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安倍首相(右)と甘利大臣(C)日刊ゲンダイ
4輪車のタイヤが1本外れて政権は操縦困難に 永田町の裏を読む 高野孟
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/174172
2016年1月28日 日刊ゲンダイ
「これは安倍政権を襲った最大の“自爆テロ”で、『一強』を誇っていたはずの政権が、たちまち傾いてしまった」と自民党大物秘書が嘆く。
甘利明経済再生・TPP担当大臣に対して、贈賄者本人が証拠を揃えて投げつけた収賄疑惑爆弾のことである。高村正彦副総裁は「罠をしかけられた感がある」と言っているが?
「違うと思う。先週の『週刊文春』を読むと、この事件には2段階があり、第1幕ではS社とUR(都市再生機構)のトラブルに甘利の秘書が介在して短期に解決し、S社側は事務所に500万円献金し、甘利に50万円を渡して決着している。これで終わっていれば、この件が表に出ることはなかったろう。ところが新しいトラブルが起きてからの第2幕では、最初に甘利に会って説明して50万円を渡したのに、秘書らがS社を食い物にして飲食や金品をたかるばかりで、半年、1年すぎても何ら進展がなかった。それで怒ったS社側が『いざとなったら脅してやろう』とでも思って記録を整え始めたのだろう。これは言い逃れができそうにない」(前出の大物秘書)
となると、甘利辞任のタイミングだが、秘書氏は「早ければ今週で、それがベスト」だと言う。文春は十分な資料を持っているようだから、辞めなければ第2弾、第3弾と撃ってくるに決まっていて、長引くほど傷が広がる。
ところが、この政権は麻生左大臣、甘利右大臣、菅内大臣で支えられてきたので、4輪車のタイヤが1本外れたようになって操縦困難に陥るし、また甘利の存在は安倍個人にとって「心の支え」でもあったので、それでなくても心配されている安倍の体調不安が増す。そのため安倍は「せめて2月4日のTPP署名式まで」などと中途半端な温情をかけようとするかもしれず、そうするとさらに事態がこじれる。
いずれにせよ、4月から本格化するTPP協定とその関連法案の国会審議を甘利に担当させようとしても、野党が「甘利は相手にせず」という態度に出て、立ち行かなくなることが分かっている以上、即座に決断するしかないと、秘書氏は言うのである。
しかしそうなると、甘利が健在だったとしても難航必至といわれていたTPP審議の行方に暗雲が立ちこめる。後任に何人かの名前が挙がっているが、誰がなっても交渉の全容は直接知らないのだから、野党は「あなたでは話にならないから」と言って、わざと安倍に質問を集中して立ち往生させる戦術をとるだろう。アベノミクスの破綻と併せて、安倍にとっての地獄の春が待っている。
高野孟
ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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