思います。

―職務に関して―

まず、賄賂罪は、「(公務員の)職務に関して」問題となります。「職務」とは、公務員がその地位に伴って公務として取り扱う一切の執務という意味です。

今回の場合は、遠藤氏の国会議員としての職務が問題になっており、具体的には、議院における議案発議権、修正動議提出権、表決権、委員会における質疑権等が国会議員の職務だといえますが、判例や実務では、これらにとどまらず「職務と密接に関連する行為」もまた「職務行為」であると解されています。遠藤氏は、長く自民党教育再生実行本部長を努めALT利用の拡大政策に携わってきた方ですから、文科省に対してALT拡大について具体的に働きかけるという行為も、広い意味で遠藤氏の国会議員としての活動の中に含まれるかどうかが論点となるでしょう。

なお、今回の口利きが職務行為ではないとされる場合は、刑法上のあっせん収賄罪か、あるいはあっせん利得処罰法のあっせん利得罪が問題となります。前者は口利きを行って不正な行為をさせた場合であり、後者は、適正な行為をさせた場合であっても成立します。今回の場合は、文科省の「通知」が問題になりますが、これは不正とはいえないでしょう。したがって、この場合は、あっせん収賄ではなく、あっせん利得罪が問題になると思いますが、あっせん利得罪では「(国会)議員としての権限に基づく影響力を行使」したことが要件ですので、具体的にどのような態様での口利きであったのかが問題となってきます。

―賄賂かどうか―

賄賂だといえるためには、一定の職務に関しての金品であることが必要です。つまり、問題となった金品が、何らかの職務行為に対する見返りという性格を持っていることが必要です。「職務関連性」とか「対価性」と呼ばれています。よく問題となるのは、「受け取った金はあくまでも政治献金であって、賄賂ではない」という抗弁です。しかし、問題は、職務との対価性があるかどうかであって、政治献金であるかどうかが問題となるのではありません。その金が政治資金規正法で適切に処理されていたとしても、遠藤氏の国会議員としての職務と対価関係にあれば、本人がどう思おうとも、刑法的には賄賂だということになります。この対価関係が非常に重要な問題となるでしょう。

―職務行為じたいが違法でなくても賄賂罪は成立する―

なされた職務行為が違法でなくとも賄賂罪は成立します。正当な職務行為であっても、つまり、政治を曲げなくても、賄賂罪は成立します。これは、およそ公務に従事する者が、その職務に関して金品を受け取ることは、国民に対して公務の公正さに対する不信感を与えることになるというのがその理由です。

これについては、多数の判例がありますが、次の判例が有名です。事案は、愛知県県会議員が同僚議員に依頼され、県議会で、ある議案に賛成の意を表しその成立に尽力したところ、報酬を期待していなかったにもかかわらず、後から突然謝礼として200円を贈られたというものでした。弁護人は、この200円は後日突然贈ってきたもので事前に約束があったものではなく、したがって職務を不正に執行するおそれはなかったから、これを収賄罪で処罰するのは不当であると主張しました。これに対して、裁判所は、「公務員が事前事後を問わず、職務執行に関し直接間接に利益を獲得するかごときは、世人をしてその廉潔を疑わしめ、ひいては職務上の威厳を失墜するに至るのおそれあり」(大審院大正2年12月13日判決)として、職務は適正であっても事後に不当な金を得たことは公務の廉潔性を疑わせるとしています。なお、公務員が賄賂をもらって実際に不正を働いた場合は、加重収賄罪として重く処罰されるのは当然です。

―請託(せいたく)はあったのか―

請託とは、公務員がその職務に関して具体的な依頼を受けて承諾することです。不正な職務行為の依頼であっても、正当な職務行為の依頼であっても構いません。今回のことでいえば、具体的に遠藤氏に対して、「ALT活用拡大に向けた予算化の依頼」があったのかどうかが問題となります。このような依頼があったとすれば、本件は単なる収賄罪ではなく、受託収賄罪として重い犯罪が問題となってきます。

遠藤氏は、「献金は事実だが、法令に従って適切に処理し、報告している。違法献金はなく、口利きもしておらず、全部法令に従ってやっている」(NHK)と述べていますが、献金が法令にしたがって適正に処理され、報告されていたとしても、それが国会議員としての職務行為に対する対価の意味をもっていたのかどうかが犯罪の成否に関してもっとも重要となる点ですので、今後その点の解明がまたれます。(了)』

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