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「消費増税再延期→衆参ダブル選挙→改憲」 安倍総理の大いなる「野望」が見えてきた 政治家人生の「総仕上げ」へ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47573
2016年01月27日(水) 週刊現代 :現代ビジネス
安倍総理の政治家人生の「総仕上げ」へのシナリオが動き始めた。野党の不意を突き、党内をまとめあげる。「安倍一強」を強固にし、悲願の改憲へ――。すべてはこの夏のダブル選挙から始まる。
■勝てれば何でもいい
NHK大河ドラマ『真田丸』の第1話に、こんなシーンがあった。
織田信長に追い詰められつつある武田家の臣下として、真田昌幸(草刈正雄)は声を励まして武田勝頼を鼓舞し、自らの家族の前でも、微笑みながら力強く断言する。
「安心せい。この真田安房守がいる限り、武田(家)が滅びることは、決してない」
だがその直後、息子の真田源三郎(大泉洋)と源次郎(堺雅人)のみの席でこう言い放つのだ。
「武田は滅びるぞぉ」
表に出る言葉が真実とは限らない―—。
戦国屈指の策士として知られる真田昌幸のキャラクターをうまく示した演出である。しかし、それは何もドラマや歴史の中だけに限らない。
表が裏、裏が表。虚と思えば実、実と思えば虚。臨機応変、掌返し。これは、何百年たっても変わらない人の性、その世の象徴たる「まつりごと」の本質というものだ。
では、見た目の印象と違って意外と策士な現代の「まつりごと」の担い手、安倍晋三総理は、新年を迎えた今、どんなことを考えているのか。
1月4日、安倍総理は、通常国会初日を終え、記者会見に臨んだ。そこで総理は、こう断言した。
「(衆参)ダブル選はまったく考えていません」
1月10日に放映されたNHK『日曜討論』でも、笑顔を浮かべつつ、
「残念ながらダブル選挙はありません」
と、やはり否定した。
だが、それは果たして「真実」なのか。
戦国の荒波に何代も揉まれ続けた真田という血族の結晶が昌幸・信幸・幸村父子であるように、安倍総理もまた、祖父が岸信介、大叔父が佐藤栄作、父が安倍晋太郎という政治血脈の延長線上に存在する。
生き残り、勝ち抜くためには変幻自在であらねばならない。祖父や父らの姿を見て育ち、それを誰よりも知っているのは、安倍総理なのだ。
実はいま総理は、表向きの発言とはまったく異なり、側近たちに対してはこう打ち明けている。
「ダブル選をしたい」
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「安倍総理の悲願は、どこまで行っても『憲法改正』です。この悲願成就のためには、さらなる世論の支持と、総理総裁任期の延長が必要になる。
ネックになるのは、'18年に自民党総裁の任期が切れることです。現在、総裁任期は最長で2期6年ですが、安倍総理はこれを3期9年まで延ばし、東京五輪後の2021年まで政権を維持したいと考えている。
それには、今このタイミングで衆参ダブル選挙に踏み切って圧倒的な勝利を収め、党内からの反対を封じ込める『力』が必要なのです」
■野党、弱いよね
口先のお愛想とは裏腹に、安倍総理が7月の参院選に合わせてダブル選挙を強行するに足る理由は、いくつもある。
まず、憲法改正に向け、反対する野党を薙ぎ払って記録的な圧勝をすることが目的なら、まさに今は大チャンスである。
民主党の中堅議員がこう嘆く。
「内側から見ていても、民主党の惨状は情けないほどです。国会でも、相変わらず『TPP反対』『安保反対』『アベノミクス反対』とひたすら反対のための反対をしているだけで、建設的な議論は何一つできない。あげくに最近は、『党名を変えよう』とか言い出している。ダブル選なんてされたら、文字通り粉々に砕け散るのは間違いありません」
昨年12月の読売新聞の世論調査によれば、民主党の支持率はわずか7%。自民党の36%に大きく水をあけられている。
焦る民主党は、同党の出身者が多い維新の党だけでなく、共産党にまで手を伸ばして野党共闘を目論むが、こうした支離滅裂な「野合」では国民の支持を得ることは極めて難しい。
前出の議員が続ける。
「統一会派だ、共闘だ、ということで、今になって慌てて、参院選の候補者や選挙区の調整をしようとしているんです。地元の支援者からは『どういうことか説明しろ』と詰め寄られます。この状況でダブル選をされたらひとたまりもありません。幹部は安倍総理の言葉を真に受けているようですが、同じく騙されて大敗した前回の衆院選から、まったく学んでいない」
政治評論家の浅川博忠氏もこう指摘する。
「ダブル選となれば、衆院の選挙区で野党候補がぶつかることになります。そうなると、32ある参院の一人区で野党が統一候補を立てられず、そこを取りこぼす可能性が高い。自民党にとってはまさにチャンスです」
安倍総理がダブル選を否定するのは、これを嫌がる公明党に向けたポーズである部分も大きい。真田昌幸が、「身内」を当面だけでも安心させるため、「武田は滅びぬ」と言ったのと同じだ。
ところが民主党は、無邪気にそれを信じて内輪のゴタゴタに終始しているのである。あからさまな政略にすぐ騙されるような人々がどんな結末を迎えるかは、『真田丸』の劇中でも今後描かれていくことだろう。
さらには、こんな野党の体たらくだけではない。安倍総理は、いざとなればダブル選での大きな旗印となり得る最強の「切り札」も持っている。
それが「消費増税の再延期」である。
安倍総理は、ダブル選を否定したのと同じく、こう言っている。
「消費増税の再延期はいたしません」
増税の可否を経済状況によって決めるという景気条項を削除し、'17年に消費税を10%に上げると決めたのは、言うまでもなく安倍総理である。
だが、総理は同時にこうも言っているのだ。
「大震災や、リーマンショックのような危機が起こらない限り……」
ジャーナリストの長谷川幸洋氏が語る。
「総理のこの話は、逆に読まないといけません。『リーマンショック級のことが起きたら、消費税は上げない』のだと」
不穏なことに、世界経済の状況は、総理が再び増税を封印するに足る事態に陥りつつある。
■戦後最長政権が見えてきた
そのひとつが、中国のバブル崩壊だ。中国経済の急減速が明らかになり、世界同時株安に引き摺られる形で、日経平均株価は過去最悪となる年明けから6日連続の下落。1万7,000円台まで落ち込んだ。アメリカの著名投資家、ジョージ・ソロス氏も、
「中国危機はリーマンショック級だ」
と警告を発している。
'17年に再増税をするかどうかの判断は、日本のGDP成長率などの指標を睨みつつ、今年の春から夏くらいに行われるとされるが、ダブル選のタイミングと重なるちょうどその頃、世界と日本は重大な経済危機に見舞われている可能性が高まってきたと言える。
「日銀が当初、'15年中を期限として公約していた『デフレ脱却』も、予定通りに進んでいません。これも、増税を再延期する口実となる。それらを大義名分に、安倍総理がダブル選を実施する可能性は十分にあり得るでしょう」(前出・長谷川氏)
自分で「必ずやる」と言い、一度決めた増税を延期し、あまつさえ選挙のカードに使おうというのは、本来、批判されるべき話である。実際、民主党などは、国会で激しく追及するだろう。「総理はウソをついた!責任を取れ!」と。
しかし、いざ選挙となった場合、「国民の生活を守るために、増税はしない」と宣言する総理と、「責任を取れ!」と騒ぐだけの野党と、どちらに票が集まるか。政治は原理原則では動かない。安倍総理は、今やそれを誰よりもよく知っている。
ダブル選で圧勝→総裁任期延長となれば、安倍氏の総理在任期間は、大叔父である佐藤栄作元総理の任期を超え、戦後最長記録が見えてくる。
安倍総理のこうした「野望」をよく知り、付かず離れず、政局を見極めているのが自民党の二階俊博総務会長だ。同党閣僚経験者がこう語る。
「二階さんが、ここに来て、『ダブル選挙があるかもしれない。(安倍政権の)幹部はやりたがっている』と言い始めた。昨年末までは否定的でしたが、年始に安倍総理と電話で話す機会があったらしく、その際に何らかの空気を察知したのでしょう。その嗅覚で政界を自在に遊泳してきた二階さんの見立ては捨て置けない。やはり『ある』のではないか」
大波乱の一年が、始まろうとしている。
「週刊現代」2016年1月31日号より
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