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騙されやすいヒトは、安倍首相の対外政策について、中国・北朝鮮・韓国に対して強硬姿勢を貫く「媚びない外交」と受け止めているようだ。
しかし、中国が“尖閣諸島国有化”で日中関係を険悪化させた野田首相の後任として安倍晋三氏を望み、「日朝国交正常化」が最重要外交テーマになっているからこそ、首相でありながら脱税疑惑報道を機に遁走するという醜態を見せた安倍氏が再び首相の座につくという前代未聞の“復活劇”が演じられたことからもわかるように、安倍首相の一見「媚びない外交」は、右派が嫌う融和外交を見えにくくするためのカモフラージュでしかない。
(安倍首相は、ある事件で北朝鮮に大きな政治的借りがあり、歴代米国政権にも約束し続けてきたように、「日朝国交正常化」を最大の政治課題としている)
転載する『週刊文春』連載コラムに寄せた飯島氏の文章は、基本的にまともな内容だと思うが、安倍氏(日本国)に課され続けている国際的使命という肝心な話を隠したままであれこれ語っている。
飯島氏は、「北朝鮮の核実故も常に敵対勢力の中心である米国との戦いだし、対米戦略なのよ。核問題も六カ国協議の再開とかより、米朝協議が本当にできるかどうかが最大のカギだぜ」と書いている。
確かに、朝鮮半島問題の最終解決は米国がカギを握っているのだが、米国が最終交渉に踏み出す前提として、「日朝国交正常化」を通じて日本が北朝鮮に支払うおカネが重要な役割を担っている。
だからこそ、小泉元首相は、02年9月に米国の指示を受けて北朝鮮を訪問し「日朝平壌宣言」に署名したのである。六カ国協議も、日朝交渉が暗礁に乗り上げたことで設定された“予定外”の合議体である。
米朝平和条約締結は、日本が支払うおカネを代償として北朝鮮が “核とミサイルを放棄”することで現実のものとなり、朝鮮半島の統一も、北朝鮮が少しでも韓国に追いつくための経済開発に資する“日本統治時代及び戦後の補償(経済協力金)”が大きな支えになる。
安倍首相は、蓮池透氏が言うように「拉致問題を政治利用してのし上がった」というより、拉致問題解決を突破口として日朝国交正常化を達成するため、然るべき政治的地位を確保してきたと考えたほうが的確である。(06年にたいした実績もない安倍氏が首相になったのもそれが理由である)
そして、そのような“裏事情”を知っている自民党の古参幹部やマスメディアの経営幹部は、しゃかりきで安倍晋三氏を支えている。
米国や中国たぶん日本も事前に情報を得ているほんとかどうかわからない北朝鮮の“核実験”表明は、安倍政権(日本)に対する日朝国交正常化交渉進展の催促なのである。
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『週刊文春』1月28日号P.37
飯島勲内閣参与の激辛インテリジェンス
北朝鮮“水爆実験”と拉致問題の行方
一月六日、北朝鮮が「水爆」と称する核実験を実施したと発表して、兼アジアもきな臭い年明けだよな。
安倍晋三首相も「過去に例のない裁しい制裁を検討する」と日米韓で連携して徹底的に対応する意向を示したよね。半面で、日朝間では日本人拉致問題の解決という難題も抱えているから「対話の窓口はいつでも開けておく」両にらみさ。
オレが注目しているのは、北朝鮮が六日に朝鮮中央通信を通じて公表した声明文なんだけどさ。朝鮮戦争以来、米国が北朝鮮に対していかに核兵器による攻撃をちらつかせて威嚇してきたかを縷々述べているのよ。
特に昨年八月十七日から、「乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン」という米韓合同軍事演習を実施したんだけどね。これは「核による先制攻撃と平壌占領」「北朝鮮指導部の除去」「米韓による朝鮮半島の統一」を課題に想定してやったものだ、というんだな。
延々と続く対米非難を読むと、最高指導者の金正恩第一書記が、米国からの圧力に心理的に相当な危機感を抱いて、核実験に至ったんじゃないかと推察するね。
米韓同盟では、有事には韓国軍の統帥権は在韓米軍司令官に委ねられる、という事実も理解しなきゃな。朝鮮戦争が完全に終結しないで、不安定な休戦状態のまま、北緯三八度線を挟んで南北の大軍同士が対峙している。その韓国軍への米国の影響力は極めて大きい。
だから、北朝鮮の核実故も常に敵対勢力の中心である米国との戦いだし、対米戦略なのよ。核問題も六カ国協議の再開とかより、米朝協議が本当にできるかどうかが最大のカギだぜ。
オレのインテリジェンスでは、実は北朝鮮は相当に強力な防空体制を敷いているんだよな。今回の核実鼓を受けて、米側も渡りに船とばかり、戦略爆撃機B52や、ステルス職師機F22を韓国に送ったと伝えられている。これに中国がちょっと待てと反発する図式さ。
でも心配なのはこんなゴタゴタに巻き込まれて、拉致問麓が解決できず「ジ・エンド」となることだよ。
ダンマリのプーチン
核実験を巡って米朝が角突き合わせ、緊張が高まる状況に日本が全面的にお付き合いする必要があるのかっていいたいぜ。ロシアのプーチン大洗額なんかダンマリでしょ。静かに多面的に分析して対応していこうっていうさ。日本も見習った方がいいんじゃない?
米韓軍事演習を巡るインテリジェンスからは、金第一書記が怒るのも分からなくもないわけよ。日本は直接関与していないんだからさ。一緒に制裁強化だって拳を振り上げて、在日朝鮮人の本国への送金を締め上げるとかやってみたところで、拉致問題の解決には何ら資することはないからね。
ここはむしろ、在日朝鮮人とは融和を進めて、日本人と同じような地位の向上を図らなければ、拉致問題の解決もありえないぜ。
衆院予算委員会では、拉致被害者の蓮池薫氏の兄である透氏の著書を引く形で、民主党議員が「首相は拉致問題を政治利用してのし上がったのか」と質問し、首相が激怒する事件まで起きちゃってさ。オレもその本読もうかと思ってたけど、論戦を聞いた限りデタラメだから、読むの止めたぜ。
あれは首相が激高したのも無理ないな。小泉純一郎元首相が電撃訪朝し、薫氏ら拉致被害者五人を帰国させた後さ。「被害者をいったん北朝肝に戻すか戻さないか」でもめた顛末は、首相秘書官として横で見ていたんだから、全部知ってるよ。オレとしては、透氏から安倍首相に感謝の気持ちの二言もないのは残念だね。
いいじまいさお 5年5カ月続いた小泉政権を政務担当首相秘書官として支える。現在、特命担当の内閣参与。著書に『政治の急所』、『ひみつの教養』他。
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