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1月30日に開かれた民主党定期大会の様子(撮影:尾形文繁)
民主党、低調な党大会は参院選苦戦の前兆か "野党勢力の結集"とは程遠い状態
http://toyokeizai.net/articles/-/103006
2016年02月01日 安積 明子 :ジャーナリスト 東洋経済
国政選挙がある年の党大会では、野党は「攻め」に邁進しなくてはならない。だが1月30日に開かれた民主党の党大会はその勢いはなく、完全に「守り」に入っていた。
参加したのは国会議員や地方議員らの700名。国会議員の来賓として、維新の党の松野頼久代表と参院で民主党と統一会派を組む水野賢一参院議員の2名が出席したものの、他の政党からの招待客はいなかった。「自民党に対抗できる野党勢力の結集」を呼びかけているとは思えないような、寂しい状態だ。
■「空」のことで2つの心配
党大会の前日から心配されたのは、「空」のことだ。まずは雪。天気予報によると、30日は関東地域で積雪となり、東京23区内でも5センチ程度の雪が積もると報じられた。そして北朝鮮のミサイルのことも心配された。
アメリカは28日、北朝鮮が弾道弾ミサイルの発射準備を進めている兆候を確認したことを発表。これを受けて中谷元防衛相は「破壊措置命令」を発動。東京・市ヶ谷の防衛省敷地内では地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を北西の方向に向けて配備し、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載するイージス艦も展開するなど、警戒体制に入った。
北朝鮮のミサイルで思い起こすのが、「藤村ショック」だ。「藤村ショック」とは2012年12月の衆院選で、公示後に地元に入った藤村修官房長官(当時)が、「さっさと上げてくれたらいい」と北朝鮮のミサイルの早期発射を期待しているかのような発言をし、批判を浴びたことを指す。下馬評の段階から劣勢が報じられていた藤村氏は大敗し、そのまま政界引退を余儀なくされた。民主党と北朝鮮のミサイルはこのような因縁があるため、同じような失言が民主党の中から出てくることを恐れたのだ。
そもそも今回の党大会は、結党以来の大敗北となった2013年の参院選の前に開かれた党大会より勢いがないように見えてしかたない。
3年前の党大会では、参加者に「起き上がり小法師」が配布された。転がしても必ず起き上がることから、「再生する」という決意表明だったのだろうが、3年を経た今も民主党はいまだ起き上がっていない状態だ。
余談になるが、「起き上がり小法師」には恐ろしい因縁がある。2006年の偽メール事件で大失態を演じた前原誠司代表(当時)に渡部恒三氏が励ましの意味で贈ったところ、その「起き上がり小法師」は転んでも起き上がらないものだったのだ。結局、前原氏は代表を辞任し、問題を起こした永田寿康氏は衆院議員を辞職し、2009年に自殺してしまった。いわば民主党の歴史で最大の悲劇といえるが、この「呪い」がいまだ続いているように見える。
■官僚にも舐められている?
野党として「粘り」を見せている面もある。週刊文春が報じた甘利明経済再生担当相側の金銭授受疑惑についての取り組みでは、民主党は維新の党とともに「甘利大臣疑惑追及チーム」を結成。国土交通省やUR、環境省などから事情聴取した。
ところが環境省は早々に甘利氏側との接触を認めたものの、国交省とURは肝心な情報をなかなか開示しなかった。
「国交省とURには官邸から黙っているようにとの指令が出ているはずだ。環境省があっさりと認めたのは、単に官邸から指令が出ていなかったからだろう」。民主党関係者は遅々として調査が進まない歯がゆさを語るが、政権交代の可能性がある時ならいざ知らず、今の民主党にとって政権奪取は夢のまた夢という状態。官僚が舐めてかかるのもしかたない。
民主党の再三の要求にも関わらず、URが2015年10月26日に「甘利事務所に取り纏めへのご尽力をいただいた御礼の会として簡素に開催」した事実を認めたのは甘利氏が辞任会見をした後だった。しかし国交省からは納得できる内容は報告されないままだ。
民主党は29日に維新の党と共産党とともに甘利氏の大和事務所に調査に向かった。2月1日には2度にわたって会議を開く。だが情報源に接触できず、決め手となる証拠も入手できる見込みはない。安倍晋三首相の任命責任を問うにも、ターゲットの甘利氏がすでに大臣を辞任している以上、インパクトに欠けるのはやむをえない。
逆に、民主党は自民党から猛烈に揺さぶられている。党大会当日に報じられた鈴木貴子衆院議員の引き抜き問題である。
鈴木氏は鈴木宗男氏の長女で、2012年の衆院選に北海道7区から新党大地の公認候補として出馬し、自民党の伊東良孝氏に敗れている。だが2014年の衆院選では民主党の公認を得て、伊東氏に225票差まで迫り、比例区で復活当選した。
もっとも鈴木氏の自民党への鞍替えは、かねてから永田町では囁かれていたことだった。鈴木氏の父の宗男氏は昨年12月28日に官邸に入り、安倍晋三首相と面会したが、この時に鈴木氏の民主党離党と自民党入党が話し合われたと言われている。
鈴木氏は細野豪志政調会長が領袖を務める自誓会のメンバーであるため、「細野氏も一緒に民主党を離党するのではないか」との噂も流れた。細野氏は昨年11月11日に前原誠司氏や維新の党の江田憲司氏と会合し、民主党と維新の党が解党して新党を結成することに合意したことが発覚したが、それ以来、岡田代表にうとんじられ、党内での細野氏の影は薄くなる一方だ。政調会長会見で北海道5区の補選に鈴木氏を応援に派遣するのかと尋ねられた時、細野氏は態度を鮮明にできなかった。
■自虐ポスターも流し目ポスターも不評
民主党内では、次期参院選に向けて作成したポスターも不評だ。まずは1月27日に発表した「民主党は嫌いだけど、民主主義は守りたい」という自虐ポスターだが、翌28日の参院議員総会でも早速、「あんなのは使いたくない」との声が相次いだ。
そこで党大会では自虐ポスターを封印し、代表である岡田氏が流し目を送るポスターばかり貼ることになったが、その岡田氏のポスターも、実は好評ではない。「目が泳いでいるようだ」との批判がある。岡田氏本人も気に入っているわけではなく、参院選前に全部作り変えるのではないかとも囁かれている。
このように民主党には内向きになっている事実が多いが、一番の内向きは代表である岡田氏本人かもしれない。岡田氏が次期参院選で目標に設定したのは、「与党やおおさか維新などの9条改正勢力の議席数を3分の2未満に抑えること」だ。しかしそれでも、民主党にとってはハードルが高いかもしれない。2013年の参院選で、わずか17議席しか獲れなかったからだ。
前回の衆院選から1年余りしかたっていないのに、すでに衆参同日選の噂がある。また自民党の若手議員には選挙準備を整えるように指令が出たとの話もある。そのような中で支持率が回復しないままの民主党は、どう戦っていこうというのか。いずれにしろ、2016年は本格的な政局の年になるだろう。
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